劇団四季「オンディーヌ」
・2005年7月21日(木)18:30-21:20
・広島アステールプラザ大ホール
・作:ジャン・ジロドゥ、翻訳:米村あきら
・演出:浅利慶太
・出演:坂本里咲(オンディーヌ)、石丸幹二(騎士ハンス)、日下武史(水界の王)、大平敦子(ベルタ)
⇒四季「オンディーヌ」
⇒舞台写真
四季のストレートプレイを観るのは初めての経験。
さすがにミュージカルで鍛えているだけのことはあり、セリフがとにかく聞きやすい。ちょっとゆったりしすぎているくらいだけど、何しゃべってるの?な新劇や小劇場の役者たちには見習ってほしい。。
小3の子ども連れて行ったけど、単純な内容だし、セリフは聞き取りやすいし、だいたいの内容はわかったみたいだ。
さて、ジロドゥも観るのは初めて。なにせ「オンディーヌ」を四季が上演するのは24年ぶりなのだとか。(前回は、加賀まりこと北大路欣也の組み合わせだって。時代を感じる! 三島の『喜びの琴』もぜひ四季に再演してほしいなあ。。)
ジロドゥの名前は、矢代静一『旗手たちの青春-あの頃の加藤道夫・三島由紀夫・芥川比呂志』で初めて知った。加藤道夫がジロドゥを「メートル(師匠)」とあがめていたこと、芝居の初日の傷心の宴の様子など、強い印象が残っている。
四季のページやパンフレットにも、加藤道夫のことが載っていた。
『オンディーヌ』には、劇芸術に対する僕らの祈りと願いとが込められている。亡き加藤道夫先生が、ジロドゥの劇を語ることによって僕らに演劇の扉を開いたその日から、『オンディーヌ』は僕らのうちに神話としての席を占めた。この神話を実現すること、それが過去の演劇生活の最高の目標であり、僕らを律してきた至上命令なのである。-初演時プログラムより
芝居は丁寧な上に、水の精の歌2曲は美しかったし、中に大がかりな仕掛けもあって、観客を飽きさせることがなかった。
ただし、内容は、騎士(男)が水の精(女)の「愛」の力のあまりに身を滅ぼしてしまう話で、典型的な「聖なる女」=「悪女」劇。あまりのわかりやすさに、鼻白んでしまふ。
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