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« 『近代文学試論』第45号 | トップページ | よいお年を »

2008/12/15

むっ!

午後、FD講習会と、長ーい会議。

FDは「人文学の今後」についてで、厳しい状況と、現状の「輸入学問」と「細分化」が課題であり、異分野や読者との「対話」が鍵だという話で、よく理解できた。
だが、「古典」重視・「原典」解読が重要というのはいかがなものか。だれが「古典」だと判断するのか。正典への疑問こそが批評ではないのだろうか。

その後の学位審査会は、時節柄、学位論文の受理数が多く、演説が続く。いくら一人あたり3分程度で、、と注意を受けても、何するものぞ、教員は話しだすと止まらない。

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つづく会議で、非常勤の人事案件が出たのだけど、そこで、むっ!とする発言が。
一人目の男性のが終り、二人目は女性。
紹介教員(男)は、しきりに「○○さんは、主婦で、お子さんを育てながら、研究もしている」、「家事・育児のかたわら、研究論文も書いている」となどと言うのだ。
そのことと非常勤講師の採用になんの関係があるというのだろう?!
そして、すごーく上から目線。

よく見ると紹介文書の履歴の学歴欄に「休学(出産・育児)」とあって、ますます驚く。
略歴に、たかだか半年の休学まで書く必要があるのか?(例えば、ふつう、育児休業をとったことなど職歴に書かないだろう。少なくとも、私は書かなかったぞ)。たとえ休学の事実を書くにしても、理由まで必要なのか? 
本人が書いた履歴書を引き写したのかもしれないけど、省略すべきだろう。

よほど、履歴から削除すべきだし、非常勤講師の採用に私生活の事情の説明など必要ない、不愉快だ、と発言しようかと思った。
が、少し迷った末に、発言しなかった。たとえ、「この方の採用には賛成しますが、説明の仕方に問題があります」などと前置きしても、反対しているみたいに受けとられて、万一ご本人に不利益なことになったらまずいと思ったからだ。
また、私は前もって文書を見る機会があり、そのときに気づかなかったという弱みもあった。(「主婦」云々の発言の方が問題が大きいのだが)。執行部の末席につらなって前に坐っている以上、議事をスムースに通す立場にあると思った。

だが、腹立たしい。ダブル・スタンダードもいいところだ。
女は、たとえ仕事についての紹介であっても、私生活に触れられてしまうのだ。配偶者がいても、いなくても、子どもがいても、いなくても。
男の場合には、まず紹介されることはない。

本当に、よっぽど、「今後は、男性についても、必ず私生活の紹介をすることにしてくださいね。」と皮肉ってやりたかった。
「△△君は、この年齢ですが、独身です」だの、「××君は、結婚しており、子どもは二人いますが、家事も育児も全くしていません」だの紹介すれば、女にだけそんな情報を付加することの奇妙さがわかるだろう。

・・・やはり発言して、「教育」すべきだったのだろうか。。

そういえば、以前にも、こんなことを書いたことがあった。
むっ!の気持ちを抱かなくなっては、お仕舞いだ。

さて、今日は長ーい会議のあと職場の忘年会だったのだが、家事・育児のかたわら教育・研究もしている女である私は、ダンナが出張中で娘に夕飯を食べさせるため、会議が終わるとチャッチャと帰宅したのでありましたよ。

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コメント

確かに!
女性の中には、育児中と知ってもらってた方が何かと楽かな、と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、男性にはそんなこと言いませんもんね。
未婚女性教員にだけ、早く結婚しろと言うのもやめてほしい!
あと、奥さん(この表現もまずいかもしれませんが。)も働いているのに、早く子どもを作れと何も考えずに言うのも、見ていて心苦しいです。出産といえば「妻が産みました」という報告だけ、という時代が長く続いた職場の歴史のせいだと思いますが、奥さんにも彼女の仕事の都合があると考慮できない人が多すぎます。

すみません、愚痴ってしまいました。

ゆうこさんの学校でも、そんなことがあるのですか。いまどき「早く結婚しろ」はさすがに無いだろうと思っていましたが、甘かったのね。
うまくかわしてくださいね。教育する価値のある人にはきちんと説明し、どーでもいい人の発言は無視するに限ります。気にしていたら、こっちの心身がもちません。
男子校の女性教職員比率はどのくらいなのでしょう。低いイメージがありまが、女性の数が少ないと、そういったことが見えてこないのでしょうか。

私も、前任校時代に、赴任早々「早く子どもを産みんさい」と言われたことがあります。父の知り合いの年配男性教員で、おそらく私に親しみをもっていて悪気はなかったのでしょうが。「先生、その発言はセクハラですよ。」「先生が育ててくれるんだったら、産みますよ~。」「私は不妊で治療中かもしれません。そしたら、すごーく傷ついてますよ。」とか(いや、実際にはそうではなくて、当時は子どもを持つ気がなかったのですけど)言いましたが、まったく通じてなかったようで、その後、娘を生んだら、「一人っ子はかわいそう。もう一人産みんさい」と言われました(^^;;)。

アドバイスありがとうございました!
生徒には教育し、おじいさんの先生は放っておくことにします。
私の勤務校は、常勤の女性教員は5%くらいです。過去に結婚して子どもを産んでもこの学校に残った女性教員がいないらしいんですよ。だから、私に第一号になれ、と。
「子どもを産んでこそ教員として一人前」という有り難い(小さい頃から知ってましたが)お言葉もよくいただきます。
誰もが子どもを産める身体だと思ったら間違いですよね。男性も含め。
そのあたり、生徒にはきちんと伝えていこうと思いました。

アドバイスなんてとんでもない。えらそうですみません。
でも、なるほど。ゆうこさんには、栄えある第一号の期待がかかっているのですね・・(o^-^o)。
問題は、そういうことになったときに、ちゃんとサポートしてくれるかどうかですよね。無責任に、第一号になれ、とたきつけられても。

男子生徒にそういった視点を伝えていけるのは、ゆうこ先生と生徒との関係が良好だからでしょう。お互い、がんばりましょう。

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