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2005/06/21

こまつ座「父と暮せば」

komatsuzaこまつ座公演「父と暮せば
・2005年6月21日(火)19時
・広島市南区民文化センター
・作:井上ひさし
・演出:鵜山仁
・出演:辻萬長西尾まり
(6月22日(水)14時も公演あり。共催:広島市

おやこ劇場(子どもコミュニティネットひろしま)でチケットを扱っていたこともあり、もう大丈夫かなと、娘と一緒に3人で観劇。
あらかじめ、おおまかな人間関係は話しておいたので、娘にもだいたいわかったみたいだ。子どもは感受性が強いから、一つ一つの言葉を具体的に想像してしまうようで、途中、ちょっとこわくて耳を両手でふさいでしまうところもあったけど、なんとか最後まで観ていた。

原爆投下から3年後。
生き残ったことを申しわけなく感じ、幸せになることはできないと思っている娘。爆死したものの、木下への恋心を封じ込めようとしている娘の恋の応援団長をかって現れた父親。
わずか1時間半の二人芝居で、場所が変わるわけでもない。だが、戯曲がしっかりしていると、これだけ豊かな世界が立ち現れるのだ。

若干、西尾の広島弁のイントネーションが気になるところはあったものの、辻萬長と西尾まりの組み合わせはよかったと思う。
西尾は、愛らしいというより、しっかり者の印象がより強く、ごく普通の娘の、だからこそのかたくなないじらしさが出ていた。
辻は、下町の父親の娘思いのせつなさがいい。野球の素振りやキャッチボールのマネをしていたが、生きていたならば、ふつうの広島のカープファンのおじさんだったはずなのに、、と思わせるキャラクターを作り上げていた。

とくに最後の、こんなに酷い別れがこれから後にあってはいけない、お前はそれを伝えるために生きるのだ、自分の分まで生きてくれ、と父親が娘に語るところが、胸にせまった。
娘が、話を採集して絶対に変えることなく子どもたちに伝える会の活動をしていること、図書館に勤めていること、木下の蒐集した原爆資料を家で保存すること。この作品のテーマは、過去を、記憶を、「後世に伝える」ということだ。一人一人がその責務を負っている。

そして、会場となった南区民文化センターは、作品の舞台とされる比治山のふもとにある。60年前に、ここでそんなことがあったかもしれない、、そうした思いを抱かせる舞台だった。

と同時に、今日の芝居を見終わって、黒木和雄監督の映画版「父と暮せば」のすごさも改めてわかった。基本的なセリフはほとんど変えることなく、二人芝居から3人目の木下を入れ、舞台の映画化という難行に見事に成功していたのだから。。希有の作品だと言ってよい。

※ さて、被爆60年。来月、広島ではさらに「父と暮せば」関係のイベントが相次ぐ。⇒中国新聞

演劇ユニット体温「父と暮せば」公演
・広島市東区民文化センター
・2005年7月23日(土)14:00~、18:00~

●井上ひさし講演会
・「次世代に平和をどう語り伝えていくか」
・広島市南区民文化センター
・2005年7月24日(日)18:15~  (1200円)

4101168288 父と暮せば
井上 ひさし
新潮社  2001-01


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コメント

同じ舞台を観ていたのですね。立派なブログ、これからも拝見して勉強させていただきます。「まるち」へもお越しください。よろしくお願いいたします。

ひょうげん舎まるちさま、コメント&トラックバック、ありがとうございました! こちらからも、トラバさせていただきました。

貴ブログで、とてもしっかりしたレビューを拝読させていただきました。私の方は、「見た」という記録みたいなものです。。
ところで、「父と暮せば」の映画版の方はご覧になりましたか? (私にしては珍しいのですが、この作に関しては、実は、舞台版よりも映画の方が高評価です)。

狭い広島ですから、また同じ舞台を見ることができるかもしれませんね。これからも、どうぞよろしくお願いいたします!!

NAGI先生、これは喜んでいいのでしょうか。
http://www.sanspo.com/geino/top/gt200507/gt2005070702.html

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