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2005/03/19

清原なつの・讃

千利休
清原 なつの
本の雑誌社 2004-12


by G-Tools
先日、朝日新聞の書評欄に清原なつの『千利休』が載っていた。絵をみたとたん、あ、花岡ちゃんだ、、と、あまりに懐かしくて、ついつい注文してしまった。

この世代ならばみんなそうなのだけど、私もやっぱり少女マンガで育ったクチ。一条ゆかりや大矢ちき、池田理代子に山本鈴美香、山岸凉子などなど。(あー、名前を列挙してたら、色々と思い出してきちゃった)。恋愛、スポ根、歴史もの、コメディー。瀟洒なもの、エネルギッシュなもの、すべてにおいて黄金期だったと思うが、印象に残っているのは煉られた長篇ストーリーだ。

そんなラインナップのなかに、もう高校生になってからだったと思うのだけど、『花岡ちゃんの夏休み』が出てきたときは新鮮だった。少女マンガにテツガクが入ってるというか、花岡ちゃんと蓑島さんのとぼけた関係は、それまでの少女マンガにないものだった。
短くてたいしたストーリーはないのだが、一つの作品世界として個性的で完成していた。『ゴジラサンド日和』なんて、面白い話もあったけど、やっぱり極めつけは、花岡ちゃん。冷めた哲学的少女、でも浮いてはいない花岡ちゃんは、実に味があって魅力的だった。
再読したかったのだが、実家に見当たらない。もうちょっとちゃんと探したいけど、もうないのだろうなあ。。

さて、『千利休』。(コミックにはよくある何十巻といった)大長編ではない。千利休という人間と生きた時代の歴史的事実を紹介するのに追われている部分もあるのだが、それでも、名物に翻弄される人々のなかに生きる利休の人間性は見えてきた。
朝顔の挿話などは、野上弥生子の『秀吉と利休』と比較してみたり。
それにしても、秀吉を思いっきり猿顔にデフォルメしてもなお品性を感じさせる独特の描線。信長や秀吉が愛知・岐阜方言でしゃべっても、やっぱりちっともいやらしくないところは、本当に清原なつのの特性なのだろう。

そういえば、清原なつのは、私が読んでいた頃にも有間皇子の物語などを描いていたのだった。鹿と牟婁の湯につかるシーンなどを思い出す。神は細部に宿るのか、花岡ちゃんの「豆の湯」とか、20年以上たっていても細かい場面や絵は記憶に残っているものだ。

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