沢則行「かぐや」
子どもコミュニティネットひろしまの例会で、沢則行さんの人形劇「かぐや」を観劇。
(2009.8.27 於・アステールプラザ多目的スタジオ)
・・とはいえ、1時間30分の中味のうち、私が見ることができたのは残念ながら半分だけ・・。
(例の毎週木曜の定例の会議が、通常より1時間30分繰り上がって開始されたにもかかわらず、4時間近くかかったのだ。不毛である。それから高速バスで駆けつけたのだが。。)
沢さんの公演は以前も拝見したことがあるのだが、OHPを使うなど、「人形劇」の概念を打ち壊すもの。
今回は遅参のため、看板の「かぐや」には間に合わず、「人魚姫」「赤頭巾」「星」を拝見。「赤頭巾」は、OHPを使い、登場人物もその場で紙切りをして作り、色水を入れた容器で狼の腹の中を表し、最後はスクリーンを破ってお腹から救出するなど、創意に満ちていた。
最後の30分は、チェコ在住の沢さんが、プロジェクターでチェコの夏休み子どもキャンプの様子などを映写・説明。沢さんは、チェコの国立人形劇大学の出身で、いまは講師もされているのだ。
チェコでは、夏に親が夫婦でバカンスに出かけ、その間、子どもたちは最長2カ月、夏のキャンプで預けられているそう。(羨ましい!)
キャンプでは週替わりで色々な学びがあり、沢さんも、週替わりでキャンプを回って人形劇ワークショップをしているのだ。工夫しながら、人形劇を作っていくのだが、子どもたちにそれぞれ性格があって面白い。休憩ばかりしている子、机の下にもぐり込んで出てこない子や、ずっとひたすら作業をしている子。。
夏の数週間をそうした創作に費やしていると、時間の流れが違うだろうなあ。
最後は質問コーナー。
「人形劇のお仕事は好きですか?」という質問に、沢さんは「うーん」と考え込んだあと、「人形劇は仕事だから。仕事というのは、親が体調が悪くて看病疲れをしていても、今日は舞台に上がる気がしないなあと思っても、何があっても、やらなければならないものだ。だから、好きか、嫌いか、ではない。むしろ、好きじゃない。最初は好きだったかもしれないけど」と答えていた。
誠実なお答え。
映画「小三治」でも感じたけど、表現する仕事に従事する人は、それが好きで、その仕事しかないと思い込んで、精進・邁進しているイメージがあるけど、決してそんな人ばかりではない。「自分には向いていない」と思っても、それを仕事とした以上は、何があっても一定水準のものを行う義務を負う。それが苦しいのだ。
「職業としての学問」も同じなのだろう。昔は好きで楽しかったはずのことが、楽しい・好きだとばかり感じてはいられなくなってくるのは、当然なのかもしれない。
↓沢さんもご執筆。
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表現する仕事がしたい! (岩波ジュニア新書) 岩波書店編集部 岩波書店 2009-06 by G-Tools |
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