レイクサロン
昨年は紅葉がまさに見頃だったのですが、今年はあたたかかったためか、まだ少し早いようでした。それでも、木によっては見事に色づいていました。
初日は夜にかけて少し雨が降り、4日目も雨模様だったのですが、2~3日目は快晴。とても気持ちよく富士山が望めました。
まずは、第2回三島由紀夫文学館レイクサロン(11月3日13時~17時、於・徳富蘇峰館)。
はじめに、1958年大映映画「炎上」を鑑賞。
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炎上 市川雷蔵 三島由紀夫 市川崑 角川エンタテインメント 2004-10-22 by G-Tools |
その後、三島とも親しかった映画プロデューサー藤井浩明氏の講演と質疑。
藤井さんは、三島作品の映画化にたずさわってこられた中で、小説をそのまま映画にしても面白くないし、三島の華麗な文章に映画が負けてしまいがちなため三島映画の映画化は難しいと言い、成功作として、この「炎上」と「憂国」、そして外国映画だけどと注記しつつ「午後の曳航」の3作をあげられた。
( 藤井さんがあげられた3作のうち、これまで「炎上」しか見られない状態だったのに、「憂国」DVDは来年には三島全集に入るし、「午後の曳航」DVDも12月下旬に発売のもよう。楽しみ楽しみ!)
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午後の曳航 サラ・マイルズ 三島由紀夫 ルイス・ジョン・カリーノ 紀伊國屋書店 2005-12-22 by G-Tools |
「炎上」に関しては、三島の創作ノートを、藤井さんが市川監督に見せたことなども明かされた。映画は、小説『金閣寺』が書いていない放火後の主人公を描いていることをあわせると、とても興味深いエピソード。
三島は、自作の映画化に際しては、まったく注文をつけなかったもよう。
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金閣寺 三島 由紀夫 新潮社 1960-09 by G-Tools |
また、藤井さんは、現在公開中の「春の雪」についても、ロケ地や脚本・キャスト・監督についてなど、色々と触れられた。
あとの質疑でも、「春の雪」についての質問は多く、その中で、藤井さんは、次は「奔馬」、その後は3・4巻は一作になるかもしれないが、あくまでも4部作をやろうと思っていると明言。おお、期待がもてそう。
レイクサロンのあとは、総勢20名近くで食事+飲み。
学生さんや楯の会に詳しいお医者さんなど、色々な方と知り合えて、なんだか以前のフォーラムの懇親会のようで楽しかった。私は初めての人と屈託なく話せないこともあるのだけど、三島関係の会ではそんなこともなく、うれしい。
その後、清渓に泊まる人たちで、藤井さんをまじえてもう少し飲み会。
「春の雪」についてや、生前の三島のこと、「愛の処刑」が全集に入ることなども話題に。円照寺でのロケに同行した方の話なども。関西の方に、「春の雪」新聞広告のことを振られるものの、まだ見ていなかったのですよ。。
また来年も、みなさんに会いたいなあ。レイクサロンが無事に開催されることを希望。
翌日からは、三島由紀夫文学館で資料調査をさせていただく。
一生懸命やったのだけど、まったく予定どおり進まず。また行かなくては・・。でも、遠い・・。
帰宅したら、掲載紙が届いていた。なかなかきれいで、よくできた紙面。ライターさん、GJ。
昨日の夕食は、お土産に買って帰ったほうとう。(カボチャほうとうね。ちなみにダンナ作。煮物系は、ダンナの方がうまい(^_^;)。とろみがあって、とても美味。
娘もよく食べました。広島でも売ってないかなあ。。
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» 妻夫木聡は1人3役できる〜「春の雪」 [佐藤秀の徒然\{?。?}/ワカリマシェン]
三島由紀夫「豊饒の海」第一巻を原作とする映画「春の雪」は、様々な原作との齟齬はあるものの、大きな収穫を得たと思う。清顕役を演じた妻夫木聡だ。彼なら、今後期待される第二巻「奔馬」や第四巻「天人五衰」の映画化でも転生の主人公の役割を演じられる予感がするからだ....... [続きを読む]
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ネットをうろついていたら、「へーっ」というページがあって入ってしまいました。何と、有元さんのHPでしたか。その節は、お疲れさまでした。マンガ「春の雪」の「週刊女性」を1号買い損ねてしまい、ネットをうろついていた次第です。清渓でお別れした翌日、母が亡くなり、新年のご挨拶欠礼させていただきます。では。
投稿: 佐藤秀明 | 2005/12/14 18:03
わお。佐藤さんに見つかってしまいましたか。いらっしゃいませ!
おハガキ、今日いただきました。お悔やみ申し上げます。
山中湖でお母様をお見舞いされていることをうかがっていましたが、急なことで驚きました。どうぞお力を落されませんように。
また、「三島由紀夫研究」を鼎書房から贈ってくださいまして、どうもありがとうございました。三島研究の拠点がまた一つできたこと、よろこんでおります。研究室でも定期購読するようにしました。
投稿: NAGI | 2005/12/14 23:00