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2005/06/18

島田雅彦から山田詠美への手紙

朝御飯を食べながら新聞を読んでて(お行儀悪い!)、朝日のbeに載っていた島田雅彦のコラム「文豪書簡」にしばらく釘付けになった。

タイトルは「おめでとう 作家生活二十周年の山田詠美へ」。
ずっと共に書き続けてきた仲間に対する、これ以上ない讃辞だと思う。とくに、

 今はかつてのあなたよりもずっとえげつなく赤裸々な性を謳歌(おうか)する女性作家も珍しくないけれども、あなたが薮(やぶ)を切り開き、ならした道を辿(たど)っているに過ぎない。あなたの本を読んで本能の正しさや倫理を学んだ少女たちは、あなたを見本に大人のいい女になろうとしている。山田詠美みたいな女が増えるのは大歓迎だ。

というくだりに、胸うたれましたよ、アタクシは。

山田詠美は直截な性描写が話題になったけれど、実はとても倫理的な人だと思う。
授業のなかで、『風葬の教室』や『僕は勉強ができない』を使うことがあるけど、とくに『風葬の教室』によって高校時代までのトラウマ(いじめ)を初めて直視できるようになった学生たちが何人もいる。傍観者も加害者といっしょだ、個として自立しようよ、という山田詠美のメッセージは、目立たないように・みんなと同じにしてなくちゃ叩かれてしまうと萎縮していた学生たちの心に響いていく。

大人の性愛と、少年少女の感性と。一見相反する二つのモチーフを山田が追求してきたのも、若い世代に対してメッセージを届けようという意志からだろう。
そうした山田詠美の「正しさ」を、島田雅彦はきれいに掬いとっている。いい関係だよな。

実は、山田詠美や島田雅彦とは同学年だ。内田春菊・佐伯一麦も。もう少し広くとれば、松本侑子・松浦理英子・山本文緒・重松清・保坂和志といったところも、同世代だと言っていいだろう。
なんやかや言ってても、やっぱり同世代の作家って気になって、いつのまにやらフォローしてしまっている。そして、島田・山田・佐伯の鼎談なんか読むと、そうそう、そんなことあったよねー、とニマニマしちゃうわけだ。

ともかく、山田詠美の作家生活二十周年を島田とともに祝いたい。
そして、同世代の読者としては、いっしょに歳をとっていきたいものであります。

4101036187 蝶々の纏足・風葬の教室
山田 詠美
新潮社  1997-02

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コメント

同じ世代の作家というのも気になる存在ではあります。しかし「同世代頑張っているな」というだけではなく彼らが(阿部知重さんなど)直観しているであろう問題について。
(上手く言えませんが、バブル期世代、2CH世代が抱える病みたいなもの)

星野智幸さんが高橋源一郎さんと山田詠美さんの「顰蹙」をめぐる対談にかみついたように、これから世代間闘争(というより個人間の争いかもしれない)が出てくるでしょう。
(私は星野さんの意見に全く同意)
http://www.hoshinot.jp/diary0501.html

べつに「同世代頑張っているな」だけではないのですが。。

ただ、荷宮和子さんの『なぜフェミニズムは没落したのか』や『バリバリのハト派―女子供カルチャー反戦論』は、上野千鶴子さんへの統括などかなり違和を感じるところもある一方、1960年代前半生まれに関する指摘には、感覚的・生理的としか言いようのない思いで同感できてしまいますけど。

私と同じ年の人にはなぜか格闘家が多いのですが(吉田秀彦、桜庭敦志、曙、誕生日まで一緒の田村潔司 かつての鬼塚勝也など)、男女で同級生のスポーツ選手の引退(同じ年の選手がやめるとこたえる)に関して距離の違いがあるような気もしますがどうなのでしょう。高校野球とプロ野球があるせいかもしれませんが。これもジェンダー形成なのか。

タレントだと私の同学年はおニャンコ倶楽部の世代。作家は少ないですね。68年は何人かいるんですけど。

こんなぺーじがありました。
http://wcw.way-nifty.com/tame/1960/index.html

思想系の雑誌を開くともう77年生まれ(作家だと83年生まれも)なんて人が出てきましたからこちらも「年少者」(柄谷さんが浅田さんを評して言った言葉)の出現に敏感になっていないといけないですね。教壇に立っているだけよけいに。上の世代を理解出来ない人は下の世代にも抑圧的になるから。

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