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2007/02/14

それから

Foggy

さて、今日は、 研究室待機を指定された時間があり(結局、なにごともおこらず、ホッ)、ずっとレポートを読んでいました。
今日中に採点を終わらせるつもりだっただけど、講義科目の方がまだ途中。

2年生の演習は、後期は漱石の「それから」。こちらの不注意だったのだけど教職科目と時間割が重なって、前期に比べて受講者数が半減。教職は来年に回してこっちをとる、と受講した連中ばかりだったので、意欲的に発言するし熱心。しかも人数が少なくて研究室で行ったので、院の授業みたいだった。

レポートは、まだ2年生なので未熟なところはあるし、論文の形式や文体になっていないのも気にはなったけれど、自分の読みを追求しようとする姿勢をみんな見せていたところがいい。まだまだこの時期はケレン味があるくらいがいいのだ。

発表で、「三千代腹黒説」を提示していた学生(♀)は、レポートでも思いっきりそれを展開。ただ、三千代の行動の背後の意図を想像し、それに主観的に「腹黒」というレッテルを張って終わってしまったのが残念。
漱石作品の女性たちは、美禰子にせよ、お直やお延にせよ、清子ですら、ときに悪女視され、その演技性が読み取られてきていて、そうした発想自体は珍しくはない。問題は、女性の行動の背後に何らかの意図を読み取り、それを「腹黒」だと認定すること自体の文化的な意味なのであり、読み手自身のジェ ンダー意識を追求することが必須なのだろう。
そこまでいければ、一面的な読みから脱して、もっと面白くなっただろう。

「それから」は、私も学部3年の演習で担当した思い出深い作品だ。先生が「代助の感性」という記念碑的論文を出された直後の授業だった。
私のグループは、ズーデルマンの「アンダイイング・パスト」(消えぬ過去)(グレタ・ガルボの映画『肉体と悪魔』の原作)との比較検討が課題で、坂本浩さんの先行論を超えるべく、懸命に読み込んだっけ。
今回の演習では1~2章ずつ読んでいったけど、各回に課題を出して全体として作品分析のさまざまな手法も学ばせるという演習のやり方は、その後自分が授業をする側に回ったときに、ずいぶんマネさせていただいた。

最初に勤めた大学で「それから」で授業をしたことがあって、そのときは三千代の側からの読みと代助とをぶつけていったのだけど、十数年ぶりに授業で読み直してみて、今回は語りや導入された社会的事件の方に関心が向いた。
それにしても、「それから」はやはり面白いし、うまい。私の漱石作品ベスト3は、「夢十夜」「それから」「道草」でずっと動かない。

4003101073 それから
夏目 漱石
岩波書店  1989-11

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B000BDJ0XE それから
羽賀研二 夏目漱石 小林・薫
東映  2005-11-21

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