Google検索


  • NAGIの小箱 を検索
    WWW を検索

おすすめの本_

ジャンル別


  • 文学・評論

  • 女性学

  • こども


  • 三島由紀夫占い:今日はこの本を読むといいことがあるかも
フォト
無料ブログはココログ

« 春の旅行(2)久美浜・天橋立 | トップページ

2017/04/02

熊野詣

なんと4年ぶりの更新。ひどすぎますね。
ずっと余裕のない生活でした。時間ができても、仕事外の文章を書く気持ちの余裕がないというか。
リハビリを兼ねて、気楽に再開します。
明日から新年度でまたなかなか書けなくなるでしょうし、とりあえず、これだけを楽しみに生きてきた年度末恒例の旅行の記録を。

昨年5月に高野山に初めて行き、宿坊に一泊。奥の院や霊宝館を回り、御朱印集めもして、よい体験ができました。
その続きで、このたびも和歌山へ。 広島から新大阪までは新幹線で、そこからレンタカーで移動しました。


1日目は、道成寺-那智熊野大社-勝浦温泉(泊)
2日目は、熊野速玉大社-新宮市内-熊野本宮大社-龍神温泉(泊)
3日目は、(高野山)-九度山

……わかる人にはわかる?三島由紀夫作品の舞台をめぐる旅でもありました。


Photo_2
道成寺

安珍清姫伝説のお寺。「道成寺」は、能、文楽、歌舞伎に、もちろん三島の近代能でも。
絵巻を語る「絵とき説法」は1日10回、年間3000回近く行われているそうですが、笑いをまじえながら、芸能の淵源を体験させていただきました。
国宝の千住観音も素晴らしく、子歳の守仏だそう。ちょうど、本堂も春の特別公開中で拝見できました。

Photo_3

境内裏手の「蛇塚」にもお参り。
門前の茶店の「つりがね饅頭」は、要するに紅葉饅頭的なもの。早めのお昼にいただいた梅うどん(梅干しが入ってるだけなんだけどね)が美味でした。



Photo_5


熊野

南紀は、はるか大昔に清原なつのの有間皇子を主人公にしたマンガ「飛鳥昔語り」を初出雑誌(「りぼん」ね)で読んで以来、熊野や「牟婁の湯」(白浜温泉)という地に憧れを抱いていました。

今回は、熊野。三島由紀夫の短編小説「三熊野詣」(「新潮」1965年1月)の舞台。この小説は、折口信夫をモデルにしたへんてこな作品だけど、私は結構好き。
ぜひ一度は舞台を訪ねたいと思っていました。

Photo_6

熊野三山は、本来、本宮-新宮-那智と回るのが正式らしいのだけど、今回の旅では逆に、那智-新宮-本宮とお参りし、勝浦温泉に宿泊したのも、三島の「三熊野詣」にちなんだから。……というのは方便で、たまたまそうなりました。
(三島は、名古屋から紀勢線で勝浦に行き1泊。那智と新宮のあと、瀞峡を船に少し乗り、川湯温泉で1泊。本宮に参り、奈良へでるコース。私も瀞峡で船に乗りたかったのだけど、渇水で船は運休でした)。

本宮近くの熊野古道をけっこう長い時間歩きました。毎日1万歩ははるかに越え、娘のiPhoneの計測では階段を1日42階分上がってたみたいで、帰宅したら、3日間で体重が2キロ増え、体脂肪は過去最低に減っていて驚き。(すぐに戻りましたが)。
が、もちろん大半は車で回っただけ。かつて、歩きで「蟻の熊野参り」をしてたどりついたら、さぞありがたかっただろうなあ。

Photo_7

Photo_8

熊野速玉大社には、平重盛お手植えの「ナギの木」があり、重盛ファンにはこたえられません。
向いの宝物館は無造作に国宝ばかりが置いてありました。
大社の入口にみかん屋さんがあって、和歌山産の三宝柑や、ジャバラの飴やピールを購入。美味! 三宝柑の皮は持ち帰って、帰宅後、(つれあいが)ジャムにしました。こちらも美味。

Photo_9

大社に隣接して、佐藤春夫記念館があり、東京の家を移築した建物は瀟洒で、展示も充実していました。
今回は新宮に来ても、中上健次も、大石誠之助(大逆事件に連座。塚本章子さんの与謝野晶子論文でご教示)も回れなかったのだけど、またぜひに。

Photo_10


龍神温泉
紀州の殿様の湯治場だとか。
部屋にカギも無い昔ながらの旅籠という感じで、落ち着きました。
山菜や鹿肉のソルベなど、山里ならではのお料理。
何より、三大美人湯だけあってお湯質がとろっとろ!
写真右上は、日本で初めて輸入された掛時計だそう。また行きたい。
龍神温泉街に沿って日高川が流れています。日高川といえば道成寺伝説ですが、道成寺近くの下流の川幅の広さ・豊かさと対比的に、ずっと上流のここでは川幅も狭く、とても美しい水が流れていました。

Photo_11

179


九度山
高野山を駆け抜けて九度山へ。
女人高野こと慈尊院と、丹生官省符神社にお参り。
丹生官省符神社で御朱印をいただくときに、神官の方が長時間案内をしてくださいました。

おかげさまで、九度山から高野山までつづく町石(ちょういし)も確認。(写真右が出発点の180町、左が179町)。

高野山から九度山までは車で山道をかなり走るのですが、意外に二つの町石の間隔が近く感じました。これ180個分で九度山-高野山間は近いのではないかと思ったけど、その分、険しい山道だということでしょう。

Photo_13

慈尊院は、有吉佐和子の「紀ノ川」に登場。
龍神温泉の宿も、有吉の「日高川」の舞台で、今回は有田川も通ったし、学生時代に有吉文学にかぶれた者としても、有意義でした。

今回の旅では、やはりもともとは神仏習合なんだよな、ということを素朴に実感しました。
熊野那智大社に隣接する青岸渡寺。そして、九度山でも、丹生官省符神社への石段は慈尊院の境内の奥にある。明治以降の(江戸期に萌芽)神仏分離が作為的なことだったのだと実感しました。

夜や早朝に長時間電話がかかってきたりで、仕事から縁が切れなかったのですが、でもまあ、休みがとれてゆっくりできました。

明日から新年度開始。
今年の目標は、いつもご機嫌に、なのですが、どうなることやら。いざ!

« 春の旅行(2)久美浜・天橋立 | トップページ

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 熊野詣:

« 春の旅行(2)久美浜・天橋立 | トップページ

twitter

2020年5月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

最近のトラックバック

DVD

  • 春の雪
    :
    春の雪
  • 憂国
    :
    憂國
  • 炎上
    :
    炎上
  • 午後の曳航
    :
    午後の曳航
  • ラビリンス 魔王の迷宮
    :
    ラビリンス 魔王の迷宮 コレクターズ・エディション
  • きみはペット
    :
    きみはペット DVD-BOX
  • 野田版 研辰の討たれ
    :
    歌舞伎名作撰 野田版 研辰の討たれ
  • 阿修羅城の瞳 舞台版(2003)
    :
    阿修羅城の瞳 映画版(2005) & 舞台版(2003) ツインパック

CD

  • 曽根麻矢子 -

    曽根麻矢子: バッハ:ゴルトベルク変奏曲
    最近のお気に入りは、曽根麻矢子さん。「イギリス組曲」や「イタリア協奏曲」も素敵ですが、やはりこの1枚がおすすめ。丁寧な演奏と美しい音質にとても好感がもてます。

  • ヨーヨー・マ -

    ヨーヨー・マ: ヨーヨー・マ ベスト・コレクション
    「リベルタンゴ」やバッハの無伴奏も入っているので、ヨーヨー・マで一枚だけ、となると、やっぱりこれかな。。それぞれのアルバムで聴きたいところですけどね。

  • Yo-Yo Ma with The Amsterdam Baroque Orchestra & Ton Koopman -

    Yo-Yo Ma with The Amsterdam Baroque Orchestra & Ton Koopman: Vivaldi's Cello
    知性と穏やかさの感じられるヨーヨー・マの演奏。これは、よく聴くアルバム・ベスト3の一つです。

  • 春風亭小朝 -

    春風亭小朝: 小朝の夢高座Op.1「牡丹燈籠 ― 御札はがし」
    うまい! 何でこんなにうまいんだろう。落語家につける形容詞じゃないけど、スキのないうまさを堪能できる。もっとCDを出してくれることを切望。

  • のだめオーケストラLIVE!
    のだめオーケストラ・東京都交響楽:

    「のだめオーケストラ」LIVE!

    娘がピアノの練習を嫌がらずやるようになった、ありがたーいCD。2-2の2小節で間違えるバージョンがことのほかお気に入りの様子。クラッシックの入門編として。
  • Best of Bowie(US)
    David Bowie:

    Best of Bowie (Bonus CD)

    とりあえずデヴィッド・ボウイを聴きたい方へ。変遷を手際よくたどるのに好適!
  • Labyrinth
    Original Soundtrack:David Bowie:

    Labyrinth: From The Original Soundtrack Of The Jim Henson Film

    映画「ラビリンス」のサウンドトラック版。音楽的にもなかなかよい。バブバブ言っているのがボウイだと想像すると微笑ましい。
  • バッハ:ブランデンブルグ交響曲5番
    トレバー・ピノック/イングリッシュ・コンサート:

    Bach: Brandenburg Concertos Nos. 4-6; Triple Concerto BWV 1044

    硬質なカシャカシャとした音が、バロックにとても合っていて、気分が落ち着きまする。
  • Karajan Spectacular
    カラヤン:

    Karajan Spectacular

    そうは言っても、「ワルキューレの騎行」は、クナよりもカラヤンをとりたい。
  • ワーグナー:名演集
    クナッパーツブッシュ/ウィーン・フィル:

    ワーグナー:名演集

    「すばらしい」の一言。夾雑物が何もなく、ワーグナーの音自体が見事に立ち上がってくる。