北村和夫さん
文学座の北村和夫さんが亡くなった。80歳。→文学座・訃報
舞台で拝見したのは、杉村春子さんとの「女の一生」や、「夢・桃中軒牛右衛門の」。またテレビドラマや映画「復讐するは我にあり」などでも、豪胆・磊落な一方、シャイな人柄がにじみ出る演技をされてきた。
最後に拝見したのは、昨年9月の「杉村春子生誕100年記念講演会」。
登壇したときから涙ぐみ、「女房も子どももいる身でありながら、本当は杉村さんと結婚したかったっ!」と大きな声で吐き出すように語っていた北村さんの姿を、今でもハッキリと記憶している。
文学座一筋の気骨あふれる舞台俳優だった。早大時代に故今村昌平監督らに出会い、演劇に目覚め、両親の勧める医者にならず、50年に文学座へ入った。故杉村春子さんの相手役として腕を磨いた。63年の文学座分裂騒動も乗り越え、杉村さんら劇団の顔と後輩のつなぎ役的立場として、100人近い座員をまとめ統率力も発揮した。(朝日)
新聞の訃報では、1963(昭和38)年の「喜びの琴」事件(三島らの文学座退団)にも触れられている。杉村さんに育てられ、幾多の艱難を乗り越えて、ともに文学座を育んできたのだという自負が強かったのだろう。
ご冥福をお祈りいたします。
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