読了
土曜日に仕事や出張が入らなかったのは久々。土日が自由に使えるとうれしい。
で、話題の新刊をやっと読みました。
なんだか品切れの書店が続出しているとか。
うーん。
読むのが苦痛だった「アフターダーク」よりはずっとよいし、「海辺のカフカ」よりもよい。
文体と構成や世界観は練達としか言いようがないくらい強いし、読ませる。
これで完結したのか?という結末の物足りなさは感じたが、それもおそらくは狙い通りなのだろう。
作中の『空気さなぎ』の書評通り、「マジック・リアリズムの空気」を吸い、「物語としてはとても面白くできているし、最後までぐいぐいと読者を牽引していく」。
でもなあ。
東電OL事件みたいな女性の性の闇の部分や、DVや被害者を保護するシェルターも出てくるけど、単なる意匠。全く共感できないし、現実にDV救済活動をしている方々は不快に思うのではないかと思うような扱い方だ。
そして、女性(青豆)と男性(天吾)の二つのパートが交互に繰り返される構成で、いっけん男女は50・50に見えるけど、あいかわらず、主人公はあくまで男(天吾) であって、「青豆」も「ふかえり」も、女たちは、結局は彼を無限に受け入れ、彼の成長・覚醒に奉仕するだけ。。
この作家のマチズモは、どうも私には合わない。
でも、読んじゃうんだけどね。。
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1Q84 BOOK 1 村上春樹 新潮社 2009-05-29 by G-Tools |
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1Q84 BOOK 2 村上春樹 新潮社 2009-05-29 by G-Tools |
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コメント
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最近ほとんど本を読んでいません…。
『1Q84』はそういえば、図書室に入っていました。
カフカは自分では読まずに学級文庫に入れておいたことがあるのですが、生徒には人気でした。それよりよい、というのは魅力的ですね。
挑戦したいなぁ!
投稿: ゆうこ | 2009/07/02 18:06
やはり男子校で村上春樹は人気ですか!?
カフカもそうですけど、村上春樹が書いているのは、結局は、「男の子の成長物語」なのですよね。だから、男子生徒/学生にとって快なのは、とてもよくわかります。
ただ、女性が「男の子の成長」に奉仕するだけなのは、やはり問題だと思います。先日の朝日の文芸時評で、斎藤美奈子も、『1Q84』の青豆や彼女の属するグループの春樹の描き方を批判していましたが。これだけ読まれていると、影響も大きいですよね。
投稿: NAGI | 2009/07/03 16:45