合掌
恩師の米谷巌先生(近世文学)が亡くなられました。78歳でした。
私の在学当時の国語学国文学教室は、第1講座(国語史・方言学)・第2講座(古代・中世文学)・第3講座(近世・近代文学)の3講座制で、第3講座は近代の磯貝英夫先生と米谷先生のお二人の指導体制。
磯貝先生は私がD2のときに定年を迎えられたので、私は就職時の推薦状などは米谷先生に書いていただいたのでした。
マスターの授業では俳諧研究でしたが、ドクターの授業では隔週で近代の学生向けに明治期の雑誌研究を行ってくださっていました。
数年ごとにテーマを変えて、私たちの頃は悲惨・観念小説の研究で、『文学界』や『太陽』などの雑誌に掲載された記事を、皆でカードに記録し、コピーをとって整理しました。地道な雑誌研究の作業方法を学べたことは大きな経験でした。
穏やかな先生の性格そのまま、授業や指導はたいへん粘り強いものでした。
そして、授業でおっしゃるダジャレ!
次の授業の学部学生が先生を呼びに来るまで、毎回時間延長されていたこと。
東千田の古い研究室の、和書や版本の匂いとともに、懐かしい思い出です。
昨日のお通夜と今日のご葬儀で受付をしていたのですが、関西・四国・九州などから近世の方々がかけつけられました。私も学生時代以来、20年ぶりぐらいにお会いする先輩もおられましたが、本当に昔のまま。
ミニ同窓会のようでした。先生のお導きでしょう。
これから寂しくなりますが、先生のご冥福をお祈りいたします。
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