大河ドラマとジェンダー
……というわけで、見たいテレビドラマは録画して、というのが今のところのやり方。
『新選組!』は、大河ドラマとしては久々に見ている。三谷幸喜脚本とあらば、演劇好きとしては見ざるをえまい。前回見ていた大河は、広島にちなんだ『毛利元就』。この年に娘が生れて、テレビ視聴もままならぬなか、やはりビデオに録ったりしながら、何とか見ていた。(何か理由がないと、テレビを見る気持ちにならないんだなあ。)
大河ドラマは、小中学生時代は好きだった。盛り上がった全盛期は、『新平家物語』と『国盗り物語』。原作はもちろん読み(大衆的歴史小説って長いものが多いのだ)、毎回欠かさず見て、仲代達矢さん、平幹二朗さんらの熱演に惹かれ、歴史好きになり、熱にうかされて(なぜか)宮島に通ったりした。
ちゃんと見始めたのは、その前作『春の坂道』あたりから。夏休みなどの長い休み期間は、私と妹は、母や父の実家の岡山県北にある祖父母宅に預けられていたのだが、従兄の本棚に前年の大河『天と地と』の原作本がおいてあり、夢中で読んだのがキッカケ。『天と地と』放映時には間に合わず、その年の大河の『春の坂道』を見て、はまった。もっと昔の記憶としては、『源義経』で奥州平泉に落ち延びた義経の家臣たちが互いに互いを刀で刺して自決したり、弁慶が体中に矢を受けながら大往生したりしたシーンをかすかに覚えている(ような気がする)。
閑話休題。『新選組!』も録画している。ところが、日曜夜は何かと忙しく、なかなか見られない。ひどいときには未見のものが5本分くらいたまってしまっていた。先週、子どもがキャンプに行ったスキにまとめて見た。山南さんの最期もようやく先週。それでもまだ「さらば壬生村」が終わったばかり。なかなか追いつかない。でも、楽しみにしている。
大河好き・新選組好きの人にとっては不評らしいけど、幕末の激動期に浮沈する人間ドラマとしては面白い。人が集合すると、どうしても思うようにことが進んでいかない不条理なさまが、とてもよく出ている。また、舞台の役者が多いのも楽しみの一つ。最近、野田マップもほとんどナマで見られないので、野田秀樹さんをテレビで見られるのもとてもうれしい。
ただ、見ていて疑問なのは、女性が出てくる必然性があるのだろうかということ。とくに優香が演じる深雪太夫=お幸。多摩のパートで妻や総司の姉が出てくるのはわかる。京都に舞台が移って、女性の出しようがない、だが視聴者はきれいな女性が出て来ないと承知せんだろう、なんて制作サイドのなめた魂胆でヒロインを無理やり作り出しているような気がする。
優香の演技を見ていても、ドラマの中での自分の必要性が実感できていないのではないか。性格付けのしようがないというか、印象が薄い。毎回、お幸と勇のシーンが浮いている。
ヘタにヒロインを出すよりも、思いっきり男性ドラマでいいじゃないか。女をあんなふうに使われると、どうも落ち着かない。
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