Google検索


  • NAGIの小箱 を検索
    WWW を検索

おすすめの本_

ジャンル別


  • 文学・評論

  • 女性学

  • こども


  • 三島由紀夫占い:今日はこの本を読むといいことがあるかも
フォト
無料ブログはココログ

« 「金閣寺」凱旋公演 | トップページ | 映画「11.25 自決の日-三島由紀夫と若者たち」 »

2012/01/28

岡田美知代の跡を訪ねて

もう何年も前に、院生や田山花袋研究を志す中国の研究生と一緒に上下歴史文化資料館を訪ねた記事を載せました。
資料館は、岡田美知代の生家を改築していたもので、岡田美知代とは、田山花袋「蒲団」の女弟子・横山芳子のモデルです。
その後、縁あって、私自身が岡田(永代)美知代研究に取り組むようになり、何度か上下町の資料館にもおじゃまするようになりました。

美知代は、彼女自身も多くの小説や少女小説を書いていますが、「蒲団」の影に隠れて、今日ではほとんど知られていません。
が、少しずつ、等身大の岡田(永代)美知代を読み、研究する機運が高まってきたように思えます。
昨年初めに刊行された『新編日本女性文学全集』第3巻には、美知代の「ある女の手紙」と「一銭銅貨」の2作品が収録されました。朗報です。

4434100033 新編 日本女性文学全集〈第3巻〉
岩淵 宏子 長谷川 啓
菁柿堂  2011-02


 

ただ、まだ享受や研究の基礎となる著作リストも未整備ですし、年譜にも不明な箇所が多くあります。

私は一昨年から美知代の著作リストを作りはじめ、昨夏は本格的に、大学院生にも手伝ってもらって各地の図書館で雑誌調査をしました。結果は以下の通り。

  ・著書(単著):5冊(うち2冊が翻訳)
  ・著書(共著):1冊
  ・雑誌・新聞所収作品:205作品
  ・未発表原稿:10作品

これまで知られているより、かなり多くの作品を書いています。
今後の調査によってまだ作品数は増えるでしょうけど、とりあえずの中間報告としてこのたびの紀要に著作リストを載せました。

いまは、美知代が戦後に書いた未発表の原稿の翻字をしています。
もうすぐ〆切で、なぜ冬休みのうちに完成させておかない?!coldsweats01 ……といういつもながらの反省はともかく、その原稿執筆のため、先々週末は上下町に、先週半ばには美知代の母校・神戸女学院を訪問させていただきました。

資料館からの帰り、上下高校へ。
正門付近に美知代の父・胖十郎の大きな銅像が建っています。

1

すみません。
逆光でシルエットしかわかりませんね。

手前に立っているのは、くっついてきた娘です。銅像の大きさがわかるでしょうか?
胖十郎は備後銀行頭取で、のちに町長にもなった人物です。
そして、要するに、「蒲団」で芳子を迎えにきた父親ですね。

銅像の前には、明治39年10月に、花袋が上下を訪ねた記念碑も置かれています。

2

饗応してくれた岡田家宛の花袋の礼状が刻まれています。
でも、この1年後に「蒲団」が掲載されて、岡田家に激震が走るわけですね~。

さて、神戸女学院に行った日は、あいにくの曇。午後からは雨で、残念ながらあまり写真が撮れませんでした。

3

曇天でも美しい!
神戸女学院のキャンパスは、昭和8年に、神戸市内の山本通りから現在の西宮市岡田山に移転されたので、美知代の時代の校舎や寄宿舎そのものではありませんが、雰囲気は伝わってきます。

私は学部と最初に勤めた大学がキリスト教系女子大だったので、この雰囲気には馴染みがあり、とても落ち着きます。
屋根ばかりか壁もある渡り廊下で建物同士がつながっていて、機能的で美しい。

神戸女学院には史料室があり、学校について種々の問い合わせに答えてくださいます。
また図書館の方々にもたいへん丁寧に対応していただきました。
そして、もちろんI様にもお世話になりました。ありがとうございます。
まだ資料の一部を拝見しただけだったので、また訪問させていただけることを願っています。

これまで取り組んできた三島由紀夫に加え、岡田(永代)美知代という新しい研究対象を得て、少しずつ臥薪嘗胆時期から脱することのできそうな年初です。

« 「金閣寺」凱旋公演 | トップページ | 映画「11.25 自決の日-三島由紀夫と若者たち」 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/49558/53842247

この記事へのトラックバック一覧です: 岡田美知代の跡を訪ねて:

« 「金閣寺」凱旋公演 | トップページ | 映画「11.25 自決の日-三島由紀夫と若者たち」 »

twitter

2017年4月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

最近のトラックバック

DVD

  • 春の雪
    :
    春の雪
  • 憂国
    :
    憂國
  • 炎上
    :
    炎上
  • 午後の曳航
    :
    午後の曳航
  • ラビリンス 魔王の迷宮
    :
    ラビリンス 魔王の迷宮 コレクターズ・エディション
  • きみはペット
    :
    きみはペット DVD-BOX
  • 野田版 研辰の討たれ
    :
    歌舞伎名作撰 野田版 研辰の討たれ
  • 阿修羅城の瞳 舞台版(2003)
    :
    阿修羅城の瞳 映画版(2005) & 舞台版(2003) ツインパック

CD

  • 曽根麻矢子 -

    曽根麻矢子: バッハ:ゴルトベルク変奏曲
    最近のお気に入りは、曽根麻矢子さん。「イギリス組曲」や「イタリア協奏曲」も素敵ですが、やはりこの1枚がおすすめ。丁寧な演奏と美しい音質にとても好感がもてます。

  • ヨーヨー・マ -

    ヨーヨー・マ: ヨーヨー・マ ベスト・コレクション
    「リベルタンゴ」やバッハの無伴奏も入っているので、ヨーヨー・マで一枚だけ、となると、やっぱりこれかな。。それぞれのアルバムで聴きたいところですけどね。

  • Yo-Yo Ma with The Amsterdam Baroque Orchestra & Ton Koopman -

    Yo-Yo Ma with The Amsterdam Baroque Orchestra & Ton Koopman: Vivaldi's Cello
    知性と穏やかさの感じられるヨーヨー・マの演奏。これは、よく聴くアルバム・ベスト3の一つです。

  • 春風亭小朝 -

    春風亭小朝: 小朝の夢高座Op.1「牡丹燈籠 ― 御札はがし」
    うまい! 何でこんなにうまいんだろう。落語家につける形容詞じゃないけど、スキのないうまさを堪能できる。もっとCDを出してくれることを切望。

  • のだめオーケストラLIVE!
    のだめオーケストラ・東京都交響楽:

    「のだめオーケストラ」LIVE!

    娘がピアノの練習を嫌がらずやるようになった、ありがたーいCD。2-2の2小節で間違えるバージョンがことのほかお気に入りの様子。クラッシックの入門編として。
  • Best of Bowie(US)
    David Bowie:

    Best of Bowie (Bonus CD)

    とりあえずデヴィッド・ボウイを聴きたい方へ。変遷を手際よくたどるのに好適!
  • Labyrinth
    Original Soundtrack:David Bowie:

    Labyrinth: From The Original Soundtrack Of The Jim Henson Film

    映画「ラビリンス」のサウンドトラック版。音楽的にもなかなかよい。バブバブ言っているのがボウイだと想像すると微笑ましい。
  • バッハ:ブランデンブルグ交響曲5番
    トレバー・ピノック/イングリッシュ・コンサート:

    Bach: Brandenburg Concertos Nos. 4-6; Triple Concerto BWV 1044

    硬質なカシャカシャとした音が、バロックにとても合っていて、気分が落ち着きまする。
  • Karajan Spectacular
    カラヤン:

    Karajan Spectacular

    そうは言っても、「ワルキューレの騎行」は、クナよりもカラヤンをとりたい。
  • ワーグナー:名演集
    クナッパーツブッシュ/ウィーン・フィル:

    ワーグナー:名演集

    「すばらしい」の一言。夾雑物が何もなく、ワーグナーの音自体が見事に立ち上がってくる。