「僕らのバレエ教室」
サロンシネマ2にて、ビョン・ヨンジュ監督の「僕らのバレエ教室」の初日を観る。
(6月16日まで、16時10分~。2時間)
ひょんなことから区民会館のバレエ教室に通わざるをえなくなった18歳の少年の、冬休み期間に繰り広げられるドラマと成長を描いた青春映画。
大学受験、恋愛、労働、共同体のなかのどうしようもない社会的偏見、家父長社会での父子関係など、さまざまな問題が扱われる。さわやかで、楽しくて、ほろにがくて、せつなくて、きゅんとする。
よかった。私は、好きな映画だ。
初日で、監督の舞台挨拶と終演後の質疑があった。
「密愛」は30歳の女性を主人公にしたファンタジーだったが、「僕らのバレエ教室」は18歳の少年を主人公にした現実的な話であり、生きることの哀しさ・寂しさも描いている。18歳の冬休みに、なぜ大人にならないといけないのか、大人になってどう生きるのかを、周囲になりたいモデルがいない中で模索する物語だ。〔なるほど、「密愛」はファンタジーだったのだ。それでわかるところが多い。〕
青春期の成長映画としては、「ウォーターボーイズ」の影響を受けた。〔これは、ちょっと日本向けのリップサービス?〕
若い俳優を使ったけど、この映画のあとで有名になった人たちが多くて、今このメンバーで映画を撮ったら、人件費が10倍ぐらいかかっただろう。〔!〕 主演のユン・ゲサンは、現在(徴兵で)軍隊にいるが、歌手から俳優へと脱皮しようとする過程がこの役と重なり、意欲的で、意図をよくわかってくれるいい俳優だった。
サロンシネマは、今日・明日の二日間は全席指定なのだが、2階にも客が入って盛況だった。若い女性が多い。上映後の質疑では、俳優のファンだという女性たちから質問が相次いだ。もう少し映画の意図を聞きたかった人も多かったかも・・。そういう方は、ぜひ明日のイベントへ。
(なお、舞台挨拶は、今日・明日の二日間のみ。明日は、上映後にまとめて挨拶と質疑の時間をとることに段取りが変更されるもよう)。
さて、映画のあと、明日のシンポジウムの打ち合わせ。サロンシネマの奥に、あんな立派な和室があったなんて。(監督の本にサインしてもらっちゃいました。写真の左下です)。
打ち合わせは、ビョン監督と通訳として同行された田端かやさん、サロンシネマ主宰の蔵本さん、映画エッセイストの袁さん、そしてひろしま女性学研究所の高雄さんと。
先日、高雄さんとは打ち合わせをしていたのだけど、なんやかんやで若干変更することに。コーディネーターとしては心配もあるけど、話せる方々ばかりなので、まあ、何とかなるでしょう。一映画ファンとして、楽しみたいし、面白くしたい。
その後、ビョン監督・田端さんをゲストにした、イベントスタッフの夕食会にも参加させてもらう。市と県の女性センター職員がボランティアでかなり入った豪華メンバー。
ビョン監督は、磊落かつ、クレバー。
スタッフの質問に応じて、作品について(男の子を主人公にした意図など)、かなりつっこんだ解説をしてくださり、また、父との関係については映画化できても、母との関係は描くことができない、といった話も。
ただ、硬直化したフェミニズムについてはうんざりしている印象。とくに大学人には不信感をもっている印象を受けた。ドキュメンタリーから劇映画へ移行する過程で、色々な軋轢があったのかも。
それにしても、映画監督というのは、ただ映画を撮ればいいというものではなく、製作意図を俳優やスタッフにも伝え、また広報・宣伝のためにも、言語による的確な説明能力が必要とされるのだ、という当たり前のことを実感。そしてまた、すべてを統括する責任をとれる豪胆さと、人を惹きつけるカリスマ性というかオーラも。
本当に魅力的な人だ。また、今回は通訳に徹していた田端さんも。
それでは、最後にもう一度、イベント(11日13時~16時。WEプラザ)の宣伝をば。お時間のある方はぜひどうぞ!
また、終了後、ホテルフレックスで打ち上げ会もあり、監督とお話もできるよいチャンス。こちらもぜひ。(会費2,000円)
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〔2006.6.11追記〕
本日の「僕らのバレエ教室」は、全席指定。見ようと思われる方は、イベントの前に、あらかじめサロンシネマに立ち寄って、指定席を購入されておくことをお勧めします。
⇒朝日コム
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