椎根和『オーラな人々』
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
2005年11月に東京国立博物館で行われた「サド侯爵夫人」の舞台が、テレビ放映の予定。
→NHK-BS2「ミッドナイトステージ館」
・2009年3月28日(土)午前1:15~4:05 (27日深夜)
・作:三島由紀夫、演出:岸田良二
・出演:新妻聖子、剣 幸、佐古真弓、福井裕子、椿真由美、米山奈穂
| 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)
三島由紀夫の父親・梓氏が、三島の書き損じ原稿を、誰かに持ち去られて売られないために、自宅で焼却していた、という挿話。
誰のどの本に載っていたか、御存知の方はおられませんか?
湯浅さんか村松さんあたりだったっけ?と探しているのものの、見つからないのです。
ご記憶の方は、どうかご教示くださいませ。
| 固定リンク | コメント (6) | トラックバック (0)
鼎書房の『三島由紀夫研究』第6号が刊行されました。
巻頭のインタビューは、戌井市郎さん。先日、戌井さん演出の新派「鹿鳴館」の公演があったばかりでタイムリーな企画。
「喜びの琴」事件や、その後、文学座45周年のときに「鹿鳴館」再演を杉村さんが希望したけど三島夫人が断った話など、興味深い。
そういえば、『芝居日記』所収のインタビューでも、歌右衛門さんが、実は「鹿鳴館」を演じたかったとおっしゃっていて、やはり魅力ある作品なのだなあ、、と思いました。
雑誌の特集は「金閣寺」。(ご迷惑をおかけした拙論も、無事?掲載していただいています。)
やはり三島の代表作としての位置づけは揺るぎないものですが、数年前までとは研究の傾向が様変わりしたのが印象的。『三島由紀夫『金閣寺』作品論集』のときには、後半はほぼ語り論ばかりだったのに、今回は語りを中心に据えた論考はなく、研究の流れを感じました。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
・2008年6月6日-29日
・新橋演舞場
・作:三島由紀夫
・演出:戌井市郎
・出演:水谷八重子(影山朝子)、市川團十郎(影山悠敏)、西郷輝彦(清原永之輔)、波乃久里子(草乃)、英太郎(大徳寺季子)ほか
そのうち感想を、、と思っているうちに、もう明日が千秋楽なので、観たという記録だけ。
新派というのは、不思議なお芝居だ。旧派=歌舞伎に対しての新派だけど、新劇からすれば旧劇で、小劇場以降は新劇すら旧劇に見えるいま、歌舞伎や新劇界からの客演によって公演していることからも、とても微妙な位置にある。
團十郎の現代劇を私は初めて観たけど、どこまでも團十郎だった。
團十郎が影山伯爵を演じているというより、我々は、助六の團十郎を見るように、影山伯爵の團十郎を見ているのだ。歌舞伎と同じ演技の質で、当初、影山伯爵のウラのある悪は團十郎に向かないのではないかと思いつつみていたのだけれど、途中からそんなことはどうでもよくなり、影山の團十郎として見ていた。凄まじい存在感。
これに対して、清原の西郷輝彦は典型的な新劇芝居で、リアルに演じていて、両者の芝居は全く異質。とにかくセリフのスピードからして全く違う。團十郎は歌舞伎のまま、間をとる。
二人が同時に登場するのは最終場までないのだけど、それにしても、この異質な芝居がでもその二つが八重子や久里子を間に入れることで並立するところが、面白い。
女形の英太郎も含めて、不思議としか言いようのない芝居の質だけど、華やかで、和装・洋装の着慣れていて、「鹿鳴館」の舞台としては劇団四季のものよりは私は良かったと思う。少なくとも、舞台を見る楽しみがたっぷりとあった。
八重子は朝子を自分の持ち役としており、戯曲の含み持つ、男VS.女の対立劇をじっくりと見ることができた。鹿鳴館の夜会での華やかなダンスシーンをたっぷりと見せてくれたのもよかった。
欲を言えば、最後の伯爵と朝子のダンスをもう少し見たかった。二人が踊り始めて、「ワオ、團十郎のワルツ!」と身を乗り出そうとしたところで幕だもの。
新派120年記念公演ということで、カーテンコールのときに歌舞伎の口上に似た挨拶があり、日替わりの特別ゲストのスピーチも。(私が観た日は、小川真由美がゲストだった)。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
アトリエ・ダンカンプロデュース公演
女方:篠井英介×演出:鈴木勝秀シリーズ第2弾
「サド侯爵夫人」
演出:鈴木勝秀
出演:篠井英介、石井正則、小林高鹿、山本芳樹(Studio Life)、天宮良、加納幸和
【東京公演】
2008年10月17日(金)~26日(日)
東京グローブ座
【松本公演】
2008年11月12日(水)19時
まつもと市民芸術館 主ホール
【水戸公演】
2008年11月23日(日)14時
水戸芸術館 ACM劇場
【北九州公演】
2008年11月2日(日)
北九州芸術劇場 中劇場
【大阪公演】
2008年11月6日(木)
梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
【金沢公演】
2008年11月17日(月)
金沢市文化ホール
【富山公演】
2008年11月18日(火)
富山県民会館
【新潟公演】
2008年11月20日(木)
りゅーとぴあ新潟市民芸術館・劇場
【名古屋公演】
2008年11月27日(木)
名古屋市青少年文化センター
----
男優だけによる「サド侯爵夫人」ですね。
何と言っても、篠井さんと加納さんが同じ舞台に立つなんて歴史的!
毎度の嘆きですが、広島公演もあるとよいのに・・。
この日程だと、行けるとすると北九州かな。
| 固定リンク | コメント (3) | トラックバック (0)
・日時:2008年5月24日(土)~30日(金)18:30/20:00、(27日は休演)
・場所:三条会アトリエ(千葉市)
・演出:関美能留
・出演: Aプロ:榊原毅、立崎真紀子、橋口久男
Bプロ:関美能留、大川潤子、中村岳人
(+渡部友一郎「葵上」)
いやあ、すごい舞台を見ました!
恐るべし、三条会、そして関美能留。
「卒塔婆小町」「葵上」といえば、三島由紀夫の『近代能楽集』のなかでも代表作と目され、最も上演される機会の多い2作です。私自身も、いろいろな舞台を見てきました。
が、これはすごい。とくに「卒塔婆小町」! こんなやり方があったのか!と驚きで一杯。緻密な計算による構成で、正攻法ではないかもしれませんが、裏ヴァージョンとしてピカ1。
「卒塔婆小町」は、現代の公園の時間と80年前の鹿鳴館の場面と、二つの時間が輪廻のように邂逅する構成で、皺だらけの老婆と若き日の小町の二重性とがそれに重なり合う。詩人の目にだけ老婆が美しく見えなければならないという主観をいかに表現するかという難問も含んだ作品ですが、それを映像との二重写しで処理していました。
芝居のなかに映像を利用する手法は少し前からどこの劇団でも使うようになってきてますが、こんな使い方は初めてで、それがまた憎らしいくらいはまっている。技量に裏打ちされた、見事な計算、という感じでしょうか。
何度も読んできた戯曲なのに、「卒塔婆小町」って、こんな風に作られていたんだ、という新たな発見があります。
戯曲の持っている可能性を、単に読者として読むだけでは気づかないそれを、イタに乗ったものを見ることで気づく。これが演劇を見る醍醐味でしょう。それを存分に味あわせてもらった「卒塔婆小町」でした。
こんな体験ができるから芝居を見るのはやめられない。
滅私奉公のあまり半年近くつづいていた鬱がふっとんじゃって、元気になりました。
私が見たのは、初日の5月24日(土)。「卒塔婆小町」がAプロ、「葵上」がBプロでした。
もう一つの方も見たかった。とくに、演出の関さんが詩人を演じる「卒塔婆小町」を見られなかったのが心残り。残りの公演に間に合う方は、ぜひぜひどうぞ。
東京から千葉まで片道1時間以上かけて行って、上演時間が一つ35分、間に休憩が50分も入って、もう一つが35分。正味70分ってどうなの?という感じですが、時間をかけても行く価値があります。30人ほどの観客で一杯になっちゃうアトリエ公演で、6日間だけというのが、また贅沢で、もったいない。
以下、ネタバレです。
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
「卒塔婆小町」
客入れのときから、舞台下手にナチュラルな雰囲気の女性(老婆/小町:立崎真紀子)、右手に学生服の男性(詩人:橋口久男)、真ん中にスキンヘッドの男性(?:榊原毅)が立っていましたが、時間になると「じゃあ、やりましょうか」なんて声をかけあって、ゆるーい調子で開始。
舞台左右の椅子に男女二人が腰掛けて、手に持ったA3大の紙を見ながらセリフを読み上げ、朗読劇風の幕開け。(途中から「これは単なる朗読劇じゃあない。もしかして紙にセリフなんて書いてないんじゃない?」と思って注意してみてみると、やはり白紙でした)。
こうして始まった老婆と詩人の卒都婆問答の間、真ん中のスキンヘッドの男性は、手に持ったビデオカメラで自分の顔を写し、それがプロジェクタで舞台奥に映される。ときどきセリフらしきものを口ずさんでいるが、何なのかまったくわからず。
何だろう?とは気になりながら、老婆と詩人のセリフ語りがあまりにうまいので、そちらに集中。でも、やはり真ん中の男は気になる。何なの??
ベンチの恋人たちが退屈してケンカする場面にさしかかる。
3人だけでどうやって「卒塔婆小町」をやるのか、そもそも不思議だったのだけど、おもちゃのベンチに腰かけさせたぬいぐるみの蛙二つを、男がケンカしている風に動かし、それをスキンヘッド男がビデオで映すことで処理。
なるほどね。
そして、80年前、鹿鳴館の場面にさしかかる。
・・・と。
「それじゃあ、戻しましょうか」と、またしてもゆるーく声をかけあい、ビデオカメラをいじくると、中央のプロジェクタで映された映像が巻き戻されて、巻き戻されて、劇の開始場面まで戻る。
そして、驚いたのはここから。
実は、さきほどまで榊原(スキンヘッド男)が舞台中央で自分の顔を映しながら時々つぶやいていたセリフは、このあとの鹿鳴館の場面の小町のセリフだった!
プロジェクタに写されたスキンヘッド男の動く口と、立﨑の小町のセリフとが完全にシンクロ。橋口の詩人と、立﨑の小町のセリフ・榊原の顔で、鹿鳴館の場面が進行していく。
言ってることが、わかりますか?
冒頭からの現代の公園の場面で老婆と詩人の卒塔婆問答が繰り広げられていたあいだ、榊原は、80年前の鹿鳴館の場面を、ビデオに映しながら一人芝居していたわけです。詩人のセリフは頭のなかで演じて間合いをはかり、小町のセリフだけを口にしていた。
驚くべき技量!
こうして、スクリーンに映る顔はスキンヘッド男・声は女性である立﨑という二重性の小町と、詩人との、鹿鳴館の場面が繰り広げられていくわけです。
舞台を目で追いながら、頭の中では、現代の公園の時間の80年前に、鹿鳴館のシーンが行われていたのだ、という時間の二重性を思い知らされ、小町/老婆の二重性とがかぶさり、ゾクゾクしました。
さらに驚きは続く。
「もしあなたみたいな人に飽きたら・・・」のセリフのところで、最前の公園の倦怠期カップル(蛙)の映写にぴったりと来る絶妙さ。
そして最後、「小町、君は美しい」とついに詩人が宣言するところで、映像は消え(過去が現在に追いつき)、現代の時間だけに再び回帰していく。
もう見事としか言いようがない出来でした。戯曲が含んでいた可能性を見事に引き出した演出。そうしたアクロバティックな演出上のアイディアが実現できたのは、役者の卓越した技量あってのこと。
劇中の音楽は、平井堅の「瞳をとじて」だったけど、一曲まるごとかけていたその使い方も見事でした。
蜷川演出の「卒塔婆小町」も傑作だけど、あれも全く正当派の新劇芝居ではなく、「卒塔婆小町」は実験的な演出を許容する奥の深さがある戯曲なのでしょうね。
「葵上」
「葵上」の方もよい出来だったのだけど、「卒塔婆小町」の出来があまりに素晴らしかったので、ちょっとソンしているかも。
演出で印象深かったのは、冒頭から康子が舞台奥で眠っていること。劇の途中から、光が眠り、看護婦も目を閉じて立っていた。つまり、この作品には〈眠りの力〉が支配していることを示していて、この解釈には全く賛成。
ヨットは、葵が寝ていたフトンを見立てて。
ヨットのシーンで、康子と光がセリフをがなり立てていたのが、ちょっと遊びが過ぎたかな?
また、最初のあたり、康子が虫を追い払うようなしぐさをしながらしゃべっていたのも、解せなかった。(康子役の大川潤子さんは、雰囲気があって、好きなタイプです)。
葵が途中で劇場のトイレに入り、そこから「助けて~」とか言っていたのは面白かったし、窓の開閉などアトリエの空間の使い方もうまかったですけどね。
音楽は「オペラ座の怪人」でした。
★ ★ ★
そういうわけで、「卒塔婆小町」の方が鮮やかに計算された演出で目を奪われてしまったけど、「葵上」も含めて、とにかく役者たちのセリフ回しが見事。
三島のセリフをこんなにうまく語れる役者たちが揃っているというのは、本当にすごいことだと思います。
演出の関さんのインタビューで、三島の戯曲を上演するために結成された劇団だとのことだったけど、納得。
チラシに「絢爛なことを絢爛に感じない作品を作りたい」とありましたが、三島の舞台がこんな風に作り替えられるんだなあ。。
客席の後ろに書棚があって、三島作品の文庫本がたくさん置いてありました。
今年は『近代能楽集』全作品連続公演とのこと。秋の4作も期待できそうです。関東地方にお住まいの方は是非。
![]() |
近代能楽集 (新潮文庫) 三島 由紀夫 新潮社 1968-03 by G-Tools |
私自身の論文は↓にあります。
・「卒塔婆小町」(20年以上前のもの(^^;;))
・「葵上」(2年前のもの)
----
〔追記〕トラックバックさせていただきました。
・CoRich
・眠気に負けずにお芝居を。
・As Is Now -記憶装置の劣化に抗う試み
※CoRichの「観てきた!」によると、Aプロ、Bプロで演出を変えてきているんですね。
Bプロの「卒塔婆小町」も本当に見たかった!
以前の「班女・卒塔婆小町」のときとも、今回のAプロは違っていたみたいで、ソラおそろしい。
---
〔2008/6/4 追記〕
しのぶの演劇レビューさんにトラックバックさせていただきました。
「卒塔婆小町」Bプロ、「葵上」Aプロについての詳細なレビューを掲載しておられますが、本当に全く異なった演出だったのですね。すごく面白そうで、両方見たかったなあ・・と、拝読しながら身悶えしちゃいました。
| 固定リンク | コメント (4) | トラックバック (1)
| 見出された恋 -「金閣寺」への船出 岩下尚史 |
面白い!
湯浅あつ子『ロイと鏡子』にほのめかされていた、三島由紀夫が29歳からの4年間に付き合っていた女性(『橋づくし』の満佐子のモデル)との交際を、小説化したもの。
曖昧にぼかしてある箇所も、三島読みからは色々と類推できる。
やはり、昭和30年代初頭は、三島にとっては異性愛の季節なのだなあ。
三島由紀夫と歌舞伎
木谷 真紀子
翰林書房 2007-12
![]() |
「三島由紀夫」の誕生杉山 欣也 by G-Tools |
こちらの2冊はご恵贈いただきました。どうもありがとうございます! ご紹介が遅くなって申しわけありません。
あらためて別のところで書評をさせていただく予定です。
| 固定リンク | コメント (4) | トラックバック (0)
劇場への招待「朱雀家の滅亡」
・NHK教育
・2008年 2月22日(金)22:25~翌0:55
・原作:三島由紀夫
・演出:宮田慶子
・出演:佐久間良子・窪塚俊介・中嶋しゅう・森田彩華・中山仁
昨年12月のあうるすぽっと柿落とし公演。
大好きな宮田慶子さん演出。私は観に行けなかったけど、舞台を見た知人はさすがだったと言っていた。テレビでとはいえ、見られるのはとても嬉しい。
(ちなみに、私の「朱雀家の滅亡」論はこちら。本文リンクからPDFでお読みいただけます)。
![]() |
サド侯爵夫人 朱雀家の滅亡 (河出文庫) 三島 由紀夫 河出書房新社 2005-12-03 by G-Tools |
| 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)
★「豊饒の海」主題と主人公、三島由紀夫のメモ発見(読売2007.11.26)
三島由紀夫(1925~70)最後の小説「豊饒(ほうじょう)の海」4部作の第1部の題名「春の雪」と、主人公の姓「松枝(まつがえ)」が、三島自身が10代に書き写した古い歌謡にそのまま出ていることが分かった。
発見されたのは、三島が学習院高等科1年で使っていた教科書「東洋史概説」にはさんであった、半紙に書かれたメモ。薄い鉛筆書きの達筆な文字で、「松がえかざしにさしつれば/はるのゆきこそふりかゝれ」とあった。歌詞の原典は、平安末期に後白河上皇が著した芸能論「梁塵秘抄(りょうじんひしょう)口伝集」にあり、該当部分は「梅が枝挿頭に挿しつれば/春の雪こそ降りかかれ」となっており、三島は「梅」の部分を「松」と表記していた。
「松枝清顕」は、三島の思想の根幹にあった「輪廻転生」を体現する存在で、美貌(びぼう)の令嬢との禁断の恋に生命を懸け、夭逝(ようせい)する。
東京の古書店が所有する三島の蔵書からメモを見つけた電気通信大学の島内景二教授(国文学)は「三島はこの歌を暗記し、愛唱していたと思うが、美意識に従って本文を変えていた可能性が高い。松の緑の永遠と春の雪の滅びは三島文学のテーマで、若いころの古典、うたへの傾倒に、最後の作品の種子がすでにあったことが見て取れる」と話す。
この資料や、なぞなぞ、こばなしなどを雑誌から抜き書きした学習院初等科時代の手製の冊子「IRO・IRO」などが、来月5日から16日まで、東京・東池袋の「あうるすぽっと」で一般公開される。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
・2007年11月3日(金)-9日(金)
・紀伊国屋ホール
・作:三島由紀夫、演出:村松英子
・出演:村松英子・大出俊・伊藤高・若柳汎之亟・丸山博一・神保共子・村田美佐子・村松えり・鹿内寛子・野村万蔵
・上演時間:2時間40分
・シアターガイド→●、朝日コム→●
レイクサロンの前に、東京へ。
「薔薇と海賊」を見るのは初めて。
三島戯曲のなかではさほど上演される芝居ではないが、今回、これは三島にとって意外に大切で出来もよい戯曲だと思った。
それは、三島の死の直前に上演された芝居であり、三島が二幕の帝一の「王国なんてなかったんだよ」というセリフを聞きながら泣いていた、などという挿話によるのではない。
現実と虚構世界という三島作品の王道のテーマが据えられ、そして、男を拒む女という性の問題も大きいこと。しかも、コメディとして、よくできているからだ。
村松英子さんにとっては、浪漫劇場の舞台以来、37年ぶりの「薔薇と海賊」。場所も同じく紀伊国屋ホール。演技にも意気込みが感じらた。本当に再演を熱望していた舞台なのだろう。
ただ、ちょっとセリフが不安定なところが何カ所かあって、残念。これだけ大量のセリフだから無理もないのだけれど。
千恵子役の村松えりさんが、とてもよかった。
主演の村松英子さんに合わせてだろう、全体に、戯曲の設定よりも役者の年齢がかなり高い舞台になってしまっていた中で、彼女の若さ・清新さは本当に貴重。
楚々として美しく可愛らしく、コメディエンヌとして芝居を盛り立てていた。
「薔薇と海賊」は喜劇なのだ。
セットは、グレーを基調としたロココ風。
大団円の「月のお庭」の歌とともに、ジャラジャラ魔やマフマフなどの虚構の者たちが入ってくるシーンは、着ぐるみなどではなく、何もない・何も入ってこないところに帝一が話しかけるという演出で、つまり完全に幻想として扱っていた。創作上の者たちをちゃんと見せてほしかった気もするけれど(『美しい星』などと同じように)、これはこれでよかったのかな、とも思う。それでこそ、楓の最後のセリフ「私は決して夢なんぞ見たことはありません」が生きてくるから。
![]() |
熱帯樹 (新潮文庫) 三島 由紀夫 新潮社 1986-02 by G-Tools |
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
・2007年11月4日(日)13:00~17:00
・山中湖文学の森・三島由紀夫文学館
・「禁色」ノートを読む/井上隆史
・疾風怒濤時代の三島由紀夫/田中美代子
・司会/佐藤秀明
私が学部で三島由紀夫研究を始めるときに先達として活躍しておられ、いまも決定版全集の編集者として第一線にいる田中氏。そして、現在の三島研究を切り開いておられる井上氏。
お二人並んでの講演で、とくに田中氏のお話を伺うのは初めてで、とても楽しみにしていました。
井上氏のお話は、創作ノートの意図と現実の作品との関係が軸になっており、司会の佐藤氏との間で、ノートの位置づけ・取り扱い方について議論が交わされました。
田中氏のお話は、「夜の支度」-「春子」-「仮面の告白」という流れと、「春子」を「会計日記」の中においての理解でした。
「禁色」と「春子」。はからずも男性/女性の同性愛をテーマにした小説が並び、性がひとつのキーワードとなりました。そして、井上氏と田中氏の捉える三島の男性性/女性性がかなり異なっており、私も後のフリートークで質問をさせていただきました。
今回のレイクサロンも、後日、文学館のHPに掲載されるそうです。
二週続けて週末に出るのはきつかったのですが、行ってよかったです。刺激をいただきました。
数年ぶりに会う方もいて、また、帰りは西へ帰る佐藤氏と教え子の方々と同道させていただき、楽しい時間でした。
![]() |
三島由紀夫虚無の光と闇―三島由紀夫論集 井上 隆史 by G-Tools |
![]() |
三島由紀夫 神の影法師 田中 美代子 by G-Tools |
![]() |
三島由紀夫―人と文学 (日本の作家100人) 佐藤 秀明 by G-Tools |
| 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)
→★日刊スポーツ[2007年10月30日6時32分]
田村正和が妻役に黒木瞳を指名
作家三島由紀夫氏の傑作戯曲「鹿鳴館」が、田村正和(64)黒木瞳(47)のコンビで37年ぶりにドラマ化されることが29日、分かった。テレビ朝日の開局50周年記念新春ドラマとして放送する。
欧化政策が進む明治時代、その象徴となった社交場の鹿鳴館を舞台に愛と謀略を描く。田村は主人公の影山伯爵、黒木は伯爵夫人の朝子役。2人はこれで3度目の夫婦役。
同局の出演依頼に田村は、妻役に黒木を熱望して共演が実現した。これまでホームドラマで息の合った夫婦を演じてきた2人が、今回は“仮面夫婦”を演じる。
素直に“楽しみ”と言っておきましょう!
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
山中湖の三島由紀夫文学館HPに、昨年度のレイクサロンの記録がアップされています。
(宮下規久朗、佐藤秀明、井上隆史「セバスチャンから浮世絵まで - 三島由紀夫の愛した美術 -」)
発言が文字起こしされ、図版もふんだんに出されて、臨場感たっぷり。
いろいろと思い出しました。
もちろん、今年のレイクサロンの宣伝を兼ねてでしょう。開催直前のこの時期にアップするなんて、うまいなあ。
今年は、レイクサロン当日は文学館の入場料が無料だそう。紅葉を楽しみがてら、足を運んでみてはどうでしょう。(とはいえ、やはり広島からは遠すぎて、誘いにくい・・・)。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
『豊饒の海』創作ノートは、かなりの部分が『決定版三島由紀夫全集14』に掲載されていたが、全集未掲載分の一部が、『三島由紀夫研究』(鼎書房)の最新・第4号(三島由紀夫の演劇)に掲載された。これから同誌に連載されるとのこと。
そのことはリニューアルなった三島由紀夫文学館HPの活動レポートに予告されていて楽しみにしていたのだけど、いよいよ掲載。年2回刊行の雑誌に連載だから息の長い話だけど、これから創作ノートの全貌が明らかになっていくはずで、タイでの取材もわかるだろうし、嬉しきこと限りなし。関係各位のご努力に感謝申し上げます。
今号に掲載されているのは、「大長編ノート」2冊と「円照寺取材メモ」。内容を見る限り、決定版全集に載せられない理由はないようなので、全集に未掲載なのはやはり分量調整のためだったのか。
まだ全部は読めていないけど、三島演劇についてのインタビューや論文も興味深い。
それにしても、『三島由紀夫研究』はなかなか安定して届かない。
某メルマガでは7月17日付で入手されたようなことが書いてあり、到着を待ちわびていたのだけど、生協で定期購読している私の手元に届いたのは一昨日(8月3日)。奥付によれば7月10日発行のようで、もう少し早く届くとよいなあと思う。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
山中湖村の三島由紀夫文学館のホームページが、新装(改装?)オープンしたようです。
少し前から縮小されていて気になっていたのですが、この準備のためだったのですね。安心しました。
基本的な情報が見やすく配置され、このあともコンテンツが増えていきそうな雰囲気で、楽しみです。
ところで、前のサイトにあった掲示板は無くなっちゃったのでしょうか?
質問コーナーなど、情報が寄せられて面白い存在だったのですが、最近やや書き込みも低調で、消えちゃったのですかね。復活するといいですね。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
★『国文学』2007年7月号(特集・現代演劇と世界同時性)(學燈社)より
☆インタビュー 平田オリザ『別れの唄』(インタビュアー 今村忠純)
平田 『東京ノート』については、いろいろな新聞や雑誌で取り上げてくださったんですけど、その時、「何でこんなに三島由紀夫とちがうんだ」という、無謀な質問をよく聞かれました(笑)。作品なんて作家ごとに、それぞれ違うのは当然なんです。だから冗談で、むしろ三島さんと私との共通点は、背が低いことだけだと答えていました。僕のほうが三センチ低いんです(笑)。
ただ、真面目な話をすると、三島さんの作品というのは、日本近代文学の──まあ、文学に限らなくても、近代の日本が、西洋というものに憧れて追いつき追い越そうとして到達した──究極の形、結晶体のような、そういう文学だったと思うんですね。そして非常にロジカルに出来ている。特に戯曲はそうだと思うんです。だから、翻訳もしやすかったし、翻訳しても三島文学の良さが失われにくかったと思うんです。三島戯曲というのは、ヨーロッパ人でもこんなには論理的にはしゃべらないだろうというほど、きちんと論理構成されています。ただ、当然、私たち日本人にとっては、こういうふうにはしゃべらないという感覚がどうしてもある。ところが作品によりますけど、内容はジャパネスクで、三、四十年前の当時のヨーロッパにおいては、もっともわかりやすいオリエンタリズムだったんだろうと思うんです。わかりやすくて受入られやすい。
それに対して、僕の世界というのは、いまおっしゃっていただいたように、内容はどの国に行っても、ほとんどそのまんま出来てしまう。・・・・
・・・いや、何の意味もなく、引用しただけなのです。
このインタビューでは、後の方でも、今村氏が、1986年の『サド侯爵夫人』フランス公演のことに触れておられています。
☆伊藤キム「沈黙と饒舌のダンス」
(本を読むか?という質問に対して)
時々は読みます。好きな作家ということでは、芥川龍之介とか、「春琴抄」の谷崎潤一郎ですとか。まあ、ほんの少しずつしか読んだことはないですけど、こういう人たちは好きですね。最近の人で言うと、山崎ナオコーラ。三島由紀夫も好きです。文章がとてもきれいだというところが。あとは過剰な自意識。とにかく文章そのものが宝石みたいに美しい。
伊藤キムの「禁色」舞踏、見たかった・・・。
| 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)
明けましておめでとうございます!
本年もよろしくお願いいたします。
---
とりあえずの三島情報。新潟からの帰りの便で娘が見つけてくれました。
『翼の王国』(全日空の機内誌)2007年1月号(pp.100-101)
椎根 和「三島由紀夫」
三島に居合を教えた人物についてなどのエッセイ。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
今年もあります。
三島由紀夫文学館の掲示板に、再度、告知が出ていました。今年は例年より紅葉が早くて、5日ごろが最後の見頃かも・・・とのことです。
--
○日時:2006年11月5日(日)
13:30~16:50(開場12:30)
○場所:徳富蘇峰館映像室(三島由紀夫文学館隣り)
○申込方法:ハガキ・FAX・電子メール(メールアドレスybm@olive.ocn.ne.jp)に①住所②氏名③電話・FAX番号を明記の上、三島由紀夫文学館にお申し込み下さい。
○参加費:無料
○申込締切日:2006年11月5日(ハガキの場合は4日必着)。人数に余裕がある場合は当日参加も可。
○お問い合せ先:山中湖文学の森 三島由紀夫文学館
〒401-0502 山梨県南都留郡山中湖村平野506-296
TEL 0555-20-2655
FAX 0555-20-2656
○主催:山中湖文学の森 三島由紀夫文学館
プログラム
○公開トーク 13:30~15:40
テーマ「セバスチャンから浮世絵まで―三島由紀夫の愛した美術―」
・宮下規久朗(東京大学文学部美術史学科卒、神戸大学文学部助教授。『カラヴァッジョ』(名古屋大学出版会)で第27回サントリー学芸賞を受賞)
・佐藤秀明(近畿大学文芸学部教授・三島由紀夫文学館研究員)
・井上隆史(白百合女子大学文学部教授・三島由紀夫文学館研究員)
○フリートーク 15:50~16:50
![]() |
カラヴァッジョ―聖性とヴィジョン 宮下 規久朗 名古屋大学出版会 2004-12 by G-Tools |
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
・2006年9月23日(土)13時30分~16時
・広島市青少年センター ホール
・ 第1部:「杉村春子と音楽」水田マリ
「ミニ・コンサート」川本秀史
第2部:講演
「杉村春子の女の一生」戌井市郎(文学座代表)
「杉村春子の芸を語る」北村和夫(文学座俳優)
広島でこのような催しが行われるのは、杉村さんが広島市出身だから。
(杉村さんも、平幹二朗さんも、広島弁がセリフに出ないように苦労されたというのは有名な話ですよね)。
さて、私は、杉村春子の「女の一生」をナマで見たクチです。とはいえすでに晩年でしたし、「見た」ということに意味があるような、つまり歴史的作品を体験することができたということに尽きるような芝居でした。
だから、私にとっての杉村春子は、舞台俳優としてよりも、「東京物語」「晩春」などの小津作品や、新しいところでは「午後の遺言状」などの、映画女優としての印象の方が正直なところ強いです。それらでは、さすがに達者な、そして映画のなかに無くてはならない強い存在感を示していました。
そして、三島をやっている者としては、杉村さんといえば、「鹿鳴館」に象徴される文学座と三島の蜜月時代と、いわゆる「喜びの琴」事件による三島の文学座脱退の、二つの側面があります。そうしたお話が聞けるのかどうか、楽しみに出かけました。
今朝の中国新聞「天風録」に案内されていたためか、青少年センターは満員。
私は岩崎先生にチケットをいただいて行ったのですが、幕開けに実行委員長として挨拶されたのでビックリ。
戌井市郎さんのお話の聞き手としては、先日の講演(大学図書館職員の研修会)でお目にかかった土屋さん(司書にして、劇団員でもあられる)が登壇され、再びビックリ。
お話の方は、戌井さんのは、45分間のうち30分以上が戦争中の状況。御歳90歳ということだけど、かくしゃくとされていて、昔のことが滔々と出てくるといった感じ。1945年4月の「女の一生」初演のときには、空襲警報が鳴ると芝居を中断して客を外に出し、警報が解除になると、また中断したところから再開する、といった状況だったことや、人間関係のことなど、面白いお話が聞けました。(個人的には、森雅之さんの話がもっと聴きたかった・・)
が、ほとんど文学座前史といった感じで、この調子では三島まではとてもたどりつかないな、と思っていたら、突如話が飛んで、昭和38(1963)年の文学座の危機について。
1960年に中国に「女の一生」を持っていく際に脚本の手直しをしたこと、杉村さんが親中派であったことで、文学座が左傾したと見なされ、思想的な問題で中国公演の不参加者が出た。
そうしたことが機縁となって、63年1月に29名が退座して福田恆存らとともに劇団「雲」を結成。戌井さんは、これを思想問題もあったけど、若い力が「杉村春子劇団」には所属していたくない、もっと力を発揮できる場がほしいと思って出て行ったのだ、と世代の問題として解釈していました。
そして5月には、久保田万太郎が急逝。すでに森本薫も岸田国士も亡くなっており、三島は、文学座再建のために先頭に立って奮闘した。三島にとっては、福田一派に裏切られた、という思いが強かっただろうし、芝居らしい芝居を作るために、自分が支えねばと思ったのだろう。
そうしたなかで、「喜びの琴」事件が起きた。
執筆前に、三島さんが「文学座には共産党は何人いるの?」と聞くので、妙なことを尋ねるなと思い、「はっきりとはわからない」と答えると、名指しで「この人はどうだ?あの人はどうだ?」と尋ねてくる。どうも妙だと思っていた。
松川裁判の冤罪に材をとって作られた「喜びの琴」は、三島さんの芝居にしては辛口で、掃除婦のおばさんが一人出るだけで女性がほとんど出ない、明るいものが求められる正月にやるにはふさわしくなく思われた。NHKもこれでは中継できないと言ってきた。そこで、三島さんに、上演の延期と脚本の直しを申し入れた-断ってくるだろうと思いつつ-ところ、案の定、三島さんは直しを断り、そして、文学座は「思想上の理由で」上演「中止」したという一筆を入れさせた。そして、14名とともに退座。
・・といった風に、戌井さんは話しておられました。残った側、上演延期/中止を申し入れた側としては、なかなか言いにくいでしょうね。
(このあたりのことは、北見治一『回想の文学座』に詳しい)。三島にとっても、この事件は相当堪えたでしょうね。自分が背負っていくのだと力を入れていたところから、彼にしてみれば裏切られたのだから。彼のその後の行動や思想の動きにも、大きな影響を及ぼした事件であることは間違いないだろう。
橋本治は、三島にとっての杉村春子は「演劇界での母」に当たる存在で、その決別の大きさを考察していたけど、たしかに「サド侯爵夫人」のモントルイユ夫人が杉村さんで演じられた可能性を想像してみると、とてもスリリングだ。
| 「三島由紀夫」とはなにものだったのか 橋本 治 by G-Tools |
戌井さんは、二つの件とも、杉村さんは旅公演中だったりして直接は関わっていないが、杉村が反対したから上演しなかった、という風にとらえられ、矢面に立たされたと言っていた。そうした状況の中にあっても、杉村さんは、何があっても前へ前へ進もうとする姿勢を見せていた、と強調していました。
聞き手の土屋さんが、新藤兼人さんの本に、分裂等を経ても「杉村さんは決して人の悪口は言わなかった」と書いておられますと水を向けると、戌井さんは「いや、悪口を言わないということはない」と受けていたけど、三島のことは、その後どう思っていたのだろう。
さて、北村和夫さんの方は、開口一番、杉村さんのことを思うだけで涙が出てしまう、本当に杉村さんについての話はキリがない、と、早くも涙ぐんでいました。
そして、「女房も子どももいる身でありながら、・・・・本当は杉村さんと結婚したかった!」と、冗談とも本気だともつかないことを真顔で、大きな声で激白。
その後は、「女の一生」の朗読やビデオ上映を交えてのお話。
「女の一生」に最初に共演したときには、杉村さんが45歳で北村さんは弱冠24歳。それから50年近く共演し、怒られ続けの人生だったとか。北村さんがされる杉村さんの口真似が、本当にソックリ。長く共に過ごしてきた時間を感じさせられた。
ビデオに映った二人はとても若く、新鮮。朗読の方は、ちょうどエピローグの部分だったこともあり、年季の入った北村さんの声にしみじみとした情感が。北村さんも、もう80歳なのですね。貴重な証言を聞かせていただきました。
杉村さんに最後に言われた言葉は、「あなた、死んだらおしまいよ。死ぬまでやりなさいよ」、だったとか。希有の女優ですね。
それにしても、やはりその後の杉村春子と三島由紀夫の関係が気になる。
大会実行委員長とインタビューの聞き手が知り合いだったのだもの。強引に頼み込んで、戌井さんや北村さんにお会いすればよかったかなあ、、とちょっと後悔の帰り道でした。
| 杉村春子 女優として、女として 中丸 美繪 by G-Tools |
| 女の一生―杉村春子の生涯 新藤 兼人 by G-Tools |
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
観光地映画祭 in とば「愛と美の鳥羽・潮騒フェスティバル2006」
うわー、すごい企画ですね。行きたい!
実は今やっているのが「潮騒」。第1作と第3作は、未ソフト化作品なので特に見たいなあ。
ロケ地巡りも、案内してもらえるなんて魅力的。
でも、しっかり仕事が入ってて無理だ~。
| 固定リンク | コメント (5) | トラックバック (0)
・作:三島由紀夫
・演出:浅利慶太
・日下武史(影山悠敏伯爵)、 野村玲子(朝子)、末次美沙緒(大徳寺侯爵夫人 季子)、岡本結花(顕子)、広瀬明雄(清原永之輔) 、田邊真也(久雄)、田代隆秀(飛田天骨)、中野今日子(草乃)
・~2006年6月10日まで、自由劇場。その後、名古屋公演アリ。
⇒公式サイト
四季のストレートプレイを見るのは2回目でありまする。
生前の三島と親交のあった浅利慶太演出による「鹿鳴館」。
今回の四季の舞台は、従来、杉村春子や水谷八重子といったスター女優のための芝居だった「鹿鳴館」を、三島のセリフを聞かせることに重点をおいて作られたらしい。それだけに、さすがに個々のセリフは聞き取りやすかった。三島の書いた演劇作品は基本的にセリフ劇であり、セリフを観客にキチンと届けるということは何よりも重要なことだ。
だが。
ある種の三島戯曲は、上演する必要がないのではないか?極端な話、戯曲を読むか、CDで聞けばよいのではないか?舞台を見ながら、そんな感想を持ってしまった。舞台芸術である限り、何らかの視覚的な喜びや驚きがほしい。要は劇的ではなかったということだ。
三島戯曲自体のはらむ問題なのか-「サド侯爵夫人」ですら、そんな感想をもつことがある。だが、「近代能楽集」の舞台は総じて面白いのだから-、それとも演出の問題なのか。
ともかく、このたびの「鹿鳴館」。観るヨロコビがあまり満足させられないまま、幕が閉じてしまったのが残念。
もちろんセットはなかなかに豪華。大輪の菊や離れの壁画は美しいし、鹿鳴館の大階段やシャンデリアも重厚だった。
だが、舞台の動きが問題。私が最も納得がいかなかったのは、第二幕(三島戯曲の第三・四幕)の鹿鳴館の夜会での舞踏シーンが全くなかったこと。
舞踏会が始まると着飾った貴顕淑女たちが踊る。その後、影山が仕組んだ騒擾を経て、ラストシーンでは踊りの輪の中に影山・朝子も入って踊る、と、ト書きでもはっきりと指示されている。
ところが、生身の役者によって踊られることは全くなく、舞踏シーンはすべて、背景に幻燈のような子供だましの影絵が映されることで処理されるのだ。これはひどい。
この芝居の要諦は、互いの関係の欺瞞性に気付いた夫婦による、そして朝子が影山との別れを決意したことによる、夫婦としての最後のダンスにあるだろう。
虚飾に満ちた夫婦関係を決算するための、最初で最後のダンス。その最中に、朝子がこれから共に生きようと願った清原の暗殺を暗示する銃声が響き、影山はそれを花火の音だとごまかす。観客は、息子と愛人を亡くした朝子の今後の寂寥を、銃声と花火の二重写しに予感せざるをえないのだが、それが鹿鳴館の一見華やかなダンスに対照されるところが、作品の妙なのだ。
にもかかわらず、ミュージカルを得意とする劇団四季の「鹿鳴館」公演で、役者による舞踏会シーンがないとは! 自由劇場というストレードプレイ用の小さな劇場だった制約はあるにせよ、ここはやはり、華麗なステップで観客を魅了してほしかった。ただ影山と朝子が舞台中央に立って対峙するのでは、動きがなく、重すぎる。
他にも、全体に華やかさ・軽やかさに欠けていた。
三島演劇だからと、格調高くしすぎたのではないか。
例えば衣裳。例の「サド侯爵夫人」みたくぶっとばなくてもよいが、もう少し、華やぎや遊び心があってもよい。
森英恵の衣裳は、上質なものであることはよーくわかるのだが、上品すぎて地味。他の登場人物たちがほめちぎるほど、朝子がオーラを発する特別な女性に見えてこないのが、つらい。いくら看板女優芝居を目指さなかったとはいえ、照明も、もっともっときれいに、彼女が光るように、当てることができたのではないか。
また、売りであったはずのセリフの朗誦についても、不満がある。
テンポが遅すぎるのも気になったのだが、役者によってセリフのトーンが違いすぎて、全体の統一がとれていなかった。
中で、スピードや感情の乗り具合など最もよかったのは、野村玲子の朝子。だが、他の役者陣が、そのトーンとかみ合わず、アンサンブルの悪さが気になった。
・・とここまで、辛口に書いてきたが、よかったのは、影山の懐刀でアウトサイダーな飛田と、朝子の腹心でありながら影山に籠絡されて裏切る草乃。
『豊饒の海』の蓼科もそうだが、三島はこういった一癖ある人物を作らせると、実にうまい。役者にとっても、美味しい役所だ。
また、2回目のカーテンコールで、三島の若き日の(ちょうど「鹿鳴館」を書いていた時期の書斎での)写真が吊り下げられていたのを見て、さすがに後の「喜びの琴」事件などの四季と三島との関わりを想起させられて、感慨深かった。
色々不満も書いたけど、ともかく膨大なセリフによって組み立てられた三島の詩的な演劇世界を、確実に伝えていた。劇団四季によって、三島の代表戯曲が上演されたことは、やはり意義のあることだった、と思いたい。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
「三島由紀夫:米滞在の江藤淳に書簡 ノーベル賞も意識?」(毎日新聞2006.3.16)によれば、三島の江藤淳あて書簡5点が、「4月に刊行される「決定版 三島由紀夫全集」(新潮社)別巻の月報に収録される」とのこと。
あいかわらず新潮社さん、全集販売前の宣伝がうまいなあ、と感心する。いよいよ来月で決定版全集も完結。
この4月刊行の全集最終巻は幻の映画『憂国』DVDなわけだけど、先日、DVDの『憂国』の案内も届いて、どうやら東宝からも販売されるようす。つまり、新潮社の全集版と東宝のと、2種類の『憂国』DVDが4月に発売されるわけで、そうなると気になるのは中身。
元のネガプリントが一つだから本編自体は同じはずだけど、映像特典などDVDの内容が同じなのか違うのか、いま一つよくわからない。
全集の定期購読をしていた生協から、別巻も購入するか?と確認されて、もちろん買うと返事はしたのものの、東宝版との違いが激しく気になるなあ。
もう一つ。佐藤幹夫『村上春樹の隣には三島由紀夫がいつもいる。』を読了。
なんだか内容がすべてわかりそうなタイトルだけど、村上春樹と三島由紀夫の関係の指摘の清新さということで言えば、久居つばきの『ねじまき鳥の探し方』の方が数段上だと思う。久居本では、『ねじまき鳥クロニクル』と『豊饒の海』の相関(本田と本多など)など、ハッとさせられた印象が今でも大きい。
太宰-三島にせよ、三島-春樹にせよ、大筋ではやはり関係があると思うのだけど、佐藤本のように細かいところ全てツジツマあわせようとするとすると無理が生じてしまう。「1973年のピンボール」の1973年は「第一次三島由紀夫全集の刊行が始まる年」だから、「ピンボールは三島由紀夫の表象」という箇所を読んで、思わず本を落っことしそうになりましたよ。いちおう最後まで読みましたけど。
春樹には、謎解きに血道をあげたくなっちゃう何か(斎藤美奈子言うところの「ハルキ・クエスト」)があるんだろうなあ。
---
三島由紀夫映画祭2006 「その目で、心で 衝撃と対峙せよ」
・場所:キネカ大森
・期間:2006年4月8日~5月12日
・上映作品:16作品
『憂国』(ニュープリント上映)
『炎上』『永すぎた春』『不道徳教育講座』『潮騒54年』『剣』 『からっ風野郎』『お嬢さん』『潮騒71年』『複雑な彼』『肉体の学校』『愛の渇き』『黒蜥蝪/大映』『黒蜥蝪/松竹』『音楽』『潮騒75年』
・期間中、数回のイベントが予定されているようです。
| 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (3)
もう一つ、三島に関するジェンダー/セクシュアリティがらみで、数年間見逃していた文献を先頃知りました。
佐藤耕治氏
「文体へのまなざし-三島由紀夫におけるジェンダー/セクシュアリティと身体/文体」
(城西国際大学『かりんかりん』創刊号、2001年5月)。
三島が意識的に開示しようと した評論と現実に書かれた作品の文体の関係が考察され、最新のジェ ンダー/セクシュアリティ論を援用しながら三島文学に切り込んだ貴重な論考だと思います。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
「卒塔婆小町」で検索していて、とても興味深いサイトを見つけました。
akaboshiさんの、フツーに生きてるGAYの日常です。
実際に「卒塔婆小町」を演じられた体験を持っておられ、数年ぶりに再読されたとのことですが、その読みが面白い。
連載のうち一つあげると、「三島由紀夫とつきあってみる。005●「卒塔婆小町」のセックス論と三島的男女観」。
老婆と詩人の相補的な関係の分析もだけど、両者の劇を「セックスの暗喩」として読み取っているところが刺激的。
同サイトの記事では、ほかに、映画「メゾン・ド・ヒミコ」についての詳細な考察(メゾン・ド・ヒミコで未知との遭遇)なども、素敵。
(ちなみに、当NAGIの小箱の「メゾン・ド・ヒミコ」の記事はこちらでした)。
また、最近では、映画「ブロークバック・マウンテン」関係の記事が充実していて、同映画がアカデミー賞作品賞を逃した件に関する記事からは、日本アカデミー賞でも、「メゾン・ド・ヒミコ」が候補にすらあがらない現状を想起してしまった。
とにかく拝読していると、早く広島でも見たい!と地団駄踏みたくなります。(なにせ4月1日からですぜ(;_;))
注目サイトです。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
福島次郎さん(ふくしま・じろう=作家)が22日、膵臓(すいぞう)がんで死去、76歳。通夜は23日午後7時、葬儀は24日午後2時から熊本市本荘6の2の9の合掌殿島田斎場で。喪主は妹井村市子(いむら・いちこ)さん。自宅は同市萩原町7の47。
「バスタオル」と「蝶のかたみ」で2度、芥川賞候補になった。98年、故三島由紀夫との交際をつづった小説「三島由紀夫―剣と寒紅」を発表。遺族から小説内での手紙の公表が著作権侵害にあたるとして出版差し止めなどを求められ、敗訴した。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
そういうわけで娘と競争で(完全に負けてますが・・(^_^;)セッセといただきものの漫画を読んでいるところなのだが、平行して、ようやくコミック版の『春の雪』を読了。
連載は昨年秋。帯によれば「「週刊女性」連載コミックに大幅加筆、ついに単行本化!!」だそう。(原作:三島由紀夫、脚本・構成:池田理代子、画:宮本えりか)。
映画よりも原作に忠実で、ダイジェスト版としても使えそう。
| 固定リンク | コメント (3) | トラックバック (0)
映画は、原作をほぼ忠実に再現して、ヘンにオリジナルな部分を入れて作品世界をぶち壊すことなく、美しく作られていた。官能・欲望と、満たされない葛藤とを描いていたと思う。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
おそまきながらコシノジュンコ氏のページにあることに気づきました。
(クリックすると役者ごとと全体の画像が開きます)。
この衣裳写真を求めて演劇雑誌を色々探していたのだけど、お膝元にあったのですね。
(ネットはやれやれ・・なことも多いけど、便利なことも多い。)
改めて見てもすごいけど、舞台で照明を浴びて動いている姿はさらに強烈でした。アートだ!
| 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)
昨夜の英語でしゃべらナイト、「英国一の日本通、ジェフリー・ボーナス教授が、作家三島由紀夫との思い出を語る」とあったので期待して録画してたのだけど、 時間が短すぎて全然たいしたこと言っていなかったですね。
「本を読め、本を」というところでしょうか。
⇒ Geoffrey Bownas, Japanese Journeys
⇒京都新聞の紹介記事
ただ、1970年の夏、本の編集のために毎日のように三島に会っていた、と教授が話していた件は臨場感がありました。死の年の夏、『天人五衰』を書き、死を見すえつつ楯の会の活動をし、家族との最後の夏を過ごし、さらに現代日本文学を海外に紹介するために時間を割いていたということ。(それにしても、この時期、三島は下田のホテルに滞在していたはずで、やや不思議)。
(ちなみに二人で編集していた本とは、"New Writing in Japan"。『決定版三島由紀夫全集36巻』に三島筆・ボーナス訳の序論が所収され、年譜には見えなかったけど、36巻の解題には「一九七〇年の夏に三島と共同作業」をしていたことが記されています。)
さて、三島に関する部分は短かったけど、番組メインの為末大選手の話は含蓄がありました。さすがにサムライ・ハードラー。
再放送は今夜(深夜)2:20~。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
風邪ひきかけてるし、明日も学校だし、早く寝よう、と家に帰ってみたら、鼎書房から創刊された雑誌『三島由紀夫研究』を贈って下さったのが届いていた。
まだ全部は読んでいないのだけれど、創刊号の特集は「三島由紀夫の出発」。インタビューや論文、資料紹介、研究展望などで、充実した内容。
ついに三島も個人作家研究誌が発刊されたのか、と感慨深い。編集者の「刊行にあたって」の言によると、「少なくとも年二回刊行して、継続的に努める」という。次号は、「映画を中心にして特集を組む予定」だとか。
『決定版全集』の次巻に研究文献目録が載るようだが、それ以降については、この新雑誌で継続して載るようになるととても便利になるだろう。(『宮沢賢治Annual』とか『漱石研究』みたいに網羅されるといいなあ)。
三島研究のための貴重な場ができたということで、ぜひ応援すべく、勤務校でも定期購読するぞ!
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
もうすぐ没後35年目の憂国忌。
・・・ということで、5年前の、没後30年のときほどではないけれども三島関係の書籍の刊行が相次いでいる。(没後30年のときは、まさしく怒濤の如く、だった)。
備忘録を兼ねて、そのうちいくつかをご紹介。
![]() |
続・三島由紀夫が死んだ日 あの日の記憶は何故いまも生々しいのか 中条 省平 実業之日本社 2005-11-16 by G-Tools |
まずはこの本から。
| 固定リンク | コメント (6) | トラックバック (1)
先日お知らせした劇団四季の『鹿鳴館』、一般発売前に、早くも延長公演決定だそう。(いつのまにやら公式ページもできてますね。)
当初、2006年 1月14日(土)~2月12日(日)の公演だったのが、2月14日(火)~3月12日(日)に延長。売れてるのですね。
3月だったら行けるかなあ。。いやいや、ぜひ、地方公演も!
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
帰広の前に、山中湖から高速バスで東京へ出て、「サド侯爵夫人」を観た。
・三島由紀夫全戯曲上演プロジェクト第一回公演
・2005年11月4日~13日 18:30~
・場所:東京国立博物館本館特別5室
・ルネ(新妻聖子)、モントルイユ夫人(剣幸)、アンヌ(佐古真弓)、シミアーヌ男爵夫人(福井裕子)、サン・フォン伯爵夫人(椿真由美)、シャルロット(米山奈穂)
・演出:岸田良二/美術:秋山正/照明:石井幹子
・衣裳:コシノジュンコ/ヘア:伊藤五郎/顔の美術:鈴木寅二啓之
⇒読売online
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (2)
今日の朝日新聞大阪本社版の一部地域に、『春の雪』全面広告が掲載予定です。(朝刊か夕刊かは不明です)。
純広告や紙上紹介など全15段のうちの一段分に私のインタビューが載るようですので、ご覧になれる地域の方はご笑覧を。
おそらく大阪・京都など関西地方一部限定ではないかと思います。
広島の朝日も大阪本社版で、我が家でもとっているのですが、残念ながら載っていませんでした。なので、どのようなものなのかは私にもわかりません。掲載紙を送ってくれるということでしたので、明日ぐらいには届くのかな。
送られてきた映画ビデオを見て(ちゃんと返却しました(^_^))、先日、電話インタビューを受けました。40分くらい話した内容を短い文章の中にどうとりこむかといった題材の選択や構成・文章については、まとめられた広告会社のライターさんの腕です。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (1)
朝、前の職場近くにある検診クリニックへ、人間ドックに行く。
バリウムは何回飲んでもイヤだけど、今日わかる限りでは、ほぼ異常ナシと言われてホッとする。詳しい結果報告は2週間後に郵送とのこと。
先月末にひどい腰痛になって、注射やらホットパックやらで何回か整形外科に通ったりしたので、体重落せ、運動しろ、と厳命されるかと思ったけど、おとがめなし。でも、少しは何とかせねば。
それにしても、私は、年に1度の人間ドックの日以外は何があっても朝食を食べる習慣なのだが、以前は、検査前夜9時以降飲食できないと毎回お腹がすいて倒れそうだったのに、今年はそれほど苦痛じゃなかった。
歳とって鈍くなったということ??
各検査のあいまの順番待ちで見るともなく見ていたテレビ(ワイドショー系)に、次々と妻夫木聡クンが登場する。もちろん『春の雪』の宣伝のため。釜山映画祭の模様などが映されるが、韓国でもたいへんな人気なのね。
竹内結子サンが全く姿を見せなくなっちゃったので、一人でケナゲにがんばっている姿に打たれましたよ。
ロビーにおいてある雑誌類でも露出度大だし、検査のあと本屋に立ち寄ったのだけど、映画雑誌や週刊誌などにグラビアや行定監督と対談したり、いろいろ出ているようでした。
そういえば、『週刊女性』のマンガ「春の雪」を初めて見た。今週は、芝居会場で、偶然に見せかけて清顕が聡子をタイの王子に引き合わせる場面と、雪見の車の中での初接吻の場面。
ともかく、公開日を明後日にひかえて、盛り上がってきたようす。。
今朝の朝日には、横尾忠則が、映画『春の雪』について、寄稿していた。
公開前ということもあって筋や結末に触れずに映画について書くのは大変だけど、映像美に集中して論じていくところはさすが。
でも、横尾さんも、『豊饒の海』の一つの巻としてずっと見てきただけに、『春の雪』だけを取り上げるのはやはり厳しかったみたいだ。映画は小説とは別のものと思わないと、とても見ることはできないだろう。(でも、なかなかそれが難しい・・)。
さて、そのうち学会印象を書くなどと言っていたのだけど、昨日、二つの授業のマクラでけっこうしゃべったら満足してしまいました。すみません。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (1)
三島つながりで、もう一つ。
土曜日の夜に芝居を見て、ドサッともらったチラシの束をホテルのベッドで選別していたら、劇団四季のお知らせが入っていた。
来年1月に「鹿鳴館」を上演するとのこと。
詳細は鹿鳴館メールサービスで、とあるので申し込んでみると、“「鹿鳴館」マダム”からのお便りが届く仕組み。(「四季メールサービス」以外に、「鹿鳴館」専用のメールサービスを立ち上げるなんて、たいへんな熱の入れようだ)。
四季のストレートプレイは「オンディーヌ」が初見だったけどクリアな発声で美しかったし、三島ゆかりの浅利慶太による「鹿鳴館」演出もぜひ見てみたいところ。・・・ではあるものの、そうそう東京に行ってられない。
(時間も体力もお金もね。そもそも家庭崩壊しちゃう。育児時間貸借表も借金ならぬ借時間で首が回らない状態なので、ダンナが学会だか調査だかにまとめて行ってくれることを切望してるところ)。
「鹿鳴館」。せめて大阪あたりまで、できたら、もちろん広島に(^_^)来てくれるとよいなあ、、。
開幕は来年1月14日。 自由劇場にて。
| 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (1)
帰ってきました。
また時間があるときに印象を書きますが、とりあえず。
学会でS.Kさん(いちおう仮名に。『春の雪』にも、エンドロールで学習院考証だったかな?お名前が載っています。このブログも覗いてくださっているそう(^_^;)から教えてもらったのですが、今夜23:15~のNHK「英語でしゃべらナイト」(妻夫木聡がゲスト)で、『春の雪』の一部が映るかも、とのこと。
たしかに、タイの王子たちとの会話シーン、なかなか見事な英語の発音でした。
--
〔2005.10.25追記〕
あの発音の影に、こんな苦労があったのか!!という感じでしたね。
アメリカ英語とは(とくに母音がかなり)異なるQueen's Englishを、さりげなく、ごく自然に(いつもこれくらいはしゃべっているという風に)話すのは大変なこと。さすがに役者はえらいものです。
番組では、三島由紀夫が英語インタビューに応じている様子も流れ、面白かった。
本日深夜25時55分(=26日1:55~2:25)から再放送があるようです。
| 固定リンク | コメント (6) | トラックバック (2)
昨日、はずれたーー、とこぼしたばかりなのに、今日になって、一転。仕事がらみで『春の雪』を一足早く見られることになっちゃいました。
楽しみ!
たぶん明後日あたりになりそう。
いちおう準備で、小説や関連資料を読み返しておかなくては。。
今日は、一日中、事務的な書類づくりに追われて少々消耗していたので、夕方、会議の前にその連絡があったときにはうれしかった! たまにはいいこともあるものです。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
三島の『禁色』映画化構想案の存在が明らかに、という記事。
今朝の朝日朝刊で読んだのより、web上の方が詳しい。
朝刊のタイトルは、「三島「禁色」の配役構想/「山村聰主演、岸恵子も」/振付師の友人へ書簡」だった。
(太字が、朝刊(大阪本社版10版)になくて、webのみの箇所)
⇒朝日コム
「禁色」映画化案、三島由紀夫の書簡見つかる
2005年09月03日15時40分主役は山村聰で、岸恵子も起用――。没後35年となる作家・三島由紀夫が、自作の小説「禁色(きんじき)」を映画化するならこんな配役で、と友人に書き記していた書簡の存在が明らかになった。三島の映画通ぶりを示す、珍しい一通だ。
書簡は1954(昭和29)年12月14日、東宝の振付師をしていた友人の県(あがた)洋二さんにあてたもの。近況うかがいなどに続き、「この前某プロデューサアと話の序(つい)でに、禁色映画化、原作、脚色、監督三島由紀夫といふ案が出て、それを肴(さかな)に、大分話に華が咲きました」と記されている。
「禁色」は51~53年にかけて文芸誌に連載。老作家・檜俊輔が同性愛者の美青年・南悠一を利用し、鏑木夫人ら自分を苦しめた女性たちに報復を企てる。同性愛者の主人公という、従来の日本文学であまりなかった設定が、センセーションを呼んだ。
書簡では、「俊輔は山村聰、鏑木夫人は三浦光子、悠一夫人康子は岸恵子、悠一は一般募集といふことになりました」と配役について述べた後、「こんな冗談がいつか実現したら日本も大した国ですが」と続いている。
岸さんは、書簡の前年の「君の名は」で国民的スターに。山村さんはこの年、成瀬巳喜男監督の「山の音」で好演、三浦さんは戦前から100本以上の映画に出演していた。 書簡は、三島との交遊が深かった県さんが所有していたもので、最新の全集にも収められていない。古書店主の幡野武夫さんが買い取り、07年に山梨県塩山市に自ら開館する「笛吹川芸術文庫」で、公開する予定だ。
三島研究で知られる井上隆史・白百合女子大助教授(日本近代文学)は「気のおけない友人相手のくだけた雰囲気が伝わる興味深い書簡で、映画になってほしいという願望もこもっていたのではないか」と話す。
今年10月公開の「春の雪」をはじめ、「潮騒」「金閣寺」(「炎上」)など三島作品の映画化は多いが、「禁色」は一度も映画化されていない。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
先日の三島由紀夫ニュースの続報。
「憂国」DVD化にいたる事情が明らかに。
それにしても、「会計日記」のときにも書いたけど、情報を小出しにして、期待をつないでいくなんざ、新潮社のリークの仕方はうまいなあ。。
類似の記事が、今朝(2005.8.20)の中国新聞にも掲載されていた。微妙に共同通信版とも違うし、web上に出ていないので、以下に引用しておきます。
三島「憂国」フィルム発見
割腹を予感させる監督・主演映画
妻、自宅に保管
来春にもDVD化作家の三島由紀夫(一九二五~七〇年)が自らの小説を基に監督、主演などを務めた映画「憂国」(六六年公開)のネガフィルムが東京都大田区の三島邸から見つかったことが十九日、分かった。
〔顔写真:「三島由紀夫」のキャプション〕
三島が陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地で割腹自殺することを予告したような内容の“幻”の作品で、新潮社が刊行している「決定版 三島由紀夫全集」(全四十二巻)の別巻として、来春DVD化される予定。
「憂国」はモノクロ、約三十分の短編。三島が選んだワーグナーなどの音楽で物語が進行し、二・二六事件をめぐり中尉が切腹する場面がある。
三島と共同で製作に当たった藤井浩明プロデューサーによると、三島が自決した翌年にあたる七一年、瑤子夫人(九五年死去)の要望で上映用のプリントは回収され焼却された。しかし、藤井氏がネガフィルムだけは保存するよう瑤子夫人に頼んだため、茶箱に入れ三島邸に保管された。瑤子夫人が亡くなった後の九六年、藤井氏が三島邸の倉庫で捜し出した。
藤井氏は「保存状態はほぼ完ぺきで、運命的なものを感じる。海賊版がネットオークションなどで出回っていて粗悪な画面だったので、いずれ発表しなくてはいけないと思っていた」と話している。
自殺を解釈する鍵
映画評論家の佐藤忠男さんの話
「憂国」は三島由紀夫の死に方を予告したような内容で、短編ながら劇場公開時は大ヒットした。三島本人が主演していて、本気でやっているかと思えば、芝居がかっているところもある。その本気と芝居っ気の間に、見ていて割り切れないものを感じる。三島の割腹自殺を解釈する鍵が含まれていると思う。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
2件とも、三島由紀夫文学館から教えられた情報ですが、備忘のため記しておきます。
★『決定版三島由紀夫全集』に「憂国」のDVDが!!
ほとんど信じがたい大ニュース!
三島が監督・主演して、2・26事件を背景とした一組の夫婦の心中(中尉の切腹と夫人の殉死)が描かれるこの映画は、故・瑤子夫人によって長らく封印され、公的に見ることができないでいたもの。
これが表に出るとは、事件と言わずしてなんと言おうか。関係者の努力に感謝。
★三島由紀夫全戯曲上演プロジェクト
これも快挙。
ただ、演劇は一回性のもので、地方在住者にはすべてを観るのはかなりキツイ。
以前にあった『近代能楽集』一挙連続公演のときには、一度に2作ずつの上演だったのだけど、演目が切り替わるときに東京に行って、4公演見たっけ。当時は名古屋に住んでいたから、「卒塔婆小町」と「葵上」は名古屋公演もあったし・・。
これも地方公演があるとよいのだけど。せめて大阪まで来てくれれば、、、。
〔2005.8.1追加〕
★tpt『道成寺』
8月20日~9月4日。於・ベニサンピット。
tptの『近代能楽集』は、上質なものになること間違いなし。
けど、この時期、上京できるか??
| 固定リンク | コメント (3) | トラックバック (0)
・2005年6月11日(土)19:00
・彩の国さいたま芸術劇場
・原作:三島由紀夫
・演出:蜷川幸雄
★「卒塔婆小町」:壤晴彦・高橋洋
★ 「弱法師」:藤原竜也・夏木マリ・瑳川哲朗・鷲尾真知子・清水幹生・神保共子
⇒ホリプロ
⇒シアターガイド
6月19日(日)まで。その後、新潟・愛知・大阪公演あり。
---
蜷川さんの『近代能楽集』といえば、三島没後の1976年に行われた連続公演の「卒塔婆小町」が幻の名舞台と言われていた。平幹二朗(老婆・小町)、寺泉憲(詩人)の公演の様子を、新潮カセット文庫でしのぶのみで、私にとってはまさに眷恋の舞台だった。
初めてナマで観たのは1990年、新神戸オリエンタル劇場で。このときは、「卒塔婆小町」と「邯鄲」の組み合わせ。老婆は、平から、今回と同じく壤晴彦に変わり、詩人は井上倫宏だった。(ちなみに「邯鄲」の方は、松田洋治と松本留美の組み合わせ。)
そして、前回は2000年11月に大阪ドラマシティで(この舞台を見てから、山中湖のフォーラムに行ったのだった)。「卒塔婆小町」と「弱法師」で、役者もほとんどが今回と同じ。「弱法師」に若干交代があり、桜間級子が高橋惠子から夏木マリへ、俊徳の養父・川島が筒井康隆から瑳川哲朗へと変更。
この2000年の舞台が、私にとっては「卒塔婆小町」の決定版となった。
「卒塔婆小町」は、『近代能楽集』のなかでおそらく最も上演数の多い作品のはずだ。私自身、第三エロチカ、李麗仙の小町、tptなどナマで何度か見ているし、ビデオなどで拝見したものもいくつかある。そのなかで、やはり図抜けていた。
基本的な演出は、おそらく初演のときから変わっていないはず。舞台の周りに椿の木々があり、ぽたっぽたっと椿の花が落ちてくる。公園のカップルはすべて男性。カセットで聞くかぎり、音楽も若干の変更はあるものの、基本的は同じ。
とにかく、この公演で、私の目にも老婆が美しく見えた。詩人の認識の中の老婆=小町の美を、それは主観的なものであるにもかかわらず、感じ取ることができたのだ。それまで幾多の舞台が、照明や衣装を変えたり、、といった工夫で老婆の醜さと小町の美しさを同一人に映そうとした(ダブルキャストもあったらしい)。それを、壤晴彦と高橋洋は軽々と超えたのだった。生身の人間が観客の目の前で演じる演劇で、皺だらけの老婆を美しいと思わせる。詩人の主観的美を観客に体現させるなどという困難を、蜷川演出はやってのけたのだ。観る者にとっては、至福の体験だと言ってよい。
この2000年の舞台では、藤原竜也を初見。若さとうまさとが強く印象づけられ、帰ってからも「ただのアイドルじゃない」と吹聴してまわったのだが、作品としては「卒塔婆小町」の方が圧倒的に上だった。
さて、今回。
正直なところ、今回は私にとっては、「弱法師」の方が、「卒塔婆小町」よりよかった。
理由はよくわからない。
「卒塔婆小町」の演出は、基本的には変わらなかったと思う。鹿鳴館の場面に入って、曲がっていた老婆の背筋が伸び、小町へと変化していく。
壤も高橋も、キチンとこなしていた。だが、なぜか前回ほどの絶後といった印象は持てなかった。
前回から5年間、あまりに素晴らしい舞台だという思いが私の中で発酵し、期待を持ちすぎていたのかもしれない。あるいは、今回、座席に恵まれ(前から4列目のど真ん中。2000年のときには、やや後ろよりの席だった)、老婆の顔に描かれた皺があまりにハッキリと見えすぎて、詩人の主観に同化するジャマをしてしまったのかもしれない。
対して、「弱法師」の方は、もはや「少年」から「青年」へと成長した藤原竜也が、この世の終りの劫火を見た俊徳を演じきっていた。そして、5年間の役者としてのキャリアから生じるオーラ。キラキラしていた。
ただ、俊徳の終末意識を否定する桜間級子は、優しく包み込むように現実を体現するという点で、高橋惠子の方が夏木マリより合っていたようだ。夏木マリは素敵な女優で好きだけど、包み込むような暖かさより、豪奢な冷たさが持ち味(「阿修羅城の瞳」の美惨みたく)。なんだか桜間の雰囲気が変わってしまった気がする。
それにしても、幕切れで三島の最期の演説を流し、俊徳の終末観と三島自身とを重ねようとした蜷川の演出意図は、ともかく伝わってきた。
それにしても、なんで新潟公演があって、広島がないのだろう??(せめて福岡には来てよーー)。 広島公演があったら、学生さん誘って大挙して(そんなにいないか(^_^;・・。いや、誘うぞー!)押しかけるのになあ。。
ともかく、DVD発売を切望!
![]() |
近代能楽集 三島 由紀夫 新潮社 1968-03 by G-Tools |
| 固定リンク | コメント (11) | トラックバック (0)
![]() |
三島由紀夫が死んだ日 あの日何が終わり 何が始まったのか 中条 省平 実業之日本社 2005-04-16 by G-Tools |
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
昨日、日帰りで、横浜(+東京)に行ってきました。
お目当ては、神奈川近代文学館で開催の「三島由紀夫 ドラマティックヒストリー」。どうしようかな、、と迷っていたけど、やはり初日に見たくて、始発ののぞみで横浜へ。
国内での三島由紀夫展は、三島の生前(自決直前)の1970年と1979年に次いで3度目、26年ぶりの開催とのこと。文学館の2つの展示室を使い、展示資料も総出品点数600点と豊富で、かなり大規模な展覧会だった。
山中湖の三島由紀夫文学館所蔵の資料が多いのだが、展示スペースの関係だろう、山中湖でも見たことがないものがかなりあった。原稿や創作ノート、書簡類の肉筆資料ほか、写真やポスター類も多い。『薔薇刑』など本で見ることのできる写真も、大きなパネルで見ると迫力が違う。肉体改造前の水着姿の写真やマネキンに着せかけられた愛用のスーツなどは、三島の体躯を想像させて生々しかった。自決直前に開催された三島展のために揮毫した「書物の河」「舞台の河」「肉体の河」「行動の河」「豊饒の海へ注ぐ」の書は、想像以上に大きい。
祖父・定太郎に関する公文書などは初めて見た気がする。ほかに鉢の木会での寄せ書きや連句、猫好きを実証する猫の足型入りの手紙など、ちゃめっけも一杯で興味深かった。
なかで、印象深かったのが初等科(小学校)2年生のときの「江ノ島ゑん足の時」の作文原稿。「ぼくはゑん足をお休みしました。」で始まり、病弱なため遠足に行けず、家にいてみんなが今頃どうしているかを想像する。そして、その夜、夢を見るのだ。「ぼくもみんな江ノ島のゑん足にいって、そしてたのしくあそびましたが、いわがあつてあるけません。/そこでもう目がさめてしまひました。 終」--たまたま前日、うちの小3の娘が遠足で、お弁当を入れたリュックを背に張り切って出かけたのを見ていただけに、幼い手で書かれたペラで3枚弱の平岡公威少年の原稿を見ていると、ひ弱だったことはやはり彼にとって大きな問題だったのだなと思うし、夢のなかでさえ岩で歩けないなんていうところはフロイドが援用できそうでもある。
今回の目玉である「会計日記」は、その日のできごとと使ったお金のメモで、「Swedenborg 18.00」「Kielkegool 17.50」といった書籍代とおぼしき金額などが書かれていた。太宰治・亀井勝一郎と逢ったのが昭和21年12月14日(土)だと判明する部分も展示されていた。展示は数枚だったので、全貌が全集に載るのを楽しみに待ちたい。
さて、会場で、編者のお一人、佐藤秀明さんをお見かけする。横浜には木曜日から来られているそう。
このたび作られたビデオにもうお一方の編者・井上隆史さんがかなりアップで映っている、ということを佐藤さんからうかがって、出口近くのビデオコーナーへ。3つぐらいのブースがあり、個人でヘッドフォンをつけて見たいビデオ番組の番号を選んで鑑賞するタイプなので、教えていただかなければ通りすぎて見逃すところだった。。
その新作ビデオ、「三島由紀夫と『午後の曳航』」は17分。横浜を舞台にした『午後の曳航』の解説や舞台となった場所の紹介、取材時の三島についての川島勝さんの証言、佐伯彰一さんのインタビューなどで構成。『午後の曳航』だけではなく、三島の生涯も見渡して井上さんが解説をされていて、かなり見応えあり。
その井上さんは、たしかにアップも多く、トレンチコート、革のコート、ジャケット、と3種類のお召し物で登場されていて、収録に多くの時間がかけられたことがうかがわれた。
・・といった調子で見て回っていたら2時間以上があっというまにたっていたことに気がついて、文学館の喫茶室(横濱珈琲店)でお昼に。そこでいただいたメイプル・トーストとたっぷりのコーヒーのセットが絶品。トーストは卓におかれてから、あたためられたメイプル・シロップが回しかけられ、コーヒーもすばらしい。うかがうと、トーストにあわせてコーヒーを淹れているのだそう。お隣の方のホットサンドもとてもおいしそうでした。
このコーヒーとトーストも誘うことだし、会期中にもう一度文学館に行きたいなあ。無理かなあ。。。
なお、三島展は、6月5日まで開催。途中、映画「炎上」の上映や、講演会などの企画も。
また、展示資料などが収録された図録(64ページ)は900円。文学館の会誌・第88号も三島展の特集が組まれていて、田中美代子さんの「さなぎの時代」、櫻田満さんの「十年にひとりの天才」の寄稿や、「展覧会場から」のコラムに「三島由紀夫と「鉢の木会」」の記事が掲載されている。
(左の写真は、『午後の曳航』の主人公・登の母親・房子が経営する高級洋品店のモデルとされる横浜元町の「ポピー」。文学館からの帰りに、ちょっくら撮影しました)。
| 固定リンク | コメント (9) | トラックバック (1)
「新発見」の三島由紀夫の「会計日記」が、昨日から山中湖の三島由紀夫文学館で展示中。今後、神奈川近代文学館の「三島由紀夫ドラマティックヒストリー」展(4月23日~6月5日)で公開予定とのこと。
今回の会計日記はNHKニュースでも流れたというし、過去にも清水文雄先生あて書簡の発見・出版等、三島関係は、雑誌・決定版全集刊行や展覧会の開催時期にあわせて、うまーくマスコミに情報提供しているなあ。
プロデュースしている方々、さすが!
それにしても、神奈川の三島展、どうしよう。
日本近代文学会の春の大会は、例年東京(関東)なのに、今年は北海道で開催。6月11・12日の日本女性学会のときには、もう三島展は終了(場所は同じ横浜なだけにとっても残念!)。・・というわけで、学会とくっつけて行くのがムリだから今回はパスだ、、と思っていたのだけど、やはり見に行きたくなったなあ。
どうせ行くなら、説明会、朗読会や講演のイベント日かな? またダンナと交渉だ。
| 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)
今日、通勤電車の往復で、NHK人間講座のテキスト・美輪明宏『人生・愛と美の法則』を読む。
これまでの美輪さんの本に書かれていた内容も含まれているが、彼の人生や美学をコンパクトに集大成した、といった感じ。年齢を思うと、自分を貫いた生き方は素直にすごいと思う。
「ヨイトマケの唄」成立の部分や、従軍慰安婦、同性愛差別などへの反発・戦いを読んでいると、三島由紀夫と美輪明宏の違いと、同時にひかれあう部分も見えてくる気がする。両者とも、そりゃ、それぞれの世界で生きていくために世故に通じているところはあるにせよ、基本的に純粋な人間なのだなあと思う。ただ、三島の場合には、仮面をかぶっていかざるをえないところが、美輪よりも大きかったということだ。10歳の年齢差だけではなく、資質と環境に起因するのだろう。
三島について書かれている箇所は何カ所かあるが、まとまっているのは、第6回「「黒蜥蜴」と「毛皮のマリー」」。
NHK人間講座のテキストということで、番組では、舞台の写真か、ひょっとして映像も期待できるかも。
美輪明宏の『黒蜥蜴』の舞台は、相手役を替えて何度か上演されているが、緑川夫人こと黒蜥蜴は、まさにはまり役だと言ってよい。(ただ個人的には、舞台よりも、木村功が明智だった映画版の方がテンポがよくて好み。三島も出演していたしね)。
また、『近代能楽集』も、とくに「葵上」はいい舞台を創っている。(美輪さんが、「葵上」のパンフレットに書いていた、若林光・葵夫婦、光と康子の関係をめぐる解釈は出色だと思う)。
というわけで、三島への興味からも要チェックだ。
すでに2月7日から講座は始まっているが、第6回の放送は、3月14日22時25分~50分(再放送は、3月21日5時05分~30分、4月13日2時00分~25分)。
| 固定リンク | コメント (10) | トラックバック (0)
今日は、三島由紀夫が亡くなって34年目。
東京・九段会館では、憂国忌が行われたのだろう。
一度も行ったことがない。
夕食のとき、今日が憂国忌だという話をしていると、娘が「なに、それ?」と尋ねるので、三島の死についてなるべくわかりやすく話した。「新選組!」を見たことがあるので、切腹がどのようなものかはわかったみたいだが、なぜそんなことを、と思っているようだ。当然だけど。
もう少し成長して、母親がそんな作家の作品研究をしているということが本当にわかったとき、いったいどう感じるのだろうな。
| 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)
11月1日(月)に山中湖へ。この日は、ほぼ異動日。
宿泊は、清渓。昨年までの三島由紀夫文学館のフォーラム会場で、文学館に最も近い宿泊所で便利だということもあり、ずっとここに泊まっている。お値段も手頃で、新館はとてもきれい。これまで朝食がイマイチだったのだけど、今年は、品数も増え、おかゆやスープも選べたり、コーヒーやハーブティも飮めるなど、よくなっていた。(おかげで食い意地のはった私は、朝、食べすぎて、昼・夜があまり入らず・・。)
2日(火)は、前もって特別閲覧許可をいただいていた三島由紀夫文学館で、資料を見せていただく。時間がまったく足りず、また来なくては。それにしても、レイク・サロン開催前日のお忙しいときに、ありがとうございました!
国道から文学館への入り口のあたりから望んだ富士。この日は快晴で、雲がまったくかかっていない絶好の富士見日和。ただ、清渓や文学館は森の中なので、おがめるのは頂上付近のみで富士の全体像は残念ながら見られず。

文学館中庭のアポロ像。
三島自身が、「ビクトリア朝コロニアル様式」で「キンキラキンの悪者の家」だと称した大田区馬込の三島家におかれたのと同型だとか。。。
やはり三島といえば、アポロ像でしょう。
11月3日(水)。午前中、山中湖を少し散策。
雲がかかって、富士の全体像はなかなかおがめなかったけど、それでも裾野がきれいだった。
山中諏訪神社などへも足を伸ばす。そのうち、家族で来たいものだけど、いつになることやら・・。
ちなみに、今この時間の富士山の様子がわかるのが「絶景くんの富士山中継」。
その後、レイクサロンに参加。
会場となった徳富蘇峰館は、三島文学館のすぐ隣に位置するのだけど、入るのは初めて。三島館よりかなり大きくて、遺品や写真の展示も多かった。
レイク・サロンの雰囲気はこちら。
そして、帰り。文学館前から御殿場まで富士急バス。一昨年のフォーラムも祝日開催だったのだが、渋滞でバスがまったく来ず、同行の人たちとタクシー相乗りしたことがあった。なので、今年もちゃんと帰れるか心配したのだけど、まったく大丈夫。バスは時間通りに来て、予定より早く御殿場駅に到着。
それから、JR御殿場線で沼津まで出て(沼津で駅弁鯛めしを購入。たっぷりの鯛そぼろを味付けごはんにかけて食べる趣向)、沼津から寝台特急さくらで広島まで帰る。Bソロがとれて、とても快適だった。山中湖までは時間がかかるので、往復のうちどちらかは寝台にするのが便利便利。
はい、お疲れさま! 楽しく成果の上がった旅だった。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
レイク・サロンの配布資料のなかに入っていた特別展の予告ビラをご紹介。来年春夏のことなんて鬼が笑いそうだけど、もう準備は始まっているのね。
--
〈特別展〉
生誕80年 没後35年記念展
三島由紀夫 ドラマティック ヒストリー
日時:2005年4月23日(土)~6月5日(日)
休館日:月曜日、5月6日(金)〔予定〕
会場:神奈川近代文学館
横浜市中区山手町110 電話045-622-6666
編集委員:佐伯彰一
編集協力:井上隆史、佐藤秀明
主催:県立神奈川近代文学館、財団法人神奈川文学振興会、山中湖文学の森・三島由紀夫文学館
後援:新潮社、〈以下予定〉NHK横浜放送局、神奈川新聞社、tvk(テレビ神奈川)
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
三島由紀夫文学館の第1回山中湖レイク・サロンに行ってきました。
気持ちのよい祝日の午後、紅葉の美しい文学の森にて。2人の研究者による1時間ずつの発表のあと、1時間半ぐらいのフリートークの時間が設けられるという構成。参加者は30人ぐらい。
杉山欣也さんの発表(学習院時代の三島由紀夫-『赤絵』第1号という場)は、没後34年を経て、三島の死というフィルターを排した研究が望まれるのではないか、初期の三島に関しても「日本浪曼派」からだけではない視点が必要なのではないか、との問題提起のもと、学習院での文芸活動の重要性を説かれたものでした。具体的には、同人雑誌『赤絵』第1号における三島作品や同人・東文彦の作品の分析がなされました。
佐藤秀明さんの発表(『奔馬』における「忠義」の思想)は、『奔馬』における当時の時代背景から勲の「忠義」の特徴があぶりだされていく論でした。モデル論や金融政策など時代背景を明らかにした上で、『奔馬』の勲のクーデターと当時のそれとの違い、さらに勲の「忠義」が「純粋」という価値と結びつけられていることの評価に入っていかれました。
フリートークでは、井上隆史さんの司会のもと、三島にとっての「天皇」の意味や、学習院時代の三島についてなど活発な意見交換がなされました。
大いに刺激をいただき、行ってよかったです。昨年までのフォーラムがなくなると聞いて残念に思っていましが、代わってサロンを開くということで安心。実際に参加してみて、三島好き・三島に関心をもつ人々が集まって、熱心に・なごやかに語り合うことができること、とても楽しかったです。
ただ、第1回ということで、講演なのか、研究発表なのか、など、まだサロン自体の位置づけが見えていないところも若干ありました。でも、それも、今後、参加者によって方向づけられていくことでしょう。
また、三島文学について話し合える場を山中湖の三島由紀夫文学館で確保するのだ、という主催者たちの強い意志を感じました。企画をねられた文学館・佐藤さん・井上さんに、心から感謝します。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
「レイク・サロン」に参加するのと、所蔵資料を見せていただくのとで、三島由紀夫文学館に行ってきます!
昨年のフォーラムは、勤務先の推薦入試と重なって参加できなかったので、山中湖に行くのは2年ぶり。楽しみ。
今日は、異動日。だいたい7時間で山中湖の宿泊所に到着予定。
帰りは沼津から寝台で帰広するつもり。祝日で渋滞していて、予定通りの時間に御殿場までたどりつけるか少々不安だけど、それもまたよろし。
それにしても、小2の子どもを残して出張(さきほど小学校に出かけるのをお見送り)。
ダンナも勤めをもっているので、いろいろと迷惑をかける。だけど、よく聞くような、子どもやダンナのごはんの心配などをしないで出かけられるのは、ありがたいことだ。
感謝感謝。(ま、お互いさまだけどね。)
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
三島由紀夫の遺作『豊饒の海』の作中の寺や神社のモデルが奈良にある。
まず、綾倉聡子が剃髪し、のちに門跡となった月修寺のモデルが円照寺。

奈良市郊外の田園地帯、「大和は国のまほろば・・・」なんていう野田秀樹のセリフが聞こえてきそうなのどかな場所から、田の中の道を入っていく。
秋とはいえ、日がカッと照って、暑い。
田園にススキがゆれ、近所の子どもたちが遊ぶ声が聞こえる。

清顕が、本多が、歩いた道。
このあたりから少しずつ情緒は出てくるが、熱に冒された清顕が懸命に上るような、「登攀」のイメージはなく、なだらかな道が続く。
夏ならば両側の木立からさぞかし蝉時雨れが聞こえるのだろうな。
田んぼ道が暑かったので、木立に入ってシンとした空気がとても気持ちよい。
いよいよ円照寺の門に到着。
門には「圓照寺門跡」の筆書きの表札がかかる。
しばらく門の中に入らず、門の外側からの景観を楽しむ。
古く、でも新しい、いかにも歴史ある尼寺の風情が好ましい。
拝観を許可しておらず、中を見せていただけないのが、本当に残念。
清顕が訪ねたときのように、正面の障子はピタリと閉まっていた。
お庭を拝見したかったなあ。
でも、見せていただけないからこそ、ゆかしくなるのだろう。

一方、奈良市内、JR・近鉄両奈良駅からすぐ近くにある率川神社(いざがわじんじゃ)。
三輪明神・大神神社(おおみわじんじゃ)の摂社で、奈良市最古の神社。
『豊饒の海』第二巻『奔馬』の主人公である飯沼勲や鬼頭槇子が信仰し、百合の花は重要な要素となる。
毎年6月に行われる百合の三枝祭に参列したいと思った。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
山中湖にある三島由紀夫文学館。1999年の開館以来、5年間つづいていた一泊二日の「三島由紀夫フォーラム」が予算上の問題で今年度は中止。
その代わりに、今年は「レイクサロン」を開催とのこと。
◆第1回『三島由紀夫文学館・レイク・サロン』の日程●日時:平成16年(2004)11月3日(水) 13:00~17:00
●場所:山中湖文学の森・徳富蘇峰館映像室(三島由紀夫文学館隣り)
●申込方法:ハガキ・FAX・電子メール(メールアドレスybm@olive.ocn.ne.jp)に①
住所②氏名③電話・FAX番号を明記の上、三島由紀夫文学館にお申し込み下さい。
●参加費:無料
●申込締切:平成16年(2004)11月3日(ハガキの場合は3日必着)。人数に余裕がある場
合は当日参加も可。
●申込問合せ先:山中湖文学の森・三島由紀夫文学館 〒401-0502 山梨県南都留郡
山中湖村平野506-296 TEL 0555-20-2655 FAX 0555-20-2656
●主催:山中湖文学の森・三島由紀夫文学館◎講師:杉山欣也(大東文化大学文学部非常勤講師ほか)
【演題】「学習院時代の三島由紀夫」
13:00~14:00(10分休憩)
◎講師:佐藤秀明(近畿大学文芸学部教授)
【演題】『奔馬』における「忠義」の思想
14:10~15:10(10分休憩)
◎フリートーク
15:20~17:00
◎司会:井上隆史(白百合女子大学助教授)
5年間つづいた「フォーラム」は、全国から三島好きの人たちが集まって、とても楽しい会だった。研究者や大学院生のみならず、貴重本のコレクターや古書店主、母娘で参加する方など、三島が大好きな読者が一堂に会して交流する。毎年参加される方も多くて、なんだか同窓会みたいに盛り上がる。講師も研究者・評論家のほか、島田雅彦さんや岸田今日子さんなど多彩だった。(岸田さんに自作の句を書いていただいた色紙も所持。ミーハーだなあ・・)。
そんなフォーラムが開催されないのは残念だけど、レイクサロンも面白そう。(ただ、広島から山中湖はあまりに遠い(T-T)。片道8~9時間。行きは毎回、夜行列車で静岡までは行っていたものなあ)。
文学館の資料も見せていただきたいし、スケジュールチェックだ!
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
演劇 | MONO・モノ | おすすめサイト | ジェンダー・つぶやき | パソコン・インターネット | 三島由紀夫 | 地域・お店・スポット | 子ども | 文化・芸術 | 文学・文学研究 | 日記・コラム・つぶやき | 映画 | 本 | 親指シフト(ニコラ) | DVD・CD・ビデオ | TV・ドラマ
最近のコメント