記念撮影の花?
某授与式に出席した。
私は授与する側でもされる側でもなく、お祝いの気持ちをもって臨んだ、ただの陪席者である。
30数名の方々に証書が渡され、厳粛に式は終わり、続いて記念撮影に移る。
テキパキと授与台が脇にかたづけられ、演台の前に椅子が10脚並べられ、その横に生花が飾られた。
アカデミックなマントと帽子?をつけた7人のお偉いさんが(席順をめぐる微妙にして暗黙の闘争のあと)中央から順に椅子に腰掛ける。
すると司会者が、「○○さん、△△さん、××さん、椅子に座ってください。あとの方は場所はどこでもいいですから、後ろ3列に詰めて並んでください」と、被授与者のうち3名の名前をあげて椅子に座るようにうながした。
呼ばれた3人はいずれも女性である。
最前列、アカデミックな服装をしたお偉いさんの脇に3名の女性が座る。
そのうしろに30数名の人々が3列になって立ち、フラッシュが何度もたかれた。
うーん、なんだ、こりゃ。
被授与者30数名のうち、女性は7人だった。
最前列、お偉いさん(全員男性。おそらく60代)の横に、20代後半の女性3人がとくに選ばれて座る。さらに、その横に、華やかな生花。
それって、女はお飾りの花だということか?
あるいは、管理職に女がいないこと、被授与者に女が少ないことのカモフラージュなのか?
……なんかスッキリしない。
でも、これまで何の疑問もなく、踏襲されてきたことなんだろう。
もし私が進行役だったら、年配の方から前に座らせるだろう。(被授与者には、20代から70代ぐらいまでいた。多かったのは、30~50代)。
また、妊婦や身体の不自由な方がおられた場合には、優先させるだろう。
国際化を叫んでいるのだから、外国から来られた方々も優先させたい。
身体の不自由な方・妊婦、留学生のうち年齢の高い方、日本人のうち年齢の高い方。こんな並びかな。
一体全体なんで、お偉いさんの脇には若い女を、なんていう発想になるかなあ。。
私立の女子大、女子短大を経て共学大に転じて、「なんだ、こりゃ」なことがいっぱいある。
もちろん、女子大には女子大独特のヘンなところがいっぱいあるのだが、共学にもジェンダー・バイアスを感じさせられるできごとは多い。共学だからこそ、ジェンダー格差を感じさせられる出来事が転がっている、と言うべきか。
私が所属している分野は比較的女子学生が多いので、ふだんはそんなに感じないし、私自身はみなさんに大変よくしていただいていて、ありがたいことに今のところスムーズに勤務させていただいている。(嘆くといえば、自分の力不足を痛感して日々嘆いていることぐらい)。
でも、全体的に見ると、驚くほど女性教員が少ないこととか、他の女性教員の扱われ方だとか、どーもなあ・・なことは多々ある。
まるで「不思議の国」だ。
やってる人たちにとっては、これまで何の疑問もなくやってきたことで、なんでそんなことが不思議なのか、てなことばかりなのだろう。
どうやって声をあげるか。
それと、「不思議の国」にどっぷりつかって、不思議だと思わなくなってしまうのも避けたい。いつまでも、??なできごとに出会ったら、「なんじゃ、こりゃ」と思える感覚を保っていきたいと思っている。慣れは怖ろしいから。
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