「憂国」DVDつづき
先日の三島由紀夫ニュースの続報。
「憂国」DVD化にいたる事情が明らかに。
それにしても、「会計日記」のときにも書いたけど、情報を小出しにして、期待をつないでいくなんざ、新潮社のリークの仕方はうまいなあ。。
類似の記事が、今朝(2005.8.20)の中国新聞にも掲載されていた。微妙に共同通信版とも違うし、web上に出ていないので、以下に引用しておきます。
三島「憂国」フィルム発見
割腹を予感させる監督・主演映画
妻、自宅に保管
来春にもDVD化作家の三島由紀夫(一九二五~七〇年)が自らの小説を基に監督、主演などを務めた映画「憂国」(六六年公開)のネガフィルムが東京都大田区の三島邸から見つかったことが十九日、分かった。
〔顔写真:「三島由紀夫」のキャプション〕
三島が陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地で割腹自殺することを予告したような内容の“幻”の作品で、新潮社が刊行している「決定版 三島由紀夫全集」(全四十二巻)の別巻として、来春DVD化される予定。
「憂国」はモノクロ、約三十分の短編。三島が選んだワーグナーなどの音楽で物語が進行し、二・二六事件をめぐり中尉が切腹する場面がある。
三島と共同で製作に当たった藤井浩明プロデューサーによると、三島が自決した翌年にあたる七一年、瑤子夫人(九五年死去)の要望で上映用のプリントは回収され焼却された。しかし、藤井氏がネガフィルムだけは保存するよう瑤子夫人に頼んだため、茶箱に入れ三島邸に保管された。瑤子夫人が亡くなった後の九六年、藤井氏が三島邸の倉庫で捜し出した。
藤井氏は「保存状態はほぼ完ぺきで、運命的なものを感じる。海賊版がネットオークションなどで出回っていて粗悪な画面だったので、いずれ発表しなくてはいけないと思っていた」と話している。
自殺を解釈する鍵
映画評論家の佐藤忠男さんの話
「憂国」は三島由紀夫の死に方を予告したような内容で、短編ながら劇場公開時は大ヒットした。三島本人が主演していて、本気でやっているかと思えば、芝居がかっているところもある。その本気と芝居っ気の間に、見ていて割り切れないものを感じる。三島の割腹自殺を解釈する鍵が含まれていると思う。
« FIRST ANNIVERSARY! | トップページ | 新潟で地震 »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント