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2004/10/04

秋枝美保さんの新著

秋枝(青木)美保さんから、ご高著『宮沢賢治の文学と思想-透明な幽霊の複合体-開かれた自己-「孤立系」からの開放-』(朝文社)をいただく。

まだ第一部を読んだだけだが、一つの到達点としての『春と修羅』序を、日本における仏教思想史受容と関わらせながら、きわめて実証的に検討されており、賢治研究に切り込んでいく意欲的な論考だと思う。第一部では、「手宮文字」「ダルケ」をキーワードに、賢治の心象の転換の様相を探っている。

「はじめに」に青木さん(の方が呼びやすいのでそう書かせていただく)も書かれていたように、このところの賢治研究は、賢治という神話を大胆に崩していく方向と、『春と修羅』第二集以後の推敲の様相等を細かく検証する方向と、二つの相反する流れで進んでいるように見える。こうした中で、青木さんは、「あたかも壊れた風車に真正面から立ち向かうドン・キホーテのようなもの」かもしれないと言いつつ、その反面の大きな自負をもって、賢治作品自体に、その文学と思想に、一つの形を与えようとするのである。

賢治にある程度の関心を寄せてはいても、しょせん門外漢な身には、賢治研究がいずれにせよ、きわめて実証的な領域に入り込んでいき、素朴な読みではついていけない感もいだくのだが、青木さんのご論考は、今後、一般の読者が解釈していく上で十分に参考にせねばならないと思える。

また、「おわりに」で、三島の『豊饒の海』に関するコメントも書かれている。
青木さんは、私が大学院に入学したときに助手を勤めておられ敬愛する先輩である。あのころ青木さんは、『豊饒の海』についてはかなり否定的で、『春の雪』の最初のあたりでウズウズしてしまってとても読めない、と言っておられたのを鮮明に覚えている。が、時は流れ、このたびのご高著では、『豊饒の海』の上に、三島の見た日本近代精神史を重ねていかれ、教えられるところが大であった。
賢治と三島については、萩原孝雄さんなどの指摘もあるのだが、相違も含めて両者の検討が課題だということが見えてきたように思える。また、ぜひ意見交換をさせていただければと願っている。

ともかく、私も怠けていちゃいけない。大きな刺激をいただいた本である。

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