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2004/12/24

PTAの私物化によるジェンダーフリー叩き

先日、娘が学校から持って帰ってきたプリントのなかに、市PTA協議会の広報紙があった。
それが、「なんじゃこりゃ」とあきれてしまう内容で、これが市内全域の小中高生の保護者の手に渡っているかと思うと、とても放置できない。
男女平等を希求する側への強いバックラッシュであり、いかにも公を装っている点でメディア・リテラシー的にみても巧妙・卑劣なやり口だ。PTA会費を払っている者として許しがたい。

7月に、市内の単位PTA会長研修会というのがあったらしく、紙面はその報告だ。テーマは、「これからの男女共同参画社会」。はじめに、市民局男女共同参画担当部長と、関東地方の市立中学校教諭とが講演し、その後、パネルディスカッション。
市民局部長の発言は、「男女共同参画社会とは、男女がその個性と能力を十分に発揮することができる社会である。その実現に向け、学校をはじめ職場、地域などあらゆる分野で取組みを進めていく必要があり、男女共同参画に関する理解を広げていきたい」と、基本法に則してニュートラルで、しごくまっとう。

問題は、関東から来た中学教師。記事は次のように書いている。

「男女共同参画基本法」による学校内での子どもたちの変化の様子から、個々が優先され、家族という単位が軽んじられてきたことへの懸念や、一部の学校の事例を挙げ、早すぎる、また、いきすぎた性教育を批判され、「小中学生に、性の自己決定権を与えるべきではないこと」「男女共同参画基本法が、家族を支援する法であってほしい」と強調されました。

保守反動そのもの。これまで、男らしさ・女らしさが強調されて個性が抑圧されていたことの反省から、男女共同参画の理念がでてきたはずなのが、まったく省みられていない。「個」より「家族」を強調することで、性別役割分業の固定化につながっていくことは自明であり、それは男女共同参画社会の理念には外れてしまう。

PTAのイメージ、さらに市役所幹部職員をパネリストにすえて(この方自体は、いたってまともなことを言っている)、この企画が公的なお墨付きが与えられているかのように読者に先入観を与え、その後、ジェンダーフリー・バッシングの発言をもってくることで、あたかもそうした考え方が正しいかのように思わせる。こずるいやり口。

また、パネラーにも女性を多く配して、あたかも、女性たちが性別役割分業を肯定しているかのように見せかけているところも、作為的。権力をもっている男にかわいがられるために、こういった役回りを買ってでる女たちもいるのだが、利用されていることに気づかないのだろうか。いや、女であっても自分だけは特別だと、利用されるのがうれしいのだろうな。

紙面の下には、参考にしろと言わんばかりに、「東京発信 ジェンダーフリー 教育現場から全廃 東京都教育委員会」なる囲み記事もある。
都立大問題はじめ、日の丸・君が代問題での教員大量処分など、暴走ぶりが甚だしい東京都教育委員会を出してくるところで、企画者のお里が知れるというものだ。
また、「東京」を出せば、読者がお手本にふさわしいと思うだろう、という発想がすでに卑しい。

さて、紙面の中段に、市PTA協議会会長の「学校での教育に関心を!!」というコラムが載せられていて、この企画が会長の発案であることが明記されている。
そして、「男女共同参画の名の下に行われている学校教育が、現実には極端に偏った思想教育や、過激な性教育である」だの、「歪曲化された男女平等教育であるジェンダーフリー教育に洗脳」だの、おどろおどろしい書きぶりで、保護者を脅す。
ジェンダーフリーを、意図的・確信犯的に歪曲化して批判するのは、こうした輩の常套手段であって、今さら驚きはしない。

問題は、それをPTA会長の名のもとに行っていること。
個人がどのような反動的な考え方を持っていようと自由だし、個人名で東京都教育委員会へのシンパシーや、女が社会に出ることへの反感を語ろうがかまわない。私はつき合いたくない人だ、と思うだけだ。
だが、市PTA協議会会長という肩書で、そうした個人的考えを公にされては許しがたい。「偏向」した企画をたて、広報誌に「歪曲化」された記事を載せる行為は、PTA協議会会長の地位の私物化そのものだ。
PTA会員の中には、会長の考え方に全く賛成できない者が数多くいるのだから。にもかかわらず、個人的考えが公正であるかのように幻惑し、一般の保護者を「洗脳」しようとしている。
アンタンたる気分である。

---
〔2004.12.30付記〕
三井マリ子さんのページで、バックラッシュ勢力の実態が明らかにされています。

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コメント

社会学者の北田暁大さんのブログです。
http://d.hatena.ne.jp/gyodaikt/

お教えありがとうございます。
北田さんのブログ、情報量が多いので、まだ全部は目を通せていませんが、興味深く拝読しました。

男女共同参画社会基本法にもとづく条例づくりでは、たとえば山口などで反共同参画側にひどい原案を出されたりしているようです。広島県内の市町村は早めに比較的まともな条例ができていますが、その後のバックラッシュがはげしく、自治体の女性学講座の開催にも「ジェンダー・フリー」という語を使うななどとイチャモンをつけてくる連中がいて、担当者の方々も苦労されています。(私も某市で講座担当したときに、市会議員のオッサンが監視に来たことがありました。そのオッサンは男女共同参画講座が開かれると、ニラミを聞かせるために毎回「受講」しているそうです。学ぶ謙虚さのない人間が受講するなんて、時間と税金のムダづかいです)。

北田さんも書かれておられるように、問題は、歴史教科書などと同様に、ジェンダー問題でも、保守反動の側が教育に目をつけていることです。
PTAとは敵ながらうまいところに目をつけたなと思います(全保護者に公を装ってイデオロギー洗脳できるわけですから)が、逆に、こちらも会費を払っているわけですから、偏向した組織を是正する権利はもっています。意図的誤解のバラマキを何とかしてくいとめないといけません。

北田さんはこの件に関して論文と他に男性論を準備中ということですので期待して待ちましょう。
あと福祉の領域のいわゆる「グランドデザイン」
ですね。

こういうところから学生がネオリベラリズム(批判)について関心を持ってくれるといいのですが。北田さん、稲葉振一郎さん、渋谷望さん、教育では大内裕和さん。地方の学生(及び教員)はそうした方向に関心が薄いので。

北田さんのHPで書き始められている「オトコの美学」論は「やさしきリベラリズム」=「反省する主体(ロマン派含む)」がリバタリアン及び家父長制と共犯してフェミニズムを横領してきたのではないかという観点から構想されているようです。
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Library/2948/otoko.html

そうですね。理論構築も大切だと思います。
ただ、このバックラッシュの嵐のなか(館長雇止め・バックラッシュ裁判などもおきています)、現実的にどう対応すればいいのか途方にくれるところもあります。ですが、とにかく声をあげなくては。そして、それが多くの声へと結集していくとよいのですが。

教育界(大学含む)のバックラッシュがひどいですからね。(ブログなどで)とりあえず情報を集結して伝達するのも教師研究族の仕事でしょう。

咳が止まらないそうですが大丈夫ですか。
私は1月半ほど風邪を引いていてやっと治りかけたところです。こちらは正月も仕事なので
養生しています。ご自愛くださいませ。

ありがとうございます。薬をもらってきました。

PTAの方は、よく見守り、エスカレートしてきたら何らかの行動を起こさないといけないでしょう。

はじめまして。
たまたまこちらのブログにたどり着きました。
あの記事を読んで、本当に暗澹たる気持ちにさせられました。

表立って抗議するとなるとエネルギーが要りますが、現在仲間と抗議の準備をしています。
PTAを私物化されてはたまりませんから。


P子さん、コメントありがとうございます。
同じ思いの方がおられると知って、私の方も勇気づけられました。

何も言わなければ、相手はなめて増長してきますので、抗議すべきだと思います。各自ができる範囲で、知り合いによびかけて、みんながハガキ1枚抗議文を書いて出すだけでもいいのです。反対の声があることを知らしめるのが何よりだと思います。準備をされているとうかがって、心強いです。


 「家庭を大切にする」これがなぜ、「ジPTAの私物化によるジェンダーフリー叩き」になるのか、全然意味がわかりません?
私は、家庭こそ大切にすべきと思います。

あと「マザーテレサ」の手紙をTBしましたが、即削除されましたが、理由を教えて下さい。

この記事には、以前、悪質なTBアラシがあり、警戒しておりました。別の方のようですね。すみません。

記事では、「家庭」ではなく、「家族」と書いております。
反ジェンダーフリー派は、性別役割分業に則った家族像のみを個人に押しつけようとしている、ということを述べているのです。

 それでは改めて、マザーテレサの手紙をTBいたします。

>反ジェンダーフリー派は、性別役割分業に>則った家族像のみを個人に押しつけようとし>ている、ということを述べているのです。

家族愛と言うものもあり、「家族を大切にする」事が即 押し付けとは飛躍しすぎではないでしょうか?

悪い点は直し、良い文化や伝統は守るべきと思います。


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» 北京会議に宛てたマザー・テレサのメッセージ [ぶっ飛ばせジェンダーフリー 真の男女共同参画社会をめざそう]
1995年の開催された北京世界女性会議で、レスビアン達は、「自分達の運動に役立つ事が達成された」と喜び、フェミニストやジェンダーフリー論者も北京会議の成果を「女性解放運動」の根拠にしている。しかしそれを危惧して書簡を送った聖女マザー・テレサの声は、無視...... [続きを読む]

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