茂山狂言会
★茂山狂言会鑑賞会
★2005年8月20日(土)夜の部 18:30~
★広島アステールプラザ中ホール能舞台
・解説 茂山千三郎
・佐渡狐(さどぎつね) 茂山 茂、茂山逸平、茂山千作
・柑子(こうじ) 茂山千三郎、松本 薫
・千切木(ちぎりき) 茂山千之丞、丸石やすし、茂山正邦、茂山あきら、
茂山逸平、島田洋海、茂山 茂、茂山千五郎、茂山七五三
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さて、ダンナや娘は小千谷でシェイクスピアを見たようだけど、私の方も、昨夜は狂言を拝見。
茂山家の方々のパワーはほんとうにすごい。
先月末に子ども狂言で来広されてから、20日で再び広島公演。ここ数年、毎年2~3度は公演があるので、すっかりお馴染みさん、というか、知り合い気分。
最初の解説は、今回も千三郎さん。
プログラムの組み方から話を始められ、時間配分とともに曲の重さを勘案しながら組むということを、昼の部・夜の部を例に話される。つづいて、能と比較しながら、名乗りや道行を楽しく解説。「今、お話したことは、ロビーで販売している本(『狂言お作法』)の116ページに書いてあります」、、なんてちゃっかり宣伝を入れて笑わせながら、軽妙なお話。
本当にうまいなあ。教壇に立てば、名講義だ。千三郎さんのお話だけ、もっとまとまって聞きたいぐらい。
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狂言お作法 ぴあ 2004-03 by G-Tools |
「佐渡狐」は、第一世代の千作、第三世代の茂・逸平の競演。
千作さんが登場されたときには、お奏者の長袴を扱うのに足許がおぼつかない感じで、大丈夫か、と心配したのだが、声を発するや、さすがの貫祿。
若手との舞台にたつのが楽しくて仕方がないという様子。茂さんたちも、こうやって吸収していくんだろうな。
それにしても、佐渡には、本当に狐はいないのかな? 佐渡出身のダンナに聞いてみなくちゃ・・。
「柑子」は、大爆笑。主人から預かったみかんを食べてしまった言い訳をあれこれする太郎冠者。まさか、平家物語の俊寛僧都の島流しまで言い訳に使うとは・・。千三郎さんの言い訳ぶりと、薫さんの主人のだまされ方と、もうおかしくて涙が出そう。
でも、え? もう終り?というくらい短いお話。
一曲目と三曲目がやや重い話なので、二曲目は軽く組んでみた、と、最初に千三郎さんが解説で言われていた意味がよーくわかった次第。
「千切木」は、太郎を総勢7人がやっつけるところが、ずらっと役者さんがいならぶのだもの、大迫力。また、女房の威勢のよさも面白い。先日の「濯ぎ川」もそうだったけど、狂言に出てくる女の人たちって、まさに「わわしい女」。中世の庶民層て、今昔物語の女性たちもそうだけど、元気がよかったんだろうね。夫婦関係がとてもコミカル。
あっというまの二時間で、堪能しました。
なんとかして狂言の学校公演ができないかなあ。
能楽(能・狂言)・文楽・歌舞伎といった古典芸能を一度も見ることなく、文学部を卒業する。あるいは、国語の教員になる。それはやはり残念なことで、在学中に触れる機会がほしいなあ。
また、留学生にも、ぜひ。せっかく日本に来ても、広島では見る機会が少なかったり、チケット代がかかったり、ということで、伝統芸能にまったく触れないまま帰国しちゃうのはあまりにももったいない。何とか機会が作れないものか・・。
数年前、前任校に勤めていたころ、広島の信用金庫が企業メセナの一つとして「青少年のための能楽鑑賞教室」を開き、市内の大学・短大の国文学科学生を招待してくれたことがあった。狂言の「附子」・能の「土蜘蛛」という初めて見る学生たちにもわかりやすい演目だった。参加したなかには、その後、狂言に夢中になった学生もいる。
そういう機会がまたあればよいが、なければ大学独自でなんとかならないかなあ。。
そして、そのときには、ぜひ千三郎さんの解説入りでね(^_-)
それにしても、しばらく能を見ていない。茂山狂言会の方々と同じぐらい、広島でもお能拝見できるとよいのだけど。
ところで、観劇前に、前任校の卒業生にパッタリ会う。卒業以来、会うのは初めて。おばあちゃんと一緒に、見に来たんだって。時間がなくてあんまり話せなかったけど、焼き増ししたまま渡し忘れてた大学祭のときの写真(もう2年前だよ)、そのうち送るからね~。
アステール中ホールで伝統芸能がかかると、ほぼ必ずといっていいくらい、学生さん・元学生さんに遇う。これまた楽しみ。
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〔2005.8.23追記〕
「“メセナ”って何?」という質問メールをもらいました。
企業が「社会貢献の一環として行う芸術文化支援」の意で、すでにかなり浸透した言葉だと思うのですが、リンクを貼っておきます。
⇒企業メセナ協議会の「メセナとは」
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