ガラスの天井
〔毎日新聞 2008年6月9日 東京夕刊〕
アメリカの選択:大統領選予備選 クリントン氏「女性初」意義を強調 撤退を正式表明 ◇オバマ氏支持
【ワシントン大治朋子】米大統領選の民主党候補指名争いに敗れたヒラリー・クリントン上院議員(60)は7日、ワシントンでの集会で演説し、選挙戦からの撤退と、指名を確定させたバラク・オバマ上院議員(46)への支持を正式に表明した。クリントン氏は11月の本選挙で民主党として団結して政権奪還に臨む重要性を訴える一方、「いつの日か、私たちはホワイトハウスに女性(大統領)を送り込むだろう」と悔しさをにじませた。
「女性に最高司令官が務まるのか。私たちはその疑問に答えた。黒人が本当に大統領になれるのか。オバマ氏はそれに答えた」。クリントン氏は指名競争をそう振り返り、「女性初」「黒人初」の挑戦者として、有権者の戸惑いや不安と向き合いながら、「大きな進歩を成し遂げた」と歴史的意義を強調した。
米国では女性の昇進を阻む、目に見えない壁「ガラスの天井」があると言われる。クリントン氏は自身に投じられた1800万票について、「一番高く、最も硬いガラスの天井を打ち砕くことはできなかったが、1800万のひびを入れた」と評価した。
一方で、「私は最善の大統領だと思って出馬したが、女性であり、まだそこには障壁や偏見がある」と指摘。選挙戦で受けた女性差別的な報道や撤退圧力などを暗に批判した。クリントン氏はこれまで「女性候補」としての思いを強調しておらず、今回初めて詳しく触れた。
今後の去就については、12年の次期大統領選への出馬が取りざたされる中、「(女性が大統領を目指す)道は、次の機会では少し容易になる」と述べ、漠然とした「次回」への期待もにじませた。
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