求職者にセクハラ
これまた夕食後、「求職者にセクハラ」という新聞記事について、とんでもないことだ、なにがホテルに求職活動に行こうだ、とさんざんダンナと話していたら、娘が「セクハラってなに?」と尋ねてきた。
おもに男性が女性に対して権力をバックにいやがらせをすることだということを、なるべくわかりやすく話した。
あなたが大きくなってお仕事をしているとき、お仕事の人が、「仕事をやめたくなければ……」……といった感じで。
また、仕事場だけではなく、学校でも起りうること、ほとんどの先生はとてもよい人だけど、なかにセクハラをする教師がないではないことも事例をあげて話し、もし自分がそんなめにあったり、友達からそんな話をきいたら、必ずママかパパ、担任の先生など、大人に話すように言った。
そして夜。部屋で仕事をしていると、カゼぎみなので早めに布団に入ったはずの娘がやってきた。
「ねえ、さっき言ってた、男の人が女のひとにいやなことするの、なんて言ったっけ?」
「セクハラ」
「それ、されたことある」
「え、セクハラを? どこで? いつ?」
「プリン山で」
??
驚きいてよく聞いてみると、放課後、小学校の校庭の隅にある通称「プリン山」という遊び場で、上級生の男の子が「おまえ、おれの弟をいじめただろう」と、娘は、その子の弟がだれなのかも知らないのに、いちゃもんをつけてきたらしい。
「してないよ」「嘘つけ」「ほんとうだもん」「だまれ」と、「いやなことされた」と語る。
「いやなことって、触られたり、たたかれたりしたの?」ときくと、そういうのではなく、どうも口げんかだったようだ。
大人になにかされたのか、と少々焦って訊ねていたので、ホッとするとともに、笑いがわいてきた。セクハラを受けたら知らせるように、と言われていたので、あとからあの不快な体験は「セクハラ」というものだったのではないかと思って言いに来たんだろうな、と思うと、おかしくて、でもけなげで。
だが、今後も何かあったら話したらいいのだ、という安心感をもってもらいたくて、内心のおかしさをこらえながら、「それはイヤな思いをしたねー。でも、よく言いにきてくれたね」とほめた。
そして、いっしょに布団まで行ったのだが、布団に入っても、「だまれ」とかいわれたらどうしたらいいの?としきりに聞く。よほどイヤな思いをしたのだろう。というか、あとから悔しく思ったのかな。
私とちがって気のいい子で、きょうだいがいなくてもまれていないからか、人から圧力をかけられたときの対処の仕方に、自分でも不安があるようなのだ。
「そっちこそだまれ」と言い返してやりなさい、と言ったのだが。次の機会には、うまくケンカできるだろうか。
それにしても、セクハラ。
娘がもう少し大きくなったとき、女であるゆえの不快感を覚えなくてよい社会であってほしい。
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