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2004/11/29

宴のあとの気分

昨日、口頭の研究発表を行った。
「特別研究発表」と名づけられており、着任した者が行う顔見せ興行のようなもの。この発表をしなくてはならないということは、実際に準備を始めるずいぶん前からずっと心のどこかにひっかかっていた。
この一週間ほどは逃避しまくり。このブログも、ここ一週間ほどでサイドバーが整えられたり、更新も速やかだったのだが、決してヒマだったわけではなく全く逆で、逃避してるなーと自分でもわかりつつ、やめられなくていじくっていた(^_^;)

発表は、すごく早口になってしまい、最後は思ったことも言えなかった。悔いは残るが、しかし、今の私のベストは出した。(「逃避しまくり」なのに、どこがベストだ?!というツッコミはおいといて)。
やらなくてはならない問題点も見つかったし、まあ、よしとしよう。(と思おう)。

それにしても、こうした発表とか講演とか講座とかの後は、何度体験しても、「宴のあと」気分を味わう。
放心状態というか、空白感・欠落感と、妙に頭がさえわたり、そして、やたら自意識過剰になる。(聴衆の一人として他人の発表を聞くことも多いのだから、他者は自分のことなんて気にしていないのだ、ということはよくわかっているのに)。
話す場の規模の大きさや準備にどのくらいの時間や体力をかけたかなどによって、こうした状態が消えるのに要する時間は異なる。数分か、数時間か、あるいは数日間か。時がたてば、宴のあと気分は消え、また日常生活に入ってルーティンワークが繰り返される。
今の気分が消えるのに、今回は、どのくらいかかるのだろうか。
これから会議もあるし、ま、すぐに消えるだろうさ。つかのまの宴のあと気分。

2004/11/27

「日本語力」低下

「日本語力」低下 4年制私大、国立さえ… 「留学生以下」お寒い大学生という記事があった。

 大学生の「日本語力」が低下し、中学生レベルの国語力しかない学生が国立大で6%、四年制私立大で20%、短大では35%にのぼることが独立行政法人「メディア教育開発センター」(千葉市)の小野博教授(コミュニケーション科学)らの調査で分かった。「憂える」の意味を「喜ぶ」と思いこんでいる学生が多いなど、外国人留学生より劣る実態で、授業に支障が出るケースもあるという。同教授は「入学後の日本語のリメディアル(やり直し)教育が必要」と指摘する。

学生たちの日本語力が落ちてきている、というのは、大学・短大で教えている者なら、誰しも感じていることだろう。日本語が使えるのが当たり前ではない時代に突入してしまったようだ。

私は、今年の春に勤務校がかわったので、今の学校の学生レベルの推移はよくわからないが、前任校の短大では如実にそれを感じた。
文学の授業で、たいがいテキストの引用箇所は自分で読むのだが、たまに学生に読ませると、え、この字が読めないの?と愕然とすることがある。だから、学生から、自分たちに読ませないでくれ、という要望が出てくることになる。なぜなら、一つには自分が当てられたときに読めなくて恥ずかしいから。もう一つは、学生が読むと読めない箇所が多くて意味がとれない・先生がスラスラ読んでくれると内容がよくわかるから、というのだ。
また、文章を書かせても、驚くべき誤字が多い。

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2004/11/26

求職者にセクハラ

これまた夕食後、「求職者にセクハラ」という新聞記事について、とんでもないことだ、なにがホテルに求職活動に行こうだ、とさんざんダンナと話していたら、娘が「セクハラってなに?」と尋ねてきた。

おもに男性が女性に対して権力をバックにいやがらせをすることだということを、なるべくわかりやすく話した。
あなたが大きくなってお仕事をしているとき、お仕事の人が、「仕事をやめたくなければ……」……といった感じで。
また、仕事場だけではなく、学校でも起りうること、ほとんどの先生はとてもよい人だけど、なかにセクハラをする教師がないではないことも事例をあげて話し、もし自分がそんなめにあったり、友達からそんな話をきいたら、必ずママかパパ、担任の先生など、大人に話すように言った。

そして夜。部屋で仕事をしていると、カゼぎみなので早めに布団に入ったはずの娘がやってきた。

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2004/11/25

憂国忌

今日は、三島由紀夫が亡くなって34年目。
東京・九段会館では、憂国忌が行われたのだろう。
一度も行ったことがない。

夕食のとき、今日が憂国忌だという話をしていると、娘が「なに、それ?」と尋ねるので、三島の死についてなるべくわかりやすく話した。「新選組!」を見たことがあるので、切腹がどのようなものかはわかったみたいだが、なぜそんなことを、と思っているようだ。当然だけど。

もう少し成長して、母親がそんな作家の作品研究をしているということが本当にわかったとき、いったいどう感じるのだろうな。

宮沢賢治劇場

島根県立島根女子短期大学岩田英作さんが、第8回宮沢賢治劇場のビデオを送ってくださった。

「宮沢賢治劇場」というのは、島根女子短大国文専攻の授業科目のひとつ「近代文学演習」で、学生たちが賢治童話を演劇・人形劇・紙芝居・パネルシアター・ブラックシアター(蛍光塗料を塗った絵をブラックライトによって浮かび上がらせる劇)など につくりあげ、地域の子どもたちに観てもらうという実践活動である。
岩田さんは、「書を読もう、まちへも出よう」をスローガンに、とかく受け身の座学中心になりがちの国文学の授業に実践的な活動を取り入れている。2000年から始めて、もう4年目。1年に複数回上演することもあるので、今回が第8回の劇場だ。

昨年度の上演ビデオも見せていただいたことがあるのだが、ビデオの最後にメイキングも入っており、学生たちの成長していくさまが見て取れて、すぐれたドキュメンタリー映画のようで、見ているこちらもパワーをもらうとともに、教師魂を刺激されたのだった。
ちなみに、昨年度の宮沢賢治劇場の様子はこちら。2000年の第1回からの宮沢賢治劇場の歴史や、岩田先生へのインタビュー制作準備の風景なども載せられている。

今年5月にあった実践報告の要旨に、岩田さんは次のように書かれていた。

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2004/11/23

七五三

遅まきながら七五三のお参りをしました。

2004/11/20

楽しいお祝いの会

お世話になっている先生の還暦お祝いの会に出席する。
発起人の方からお誘いを受け、先生の専門分野の教え子の方々とご一緒させていただいた。

人と話すのがとくに苦手というわけではないのだけど、人見知りすることもあるからか、ときにこうした会に出席していて気づまりだったりすることがある。だけど、今日の会はまったくそんなことはなく、出させていただいて本当によかった。
全部で10人の出席者一人一人がスピーチする間も、先生やほかの方が茶々を入れながら。で、それぞれの話に感銘を受けたり、しんみりしたり、大爆笑だったり、最後の先生自身のご挨拶・記念品贈呈まで、あっというまに時間がすぎてしまった。

先生のお人柄と業績、そして出席者のお祝いしたいという気持ちが第一だろう。また、先生自身が座談がとてもお上手で、ちょっとまねができないくらい、出席者にいろいろと気配りされて話題をふられる。さらに、準備された方の気持ちの温かさ(最後にちょっと涙ぐんでたりしていた)も印象的。もっと皆さんとお話していたかったな、という会だった。

ところで、会の前の記念写真撮影で、ついに私も記念撮影の花になってしまった。
全員で10名、うち女性が私を入れて2名。写真館に入ると、5脚の椅子が並べてあり、まず主賓の先生が中央の椅子に腰かけられる。すると、写真館のスタッフが、「女性の方、お隣へ」と、私ともう一人を先生の両隣へ誘導。あとの男性陣は年齢にしたがって2人が椅子へ、残りは椅子の後ろに立って、撮影開始。

うーん、えらそうなコト言ってたって、いざ自分がその場に立たされると、「いやです。なんで女が前なんですか??」なーんて、とても言えやしない。。。いちおう「年長者から先生のお隣へ・・」などと言ってはみたのだけど、まったく聞かれることなく、写真館の女性スタッフにエスコートされて(というか背中を押されて)指定席へ。
写真館の人からすれば、そういう並びで撮るのは常識なんだろうな。さらに、きれいに撮ってあげようという善意なのだろう、足の流し方から手の組み方まで、私ともう一人の女性だけ、しつこく直され形を整えられた。こうして、いろんな慣習が再生産されていくのだ。無力。

2004/11/18

優勝

trophy.bmp娘が、児童館のオセロ大会でもらって帰って来た。貯金箱になっている。
先日まで1週間ぐらいが予選(オセロ・リーグ)で、今日が、各学年上位10名ずつによる決勝トーナメント。予選のときには、娘を含めた上位3人が9勝1敗で3すくみ状態だったらしい。今日は、予選で負けた子に勝った、と言って喜んでいた。

去年は決勝に行けなかったのだから、急激な進歩だ。
今年は9月ぐらいから「練習する」と言いだして、毎晩のように入浴後につきあわされた。ふだん、なかなか風呂に入りたがらないのが、「オセロして」「お風呂から上がったらね」で、すぐに風呂場に向かう。
4隅置きのハンディから始めて、3隅、2隅、1隅、、、といき、今では平手でもけっこう接戦だ。ダンナの方は、完全に格下扱い。(もっとも、本人は、試合前に自信をつけさせるためにわざと負けたのだ、と称している)。

こう毎晩のようにつきあわされるとたまらない。だって、負けると泣いたり、コマを投げたりするのだ。それを機嫌直させて寝かしつける。勝てば勝ったで、もう一回もう一回のおねだり攻撃……。

でも、オセロも定石などを覚えると面白いのだろうな。3、4年ぐらい前、私学共済の配る広報パンフレットに、オセロの世界チャンピオンだったか、世界第何位だったかの方(高校の先生だったと思う。オセロクラブの顧問もされていた)の連載コーナーがあり、盤面図を添えて打ち手の解説をされていた。頭の体操みたいで毎回見てたとは思うのだけど、こんなことならもっと真面目に読んでおけばよかったかな。

さて。試合が終わって、やれやれこれで今日からは平穏だ、と思ったら、また今夜もオセロ。
連覇をめざしているのか、単純に面白いからなのか、受難の日はつづく。

ありがとうございます

昨日、ひとことご連絡を、と書いたところ、某・日本語関係の掲示板のSさん(やはり仮名に(^_^))と、前前任校にいたときの学生・Yさんから、見てますよー、と呼びかけていただく。
ありがたいことです。
なかなか毎日更新はむつかしいですが、ぼちぼちやっていきますので、ときどき覗いてみてくださいませ。

--
《11月19日追記》
前前任校(名古屋)の元学生・Yさんは、卒論が三島由紀夫で、卒業後もときどきネットで三島由紀夫関係を回っていて、ここに当たったそう。先生の近況もわかるし、ブログ始めたことを卒業生に連絡したら?と勧められました。
どうやら三日坊主にもならなかったし、年賀状ででもお知らせしようかな。

2004/11/17

見つかっちゃった・・

台湾におられるYさん(いちおう仮名に(^_^))から、このブログを見たというメールをいただく。
でも、ま、プロフィール見ればバレバレですか?
Yさん、気が向かれたらコメントなどお願いしますね。

8月下旬に始めたのだけど、アドレスはダンナに知らせただけで(あと、親指シフトがらみで某掲示板に載せたっけ)、ひっそりこっそり好きかって書いていたので、ちょっと驚く。
検索語によっては、ひっかかるみたいだ。

知り合いから見つけたぞーという連絡をもらったのは今回が初めてだけど、実は読んでる方が他にもおられるのかしらん。
ナマのNAGIをご存知のみなさま(もちろん、ご存知でない方も)、ひとことご連絡いただけますと、うれしいです!(精神衛生上もね(・_-))。

2004/11/15

ヘンなことば

別にケンカを売るわけではさらさらなく、たんに自分の語感に合わないというだけの話なのだが。
さきほど本屋でパラパラめくった本に頻出していた「育ちあい」「育ちあう」……。なんだか違和感。

東区民まつり

子どもと暮らすと、これまで縁のなかった場所や催しに行くことになる。その分、これまで馴染深かった場所や催しから遠ざからざるをえないことにもなるのだけど。
成熟と喪失……。
要は、新しい体験を楽しめるかどうかだろう。

昨日は、近くの東区役所・東区民文化センター・二葉公民館の敷地で行われた「東区民まつり」に行く。
公民館のビラしか見ておらず、詩吟や書道の発表会だけかと思っていたら、会場もいくつもあり、屋台もたくさんでているような大規模な催しだった。子どもも知り合いがたくさんいて、楽しかったみたいだ。

区役所1階に、子どもの夏休みの課題の防火ポスターが展示してあった。各学年で優秀賞1人、優良賞3人と、特別賞が全学年で2人、全部で26枚の絵が貼ってあった。
娘は2年生の優良賞。
「賞をもらって貼ってあるんよ」とは聞いていたが、参加賞程度のものだろうと思っていたので、ちょっと驚く。群青色の夜の街のなか、中央の小さくも大胆に描かれた家が明るく光って、その上に「家のまわりを明るく」という標語が配されたポスターだ。
画才がある子だとは思わないが、工作全般が好きで、楽しんで描いているところがよいのかもしれない。

わたがし(100円。おじさんとジャンケンして買ったら代金が戻ってくる。負けても、試供品のおまけがいっぱいついてくる)を買ったりしながら、公民館3階の参加コーナーへ。

ここは、娘も通っている学童保育の指導員の先生たち(東区の何校かが集まって)開いている遊びの場。入るなり、先生たちは娘の名前を呼んでくださる。娘が昨年腕を骨折したときにお世話になり、今年から他の児童館に転勤された先生もおられ、ご挨拶。娘の名前を覚えていてくださっていて、ありがたいことだ。

さて、遊びのコーナーは、ボーリングや輪投げ、折り紙・お手玉・かぶと・紙ヒコーキ飛ばしなどなど。
そして、一番人気はけんだまコーナー。

「大皿」からはじまる計十種類の技(それが1級だって)の名前が印刷してある紙をもらい、マスターするごとにスタンプをもらい、景品をもらう仕組み。
途中で、ボランティア?で参加している広島大学のけんだまサークルのお兄さん・お姉さんによる基本技の紹介と模範演技があった。「ひっつき虫」だの「小指姫」だの「うぐいすの谷渡り」だの、見たこともないような技も披露してくれた。拍手喝采!

(帰宅してから聞いたのだけど、この広島大学けん玉サークル「DAMAけん」というのは、けっこう有名な存在らしい。ホームページの「総帥活動記」には、すでに昨日の催しのことが写真入りで載せられている。
サークルのお姉さん(もしや「総帥」その方!?)と少し話をしたのだが、彼女はけんだまを大学に入ってから始めたそう。それで、こんなにうまくなれるんだ。子どもとのふれあいもあるし、いろいろな活動があるものだなあ。)

見てると、娘や娘の友だちも、けっこううまい。児童館で練習しているたまものか。
「とめけん」とか「飛行機」とか、サークルのお姉さんにちょっと教わると、「できたー」と言ってスタンプを押してもらっていた。

児童館のコーナーの終わる時間になると、飾りつけていた風船やおみやげをもらって別の階へ。お年寄りたちのパソコンサークルのコーナーで、ワードでのお絵描きを教えてもらったりして、外に出て、屋台をひやかして帰宅。
官製のおまつりかもしれないけど、子育てしていると、このように色々な世代の人が集える場はありがたい。

2004/11/13

「髑髏城の七人 アカドクロ」映像版

劇団☆新感線の「髑髏城の七人 アカドクロ」映像版を観る(11月12日19時半 広島バルト11) 。

作:中島かずき
演出:いのうえひでのり
出演:古田新太・水野美紀・佐藤仁美・坂井真紀・橋本じゅん・河野まさと・佐藤正宏・山本亨・梶原善ほか
制作:イーオシバイ

今年春の劇場公演の映像版を映画館で上映するというもの。
芝居はナマで観るのがもちろんよい。だが、地方に住んでいると見るのはむつかしいし、チケットを取るのも難しい芝居だってある。
その点、舞台の映像化は、見たかった芝居を見られるチャンスだ。だが、これまでのテレビの舞台中継、販売ビデオやDVDでは、単に舞台を映しただけだったり、自宅のテレビ画面で観るのでは舞台とはかけはなれていて不満足だった。
そうした点で、映像としてもキッチリと作ってある作品を、映画館のスクリーンで見られるというのは、画期的だ。

思ったよりも、とてもよかった。舞台に接しているかのような迫力がある。実際の舞台だと見えづらい席もあるのだが、全体像とアップとみごとに製作されていて、どの席からも平等な観劇体験がもてるのもよい。

芝居自体も見事。さすがに新感線の看板作品。
古田新太は存在感とハナがある。二役それぞれの演じわけも見事だが、捨之介の方が古田のキャラクターには合っている。
そして、りりしく、はかない美しさの水野美紀、庶民のエネルギッシュさを体現する佐藤仁美、芯の強さとコミカルなかわいらしさとをあわせもつ坂井真紀。女優陣も、それぞれの味があってよい。
もちろん、橋本じゅん、梶原善、河野まさと、といった脇を固める役者も、それぞれの持ち味を存分に発揮している。
殺陣がかなりあるのだが、飽きさせない。

それにしても、小劇場世代のこうした大きな芝居の、走りを含めた肉体の使い方や舞台転換・音楽などに、野田秀樹の果たした役割は大きいのだなあと、見ながら改めて思った。
もちろん、いのうえ歌舞伎・新感線独自のものは大きい。だが、世代全体として、遊眠社は一種画期であり、それ以降の芝居の方法を変えてしまったのではないだろうか。
新感線の芝居は、そうしたベースの上に立ち、独自の味わいを作り上げ、花開かせているように思える。

それにしても、よかった。アカドクロ。
途中休憩を入れて(映画で休憩があるなんて・・。芝居と同じように演出している。上映前後や休憩時などに古田新太の声が流れるのも面白かった)上映時間3時間あまりだけど、まったく途中息つくまもない展開。

アオドクロもこうした映画館での上映という形で、ぜひぜひ見たいなあ。
また、映画版「阿修羅城の瞳」も来年春公開されるらしい。特典の手鏡に惹かれて、前売り券を買ってしまった。気がはやい・・・。

2004/11/10

「モンスター」

映画「モンスター」を観る。

監督・脚本:パティ・ジェンキンス、 出演・制作:シャーリーズ・セロン〔アイリーン〕、 出演:クリスティーナ・リッチ〔セルビー〕、 ブルース・ダーン〔トーマス〕

見終わって、ずっと重い気分が続いている。
アメリカの女性連続殺人犯、アイリーン・ウォーノスの生の映画化ということだが、ウォーノスの生き方の背後にはジェンダーの問題が重くのしかかっているように思える。

幼時にはそれなりに夢があったアイリーンだが、おかれた家庭環境のため長ずるにしたがって、娼婦をするしか生活のすべがなくなる。自殺を考えたときにであったレズビアンのセルビーによって、生きる気力を取り戻す。先入主なしに自らを受け入れてくれるセルビーとの生活のために、アイリーンはふたたびヒッチハイクによる売春を行うが、ある日、客からすさまじい性的暴力を加えられ、半ば正当防衛で相手を銃殺し、金と車を奪う。そこから始まる転落。

セルビーは、アイリーンが何をしているのかわかっていても、自らの欲望を満たすために、彼女が娼婦をつづけ(あるいは、暗黙のうちに相手を殺して金や車を奪うことを)求める。食べ物を、車を、パーティーを、海岸の家を……。ひたすらアイリーンに奉仕・献身を要求するセルビー。寄生するセルビーをひたすら受けとめ、疲れた身体にムチうって身を売りに、そして強盗殺人に出かけるアイリーン。
自らは何もすることなく相手に要求するセルビーと、顎をひき、胸を突き出し、大きな身体で虚勢をはるアイリーンの姿は、よくある女と男の表象そのものだ。

アイリーンは、最底辺の娼婦として13歳から身を売り、男たちが自分に欲望しながらも蔑視すること、誰も(警官すら)自分を守ってくれるどころか最下層の何をしてもかまわないクズ・娼婦としてしか扱わないこと、周囲の軽蔑を強烈に感受し続ける。低い自尊感情しかもてないなかで、その要因となった男を見透かし、男性嫌悪の固まりとなるのだが、その自らがセルビーに対しては、自分が最も嫌悪している男と同じ態度を示すのだ。アイリーンはセルビーを、所有しているようで、その実、支配されてしまっている。そのように寄生してくる女性と対になろうとするとき、アイリーンの行動モデルは嫌悪しつづけた当の男性しかない。

と同時に、映画には、社会構造のヒズミも如実に現れている。カタギの仕事につきたいと思ったとき、アイリーンは自分にできる職業が何もない現実につきあたる。学歴のない彼女にはデスクワークなどできはしない。
(そうしたセックスワーカーの悲しみは、唐突なようだけど一葉の『にごりえ』にも描かれている。また、「華氏911」にもあったように、アメリカが強烈な階層社会でもあることも思い知らされる。)

八方塞がりのなか、アイリーンはセルビーとの生活を守るために殺人を犯し続ける。「女性との生活を守るために」というのも、男性犯罪のステレオタイプな理由だ。
こんなヤツは殺して当然だ、と理由付けしながら殺し続ける。だが、彼女が殺した相手には、彼女のウソの境遇に同情し援助しようとした男性もいた。妻がいる、孫が生れたばかりなのだ、という善良な男性の、自らが殺されるときの驚愕と苦しみ・絶望感はいかばかりだったか。アイリーンは、神に祈りながら、それでも撃つのだ。
男がみんな同じわけではない。だが、物語後半のアイリーンは、一人一人の男性を個別の存在としてみることなく、自らを蔑んできた男一般だと見なし(無理にも見なそうとし)、そうしてセルビーとの生活を守るために、引き金を引くのだ。

映画の最後、逮捕を覚悟して、セルビーを故郷に帰すアイリーン。刑務所に入ったアイリーンに対し、自白を引き出す捜査協力のために電話するセルビー。裁判でも、セルビーは、アイリーンに目をあわせることなく、彼女を指さし利己的にも証言する。泣き続けるアイリーン。
アイリーンの罪はもちろん罪で、(あんなに善人の男性も含めて、殺し続けたのだから)、だが、セルビーはこの後も無辜の生活を送り続けるのかと思うと、割り切れない。そして、なぜにこんなセルビーのために、アイリーンは転落していったのかを思うと、また切なくやりきれない。セルビーは、誰が見ても天女のような、といった女性とはほど遠い、ごくありふれた、少しばかりエキゾチックな表情をもっているだけの、客観的にみてまったく魅力にとぼしい、自己中心的な子どもな女の子にすぎないのだから。そんな女にいやされ、自己をかけざるをえなかったほど、それまでのアイリーンが極限までの絶望にあったということなのだ。

社会構造のひずみと、理想とあがめた女のために、自らが最も嫌った男性性を模倣せざるをえなかったジェンダー構造と。
あまりに不条理で、観終わったあとのドーンと重い気分は、なかなか消えてはくれない。

2004/11/09

山代巴さん死去

11月7日に、山代巴さんが92歳で死去

一月半ほどまえに、小坂裕子さんの『山代巴』の出版記念会に参加し、山代さんの高齢と病状をうかがっていたので、「ついに」という感じだ。小坂さんは、山代さんの仕事を総括し、魅力と限界を語っておられた。
その限界を含めて、女性と人権の問題で戦った先駆者の仕事を読み継がねばと思う。

2004/11/07

ふれあいまつり

小学校の日曜参観日。道徳の授業を参観。
おしゃまな子、恥ずかしがり屋、目立ちたがり屋、調子のいい子、おとなしい子、眠たそうな子、いかにも今起きて来ましたという感じで一時間遅刻してくる子……。見ていて、本当に色々な子どもがいるなあ、と思う。先生も大変だ。

うちの娘は、ちょっと幼い、でも気のいい子、という感じ。
自分の子ども時代を思い起こすと、もう少し自意識があってしっかりしていたような気がするけど、でも、あの子には私にはないよいところもいっぱいあるし、もある。これがあの子の個性だし、これでよいのだと思う。

その後、PTA主催の「ふれあいまつり」。1時間半の研修会(講演会)と、昼食コーナーや体育館でのステージ、児童館での遊びなどなど、もりだくさん。
ダンナと娘といっしょに、うどんやおにぎりなどを食べ、友達と児童館に行く約束をしている娘と別れて親は家へ戻る。
小1だった去年は、娘も親といっしょに催しを回ったものだが、当然ながらもう今年は子どもたちの世界ができてきている。よしよし。

さて、講演会。先日知り合った方が講師として来られていたので参加する。
「見つけよう! 自分流の子育て」という講演とワークショップの内容もよかったけど、それより何よりその講師の方の生き方がすごい。

夫の仕事で2年間住んだニュージーランドで女性の生き方に目覚める。その後、結婚後20年にして子どもを授かり、そのお子さんが小学校に入った年・47歳で大学に入学して小学校の教員免許を取得。卒業後、大学に副手として就職。60歳で定年退職後、広島大学の大学院教育学研究科に入学。成人の学習と意識変容をテーマに研究し、この春修士課程を修了。(夫君も同時期に大学院の経済学研究科に入学し、ともに学生生活を送る)。現在は、精力的に講演活動を行うとともに、社会人の学習支援を行うNPO法人「ラーニングネットひろしま」において活動中。

今日が通算95回目!の講演会だとか。
私は、先日、某所で仕事をしたときに知り合った。帰りの駅のホームで声をかけてくださって、広島駅まで電車の中でお話し、後日、ラーニングネットひろしまのパンフレットを送ってくださった。
とにかくパワフルで、人生を楽しんでおられる印象が強烈だった。ジェンダーに対する関心と、生涯学習支援への意欲、またさまざまな障害にあっても明るく強く立ち向かわれる姿勢。まったく依怙地な印象がなく、とにかく生き生き、つやつやとしておられる。すぐに悲観的になったり、被害者意識をもったりしてしまう私などには、まぶしいかぎり。
人生の可能性は常に開かれているというボジティブな生き方は、多くの方に参考になるのではないかな。

2004/11/06

山中湖と富士山

11月1日(月)に山中湖へ。この日は、ほぼ異動日。
宿泊は、清渓。昨年までの三島由紀夫文学館のフォーラム会場で、文学館に最も近い宿泊所で便利だということもあり、ずっとここに泊まっている。お値段も手頃で、新館はとてもきれい。これまで朝食がイマイチだったのだけど、今年は、品数も増え、おかゆやスープも選べたり、コーヒーやハーブティも飮めるなど、よくなっていた。(おかげで食い意地のはった私は、朝、食べすぎて、昼・夜があまり入らず・・。)

bungakukan1.bmp2日(火)は、前もって特別閲覧許可をいただいていた三島由紀夫文学館で、資料を見せていただく。時間がまったく足りず、また来なくては。それにしても、レイク・サロン開催前日のお忙しいときに、ありがとうございました!

fuji1.bmp国道から文学館への入り口のあたりから望んだ富士。この日は快晴で、雲がまったくかかっていない絶好の富士見日和。ただ、清渓や文学館は森の中なので、おがめるのは頂上付近のみで富士の全体像は残念ながら見られず。

aporo.bmp

文学館中庭のアポロ像。

三島自身が、「ビクトリア朝コロニアル様式」で「キンキラキンの悪者の家」だと称した大田区馬込の三島家におかれたのと同型だとか。。。

やはり三島といえば、アポロ像でしょう。


fuji2.bmp11月3日(水)。午前中、山中湖を少し散策。
雲がかかって、富士の全体像はなかなかおがめなかったけど、それでも裾野がきれいだった。
山中諏訪神社などへも足を伸ばす。そのうち、家族で来たいものだけど、いつになることやら・・。

ちなみに、今この時間の富士山の様子がわかるのが「絶景くんの富士山中継」。

kouyou.jpgその後、レイクサロンに参加。
会場となった徳富蘇峰館は、三島文学館のすぐ隣に位置するのだけど、入るのは初めて。三島館よりかなり大きくて、遺品や写真の展示も多かった。
レイク・サロンの雰囲気はこちら

sakura1.jpgそして、帰り。文学館前から御殿場まで富士急バス。一昨年のフォーラムも祝日開催だったのだが、渋滞でバスがまったく来ず、同行の人たちとタクシー相乗りしたことがあった。なので、今年もちゃんと帰れるか心配したのだけど、まったく大丈夫。バスは時間通りに来て、予定より早く御殿場駅に到着。

sakura2.jpgそれから、JR御殿場線で沼津まで出て(沼津で駅弁鯛めしを購入。たっぷりの鯛そぼろを味付けごはんにかけて食べる趣向)、沼津から寝台特急さくらで広島まで帰る。Bソロがとれて、とても快適だった。山中湖までは時間がかかるので、往復のうちどちらかは寝台にするのが便利便利。

はい、お疲れさま! 楽しく成果の上がった旅だった。

〔予告〕三島由紀夫 特別展

レイク・サロンの配布資料のなかに入っていた特別展の予告ビラをご紹介。来年春夏のことなんて鬼が笑いそうだけど、もう準備は始まっているのね。

--

〈特別展〉
生誕80年 没後35年記念展
三島由紀夫 ドラマティック ヒストリー

日時:2005年4月23日(土)~6月5日(日)
休館日:月曜日、5月6日(金)〔予定〕
会場:神奈川近代文学館
横浜市中区山手町110 電話045-622-6666

編集委員:佐伯彰一
編集協力:井上隆史、佐藤秀明
主催:県立神奈川近代文学館、財団法人神奈川文学振興会、山中湖文学の森・三島由紀夫文学館
後援:新潮社、〈以下予定〉NHK横浜放送局、神奈川新聞社、tvk(テレビ神奈川)

山中湖レイク・サロン

三島由紀夫文学館の第1回山中湖レイク・サロンに行ってきました。

気持ちのよい祝日の午後、紅葉の美しい文学の森にて。2人の研究者による1時間ずつの発表のあと、1時間半ぐらいのフリートークの時間が設けられるという構成。参加者は30人ぐらい。

杉山欣也さんの発表(学習院時代の三島由紀夫-『赤絵』第1号という場)は、没後34年を経て、三島の死というフィルターを排した研究が望まれるのではないか、初期の三島に関しても「日本浪曼派」からだけではない視点が必要なのではないか、との問題提起のもと、学習院での文芸活動の重要性を説かれたものでした。具体的には、同人雑誌『赤絵』第1号における三島作品や同人・東文彦の作品の分析がなされました。

佐藤秀明さんの発表(『奔馬』における「忠義」の思想)は、『奔馬』における当時の時代背景から勲の「忠義」の特徴があぶりだされていく論でした。モデル論や金融政策など時代背景を明らかにした上で、『奔馬』の勲のクーデターと当時のそれとの違い、さらに勲の「忠義」が「純粋」という価値と結びつけられていることの評価に入っていかれました。

フリートークでは、井上隆史さんの司会のもと、三島にとっての「天皇」の意味や、学習院時代の三島についてなど活発な意見交換がなされました。

大いに刺激をいただき、行ってよかったです。昨年までのフォーラムがなくなると聞いて残念に思っていましが、代わってサロンを開くということで安心。実際に参加してみて、三島好き・三島に関心をもつ人々が集まって、熱心に・なごやかに語り合うことができること、とても楽しかったです。

ただ、第1回ということで、講演なのか、研究発表なのか、など、まだサロン自体の位置づけが見えていないところも若干ありました。でも、それも、今後、参加者によって方向づけられていくことでしょう。
また、三島文学について話し合える場を山中湖の三島由紀夫文学館で確保するのだ、という主催者たちの強い意志を感じました。企画をねられた文学館・佐藤さん・井上さんに、心から感謝します。

2004/11/01

山中湖に行ってきます!

「レイク・サロン」に参加するのと、所蔵資料を見せていただくのとで、三島由紀夫文学館に行ってきます!
昨年のフォーラムは、勤務先の推薦入試と重なって参加できなかったので、山中湖に行くのは2年ぶり。楽しみ。

今日は、異動日。だいたい7時間で山中湖の宿泊所に到着予定。
帰りは沼津から寝台で帰広するつもり。祝日で渋滞していて、予定通りの時間に御殿場までたどりつけるか少々不安だけど、それもまたよろし。

それにしても、小2の子どもを残して出張(さきほど小学校に出かけるのをお見送り)。
ダンナも勤めをもっているので、いろいろと迷惑をかける。だけど、よく聞くような、子どもやダンナのごはんの心配などをしないで出かけられるのは、ありがたいことだ。
感謝感謝。(ま、お互いさまだけどね。)

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  • ヨーヨー・マ -

    ヨーヨー・マ: ヨーヨー・マ ベスト・コレクション
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  • Yo-Yo Ma with The Amsterdam Baroque Orchestra & Ton Koopman -

    Yo-Yo Ma with The Amsterdam Baroque Orchestra & Ton Koopman: Vivaldi's Cello
    知性と穏やかさの感じられるヨーヨー・マの演奏。これは、よく聴くアルバム・ベスト3の一つです。

  • 春風亭小朝 -

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    うまい! 何でこんなにうまいんだろう。落語家につける形容詞じゃないけど、スキのないうまさを堪能できる。もっとCDを出してくれることを切望。

  • のだめオーケストラLIVE!
    のだめオーケストラ・東京都交響楽:

    「のだめオーケストラ」LIVE!

    娘がピアノの練習を嫌がらずやるようになった、ありがたーいCD。2-2の2小節で間違えるバージョンがことのほかお気に入りの様子。クラッシックの入門編として。
  • Best of Bowie(US)
    David Bowie:

    Best of Bowie (Bonus CD)

    とりあえずデヴィッド・ボウイを聴きたい方へ。変遷を手際よくたどるのに好適!
  • Labyrinth
    Original Soundtrack:David Bowie:

    Labyrinth: From The Original Soundtrack Of The Jim Henson Film

    映画「ラビリンス」のサウンドトラック版。音楽的にもなかなかよい。バブバブ言っているのがボウイだと想像すると微笑ましい。
  • バッハ:ブランデンブルグ交響曲5番
    トレバー・ピノック/イングリッシュ・コンサート:

    Bach: Brandenburg Concertos Nos. 4-6; Triple Concerto BWV 1044

    硬質なカシャカシャとした音が、バロックにとても合っていて、気分が落ち着きまする。
  • Karajan Spectacular
    カラヤン:

    Karajan Spectacular

    そうは言っても、「ワルキューレの騎行」は、クナよりもカラヤンをとりたい。
  • ワーグナー:名演集
    クナッパーツブッシュ/ウィーン・フィル:

    ワーグナー:名演集

    「すばらしい」の一言。夾雑物が何もなく、ワーグナーの音自体が見事に立ち上がってくる。