講談・神田香織師匠
神田香織師匠の講演&講談を拝聴してきました(於・東区民文化センタースタジオ)。
うーん、講談の力はすごい。
故郷・福島のこと、講談師になったきっかけや、代表作「はだしのゲン」との出会い、DV被害のことなどを、笑いと怒りと泣きとが軽妙にリズムよく語られる。
あいまに消防士夫妻の悲劇を語る「チェルノブイリの祈り」と、横浜の米軍ジェット機墜落事件の被害者母子の死を語る「哀しみの母子像」のさわりを。
理不尽なものは許さないという気持ち、放射能への怒り、「講談は庶民の怒りの表現」・「虐げられた側から語る」という気概が伝わってきました。
講談も浄瑠璃・歌舞伎も、いまの古典も当時は新作。いちはやく話題の事件を台本化して舞台にあげていたのだ。
最後に和歌山カレー事件を扱った講談「シルエット・ロマンスを聞きながら」。
先日、映画「死刑弁護人」を見ていなかったら理解できなかったかもしれないと思いつつ、胸を打たれました。
講談は演者が一人で、ハリセンでリズムをとりつつ言葉のみで伝えていく。落語もそうだけど、なんともすがすがしい芸。
恥ずかしながら講談を生で見るのは2回目。
最初はもう10年以上前、前任校の公開講座で国語科が担当になり、「虚構」を統一テーマに実施。専任教員が数回担当したあと、ゲストとして同僚の大学時代の同級生だった上方講談の旭堂南海師匠に来ていただいて、講談のイロハとともに太閤物を演じていただいた。
今日はそれ以来。
神田香織師匠のお話だと、いまや講談師は男性より女性の方が多いのだとか。。
師匠によれば、原則としてオチやサゲをつける落語と比べて、講談は女性に向いているのでは、とのこと。
サインしていただいたご本にも、講談には話芸のエキスが盛りだくさんで、「あなたがもし教師か政治家だとしたら、話すのが仕事なんですから、ぜひとも活用していただきたいです。例えば、張り扇を使うのはどうですか。パーンと机を一叩きすると、居眠りしていても目がさめるはず」だって。
ハリセンで授業。・・・いいかも。。
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