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2006/08/05

こまつ座「紙屋町さくらホテル」

・2006年7月18日(火)18:30-
・アステールプラザ大ホール
・作:井上ひさし
・演出:鵜山仁
・出演:長谷川清(辻萬長)、神宮淳子(土居裕子)、丸山定夫(木場勝己)、園井恵子(森奈みはる)、大島輝彦(久保酎吉)、針生武夫(河野洋一郎)、戸倉八郎(大原康裕)、熊田正子(栗田桃子)、浦沢玲子(前田涼子)
・こまつ座公式ページ⇒  舞台写真⇒
・さくら隊殉難碑(広島市民劇場ページ)⇒

とりあえず再演時(2001年、於・新国立劇場)の「あらすじ」から、(  )内を今回のキャストに変更して引用させてもらいます。

昭 和20年の初冬、東京巣鴨プリズンに「自分はA級戦犯だ」と自首する初老の男がいた。長谷川清(辻萬長)、元台湾総督にして海軍大将、天皇の密使という歴 史秘話をもつ男だった。応対したのが針生武夫(河野洋一郎)、元陸軍中佐にして、堪能な英語力と戦前の経歴を買われ今やGHQで働いている男。二人は終戦 前の広島で特別な経験を共有していた。長谷川が気づく「・・・もしや君は」。と、闇の中から「すみれの花咲く頃」の歌声とともに、7カ月前、昭和20年5 月の広島「紙屋町さくらホテル」が出現する。
いましもホテルでは、明後日に迫った特別講演のため丸山定夫(木場勝己)と園井恵子(森奈みはる) が、にわか仕立ての劇団員を相手に必死の特訓の真っ最中だった。ホテルのオーナー神宮淳子(土居裕子)と共同経営者の熊田正子(栗田桃子)、劇団員に応募 してきた浦沢玲子(前田涼子)、そして宿泊客の文学博士大島輝彦(久保酎吉)。さらに神宮淳子をつけ狙う特高の戸倉八郎(大原康裕)。神宮淳子はアメリカ 生まれの日系二世で、スパイの疑いをもたれているのだった。長谷川と針生、戸倉までもその公演に参加せざるを得なくなる。終戦を間近にした非常時下の広島 「紙屋町さくらホテル」。そこは「途方もない空間。懐かしくもいとおしい夢のような空間」だった・・・。

観劇から、もう20日近くたって記憶がとぎれかけてしまいました。観たという記録だけ。(毎度のことだけど、レビューを即日アップしておられる方々を本当に尊敬しちゃいます。)

「天皇の戦争責任」に触れた作品だという前知識があって見たのだけど、そうした側面は稀薄だったと思う。(野田秀樹の「パンドラの鐘」ほどのものではなかったということ)。

原爆は重要なモチーフなのだけど、惨状はナマには出現しない。
舞台の大半は、原爆投下以前の広島・紙屋町さくらホテルでの移動劇団の演劇の練習にあてられ、戦中の日系人への差別などの問題をはらみつつも、奇跡のような濃密で愉しい時間が、そしてこれらの愛すべき人々が、これから投下される原爆によって壊され殺されてしまうことを観客は感じ取り、そのはかなさを哀惜する。広島を去り観客席の側から舞台の「さくらホテル」の人々を見やる長谷川の視点を、観客は共有する。長谷川と針生の記憶から、人々は蘇っていく。
舞台から浮かび上がってきたのは、怒りや糾弾というよりは、作者・井上ひさしの、演劇への愛と先行する演劇人への哀悼の情だった。

明日8月6日からは、紀伊国屋ホールにて東京公演。

4093872597 紙屋町さくらホテル
井上 ひさし
小学館  2001-01


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