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2005/03/25

『はじめて学ぶ 日本女性文学史(近現代編)』

はじめて学ぶ日本女性文学史 (近現代編)
岩淵 宏子 北田 幸恵
ミネルヴァ書房 2005-02


by G-Tools

これはなかなか便利そう。
文学史の授業では、長いこと、磯貝英夫先生の『資料集成 日本近代文学史』をテキストとして使っている。文学史のテキストというと解説のみのものが多いのだが、これは、解説編と、「資料集成」の名のとおり作品のキモとなる部分が集められている資料編とで構成されている。学生が、実際に作品の一部を読むことができ、類書にはない特徴がある。

ただ、扱われているのが昭和40年代までとやや古い。先生のおつもりとしては、新しい時代については、新しい世代がテキストをお作りなさい、というところかもしれない。(それでも、半期や1年では、テキスト全部はとても授業で扱いきれない。高校歴史の授業で、原始や上代から始まって現代史までなかなか到達しないのと同じ事情)。
また、文学史記述としてはとても良質のものであるのだが、やはり執筆当時の限界もあって、とくに女性作家に関する記述や資料が少ないのも気になるところだ。授業で扱うときには、女性作家・文学については、別に資料を作って補っていた。

その点、この『日本女性文学史』は、女性文学の流れが(小説だけではなく、詩歌や戯曲も含めて)見て取れるようになっている。
ザッと眺めてみても、よくできている。戦後の原爆文学などについての記述もあって、これを通読すれば、近代の女性文学の概要をつかむことができるのではないだろうか。
文学史の授業のテキストそのものとして使うのは難しそうだが、参考文献としてぜひ紹介したい本である。

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