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« 近況 | トップページ | 中条省平編『三島由紀夫が死んだ日』 »

2005/04/24

神奈川近代文学館の三島由紀夫展

昨日、日帰りで、横浜(+東京)に行ってきました。
お目当ては、神奈川近代文学館で開催の「三島由紀夫 ドラマティックヒストリー」。どうしようかな、、と迷っていたけど、やはり初日に見たくて、始発ののぞみで横浜へ。

kanakin

国内での三島由紀夫展は、三島の生前(自決直前)の1970年と1979年に次いで3度目、26年ぶりの開催とのこと。文学館の2つの展示室を使い、展示資料も総出品点数600点と豊富で、かなり大規模な展覧会だった。

山中湖の三島由紀夫文学館所蔵の資料が多いのだが、展示スペースの関係だろう、山中湖でも見たことがないものがかなりあった。原稿や創作ノート、書簡類の肉筆資料ほか、写真やポスター類も多い。『薔薇刑』など本で見ることのできる写真も、大きなパネルで見ると迫力が違う。肉体改造前の水着姿の写真やマネキンに着せかけられた愛用のスーツなどは、三島の体躯を想像させて生々しかった。自決直前に開催された三島展のために揮毫した「書物の河」「舞台の河」「肉体の河」「行動の河」「豊饒の海へ注ぐ」の書は、想像以上に大きい。

祖父・定太郎に関する公文書などは初めて見た気がする。ほかに鉢の木会での寄せ書きや連句、猫好きを実証する猫の足型入りの手紙など、ちゃめっけも一杯で興味深かった。
なかで、印象深かったのが初等科(小学校)2年生のときの「江ノ島ゑん足の時」の作文原稿。「ぼくはゑん足をお休みしました。」で始まり、病弱なため遠足に行けず、家にいてみんなが今頃どうしているかを想像する。そして、その夜、夢を見るのだ。「ぼくもみんな江ノ島のゑん足にいって、そしてたのしくあそびましたが、いわがあつてあるけません。/そこでもう目がさめてしまひました。  終」--たまたま前日、うちの小3の娘が遠足で、お弁当を入れたリュックを背に張り切って出かけたのを見ていただけに、幼い手で書かれたペラで3枚弱の平岡公威少年の原稿を見ていると、ひ弱だったことはやはり彼にとって大きな問題だったのだなと思うし、夢のなかでさえ岩で歩けないなんていうところはフロイドが援用できそうでもある。

今回の目玉である「会計日記」は、その日のできごとと使ったお金のメモで、「Swedenborg  18.00」「Kielkegool 17.50」といった書籍代とおぼしき金額などが書かれていた。太宰治・亀井勝一郎と逢ったのが昭和21年12月14日(土)だと判明する部分も展示されていた。展示は数枚だったので、全貌が全集に載るのを楽しみに待ちたい。 

さて、会場で、編者のお一人、佐藤秀明さんをお見かけする。横浜には木曜日から来られているそう。
このたび作られたビデオにもうお一方の編者・井上隆史さんがかなりアップで映っている、ということを佐藤さんからうかがって、出口近くのビデオコーナーへ。3つぐらいのブースがあり、個人でヘッドフォンをつけて見たいビデオ番組の番号を選んで鑑賞するタイプなので、教えていただかなければ通りすぎて見逃すところだった。。

その新作ビデオ、「三島由紀夫と『午後の曳航』」は17分。横浜を舞台にした『午後の曳航』の解説や舞台となった場所の紹介、取材時の三島についての川島勝さんの証言、佐伯彰一さんのインタビューなどで構成。『午後の曳航』だけではなく、三島の生涯も見渡して井上さんが解説をされていて、かなり見応えあり。
その井上さんは、たしかにアップも多く、トレンチコート、革のコート、ジャケット、と3種類のお召し物で登場されていて、収録に多くの時間がかけられたことがうかがわれた。

・・といった調子で見て回っていたら2時間以上があっというまにたっていたことに気がついて、文学館の喫茶室(横濱珈琲店)でお昼に。そこでいただいたメイプル・トーストとたっぷりのコーヒーのセットが絶品。トーストは卓におかれてから、あたためられたメイプル・シロップが回しかけられ、コーヒーもすばらしい。うかがうと、トーストにあわせてコーヒーを淹れているのだそう。お隣の方のホットサンドもとてもおいしそうでした。
このコーヒーとトーストも誘うことだし、会期中にもう一度文学館に行きたいなあ。無理かなあ。。。

なお、三島展は、6月5日まで開催。途中、映画「炎上」の上映や、講演会などの企画も。
また、展示資料などが収録された図録(64ページ)は900円。文学館の会誌・第88号も三島展の特集が組まれていて、田中美代子さんの「さなぎの時代」、櫻田満さんの「十年にひとりの天才」の寄稿や、「展覧会場から」のコラムに「三島由紀夫と「鉢の木会」」の記事が掲載されている。

poppy(左の写真は、『午後の曳航』の主人公・登の母親・房子が経営する高級洋品店のモデルとされる横浜元町の「ポピー」。文学館からの帰りに、ちょっくら撮影しました)。

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コメント

お帰りなさいませ。面白い小旅行?だったようですね。文学館の珈琲ともご無沙汰です。井上さんの<雄姿>が写ったビデオはこれからも見られるのでしょうか。

ビデオコーナーは、番組リストから見たい番組を選んで番号を入力する仕組みで、「三島由紀夫と『午後の曳航』」もその中のひとつだったので、今後も見ることができると思います。
番組リストには、番組名と研究者名とがセットになっていました。井上さんの例から出演者名かと思い、学部時代の亡くなられた恩師の名前を見つけて映してみたのですが、その番組ではどうやら監修者だったようで、終始アナウンサーによるナレーションで、残念ながら懐かしいお顔を見ることはできませんでした。

また、蜷川「近代能楽集」上演のようですが
見に行かれますか。私は帰国が間に合わないかもしれません。「好想看近代能楽集!」
http://www.asahi.com/culture/theater/TKY200505310241.html?to

ご無沙汰してます。お元気ですか?

私の方は、教務補佐員がゼロになり、暑ーいなか、学会実務に追われています。

近代能楽集、さいたまに行きます! 学会にあわせて、チケットをとりました。(さいたまは、あっという間に完売だったらしいですよ)。
5月11日は、日本女性学会、日本社会文学会、昭和文学会と重なり、とくに土曜日は三つとも聴きたいので、迷います。いちおう、出張届は女性学会で出しているのですが。。

とくに「卒塔婆小町」は、蜷川演出が最高だと思っていますので、とにかく楽しみです!

そちらに比べれば時間ありますが(一応助手が2人いますので)、学系主催の研究会有り、4年生の試験と成績提出のなか、読書会、面接などが土日に入り、原稿2つが進みません。今日は授業がないから仕事をと思ったら風邪をこじらせ、家で寝ています。

近代能楽集、見に行かれるのですね。私は多分無理でしょう。こういうとき海外暮らしは不自由。
こちらもクランクアップしたみたいですね。10/29公開だからこれも無理。
http://harunoyuki.jp/
http://www.sanspo.com/geino/top/gt200505/gt2005060101.html

お大事に。

映画『春の雪』は、報道量が多いわりに、竹内結子の私生活の騒動の方が表に立っていて、期待薄ですね。

同感です。演技や物語はもう期待しないからせめて風俗描写でもやっておいてくれたらと思います。近代能楽集、大阪公演のチケットに間に合うよう努力してみます。

大阪はまだ空席があるようですね。さきほど見たら、さいたまも若干の空きが。(キャンセルが出たのでしょうか)。でもまあ、そんなに無理されなくても・・。基本的には、前回の公演と同じ演出らしいですよ。

それにしても、演劇は一回性の芸術だし、ナマで見るのが一番ではありますが、何とかDVD化してくれないかなあ。授業に使いたいです。藤原竜也も出るし、そこそこ売れると思うのだけど。

2CH風に言えば「激しく同意」します。
私も「弱法師」、こちらの学生に見せたいのです。<圧力>をかけましょうか(何の?)。

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文学館文学館は、日本の近代文学作家の作品とその成立にまつわる資料を収集、展示した施設。日本近代文学館の他、全国各地にその土地縁の作家のものの他、作家個人についての文学館もある。Wikipediaより引用...... [続きを読む]

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