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2012/01/28

岡田美知代の跡を訪ねて

もう何年も前に、院生や田山花袋研究を志す中国の研究生と一緒に上下歴史文化資料館を訪ねた記事を載せました。
資料館は、岡田美知代の生家を改築していたもので、岡田美知代とは、田山花袋「蒲団」の女弟子・横山芳子のモデルです。
その後、縁あって、私自身が岡田(永代)美知代研究に取り組むようになり、何度か上下町の資料館にもおじゃまするようになりました。

美知代は、彼女自身も多くの小説や少女小説を書いていますが、「蒲団」の影に隠れて、今日ではほとんど知られていません。
が、少しずつ、等身大の岡田(永代)美知代を読み、研究する機運が高まってきたように思えます。
昨年初めに刊行された『新編日本女性文学全集』第3巻には、美知代の「ある女の手紙」と「一銭銅貨」の2作品が収録されました。朗報です。

4434100033 新編 日本女性文学全集〈第3巻〉
岩淵 宏子 長谷川 啓
菁柿堂  2011-02


 

ただ、まだ享受や研究の基礎となる著作リストも未整備ですし、年譜にも不明な箇所が多くあります。

私は一昨年から美知代の著作リストを作りはじめ、昨夏は本格的に、大学院生にも手伝ってもらって各地の図書館で雑誌調査をしました。結果は以下の通り。

  ・著書(単著):5冊(うち2冊が翻訳)
  ・著書(共著):1冊
  ・雑誌・新聞所収作品:205作品
  ・未発表原稿:10作品

これまで知られているより、かなり多くの作品を書いています。
今後の調査によってまだ作品数は増えるでしょうけど、とりあえずの中間報告としてこのたびの紀要に著作リストを載せました。

いまは、美知代が戦後に書いた未発表の原稿の翻字をしています。
もうすぐ〆切で、なぜ冬休みのうちに完成させておかない?!coldsweats01 ……といういつもながらの反省はともかく、その原稿執筆のため、先々週末は上下町に、先週半ばには美知代の母校・神戸女学院を訪問させていただきました。

資料館からの帰り、上下高校へ。
正門付近に美知代の父・胖十郎の大きな銅像が建っています。

1

すみません。
逆光でシルエットしかわかりませんね。

手前に立っているのは、くっついてきた娘です。銅像の大きさがわかるでしょうか?
胖十郎は備後銀行頭取で、のちに町長にもなった人物です。
そして、要するに、「蒲団」で芳子を迎えにきた父親ですね。

銅像の前には、明治39年10月に、花袋が上下を訪ねた記念碑も置かれています。

2

饗応してくれた岡田家宛の花袋の礼状が刻まれています。
でも、この1年後に「蒲団」が掲載されて、岡田家に激震が走るわけですね~。

さて、神戸女学院に行った日は、あいにくの曇。午後からは雨で、残念ながらあまり写真が撮れませんでした。

3

曇天でも美しい!
神戸女学院のキャンパスは、昭和8年に、神戸市内の山本通りから現在の西宮市岡田山に移転されたので、美知代の時代の校舎や寄宿舎そのものではありませんが、雰囲気は伝わってきます。

私は学部と最初に勤めた大学がキリスト教系女子大だったので、この雰囲気には馴染みがあり、とても落ち着きます。
屋根ばかりか壁もある渡り廊下で建物同士がつながっていて、機能的で美しい。

神戸女学院には史料室があり、学校について種々の問い合わせに答えてくださいます。
また図書館の方々にもたいへん丁寧に対応していただきました。
そして、もちろんI様にもお世話になりました。ありがとうございます。
まだ資料の一部を拝見しただけだったので、また訪問させていただけることを願っています。

これまで取り組んできた三島由紀夫に加え、岡田(永代)美知代という新しい研究対象を得て、少しずつ臥薪嘗胆時期から脱することのできそうな年初です。

2012/01/26

「金閣寺」凱旋公演

01

「金閣寺」日本凱旋公演
・2012年1月19日(木)~22日(日)
・梅田芸術劇場メインホール
公式ページ

・東京公演は、1月27日~2月12日
(於・赤坂ACTシアター)

宮本亜門演出、森田剛主演の「金閣寺」、ニューヨークでの上演をすませての日本凱旋公演。
明日から東京公演のようですね。
もう一週間前になりますが、私は大阪で見てきました。

初日でしたが、破綻なく、完成していました。
昨年2月の初演のレビューはこちらです。
昨年に比べて、今年は輪郭がクッキリした印象を受けました。
溝口-鶴川-柏木の、少年~青年期の男3人の物語という輪郭が、昨年よりさらに前面に出されていたように思います。
溝口-鶴川の明るい親交、溝口-柏木の陰影のある関係、柏木の告白を聞く溝口を見て去っていく鶴川。
肉体的な接触も随所にあり、ホモ・エロティシズムの要素が強まりました。
それは、腐女子向けサービス・・なんていうわけではなく、小説から亜門さんが読み取ったものなのでしょう。
小説「金閣寺」は、男性のコードでも、女性のコードでも読むことができますが、伊藤ちひろ台本は、父や老師も含めて、男同士の絆、モデル・反モデルの線で芝居を組み立てています。

と同時に、前半の溝口-鶴川の交友の場面のナレーターは柏木、後半の溝口-柏木の場面のナレーターは鶴川。
3人がリレーしながら「生きよう」という結末にいたるまで、3者が究極には同一のもの、観客も含めてみんなが溝口でありうる、といった示唆も生きていました。

もっとも、芝居から受ける印象は観劇条件にも大きく左右されます。
昨年はかなり後方の座席で、よくいえば舞台全体が見渡される、逆にいえば役者の細かい表情などは見えなかったため、大駱駝艦の方々のパフォーマンスや鳳凰のホーメイに目が引きつけられました。
今回は前列中央という恵まれた席で、役者を十分に追うことができたからかもしれませんが、若い男優3人の関係が強烈に印象づけられました。

森田剛クンは、溝口を完全に自分のものにしていました。
(体格的に似てるからか、野田秀樹さんの若い頃のような発声でした)。
大東クンはピュアな鶴川を、高岡くんはニヒルな柏木が映画版の仲代さんに重なって見えました。
再演で、とにかくアンサンブルがとてもよかったと思います。

演出では、昨年版でも印象深かった、溝口が出奔して舞鶴に行く列車の中で、過去が甦えってくるシーンがとにかくスピーディ!
亡くなったはずの父がかつて上京したときと同じく列車にいて、そこから、父-有為子-脱走兵-海機の学生-敗戦時の切腹兵(これは原作にはありません)-鶴川-米兵の女-南禅寺の女・・・と死者や死に関わる者たちが連続して表れ、ホーメイの強烈な声のあと、反転して、柏木-母-副司-老師・・・といった現世で強烈に生きる者たちの系列がつづいていくあたり、見事でした。

また、いよいよ金閣に火をつける場面も、一瞬のうちに四方の壁が取れて、強烈。
つまり溝口の内界と外界の壁が壊れて広々とした世界に出ていったというイメージです。
金閣放火のあと溝口がどのような認識に至ったかは、小説では書かれておらす、解釈も分かれるところですが、宮本演出では明確に一つの解釈を提示していました。

ところで、本公演終了後の2月15日にDVDが発売されるのですね。

B006QGXMGG 金閣寺-The Temple of the Golden Pavilion- [DVD]
avex trax  2012-02-15

by G-Tools

これはどっちの公演なのでしょう?
発売時期からして、昨年の舞台なのでしょうね。
映画版の2つの「金閣寺」……雷蔵の「炎上」とATG「金閣寺」とあわせて、長く楽しめそう。
私はもちろん買います!

2012/01/22

「オペラ班女」

Hanjo1

HIROSHIMA HAPPY NEW EAR OPERA Ⅰ
(広島の新しい耳)
「オペラ班女」
・台本・作曲・音楽監督/細川俊夫
・原作/三島由紀夫「班女」
・英訳/ドナルド・キーン
・演出/平田オリザ
・指揮/川瀬賢太郎
・演奏/広島交響楽団
・出演/半田美和子(花子)・藤井美雪(実子)・小島克正(吉雄)
・2012年1月20日(金)19時/1月22日(日)15時
・アステールプラザ中ホール能舞台
・上演時間 1時間40分
公式ページ

見てきました。「オペラ班女」。

2004年にフランスで初演、BSで少し紹介されて、ぜひ見たいと思っていました。それが広島で上演されるなんて!!
広島男子駅伝のゴールの時間帯でごったがえす平和公園前を通って、いざアステールへ!

全6場。
もともとエクサン・プロバンスの依頼で制作されたということもあって、歌は英語。
今回はセリフの部分は日本語でした。

能舞台の左手・脇正面の部分がオーケストラ・ピット。
舞台は正面鏡板の前に屏風。花子が部屋で休む場で、この屏風に隠れます。
屏風の前にロッキング・チェアが一つ。床には、裂かれた新聞紙が敷きつめられてますが、きわめてシンプルな作り。
キャストは洋服を着て、能舞台なのであしもとは足袋。

現代音楽独特の不思議な音色にあわせて、芝居が進んでいきます。
音楽は決して全面に出ず、背景という感じ。
実子の不安から、喜びへの変化。
花子の「狂気の宝石」の美。
吉雄の最初の勝ち誇った様子から、逃げ出していく様への変化。

オペラはあまり見ることはありませんが、とても演劇的な作りだと思いました。
とくに、吉雄が帰ったあとの花子の微笑みは、もしかして狂気のふりをしているだけ?と感じさせられたほど。
現実の吉雄を拒否すれば、ずっと待ち続けていられるのですから。
また「待つ」ことをつづけさせてくれる実子のもとにいられるのですから。

プレトークで細川さんは、平田オリザさんを演出に迎えて、演劇としてのオペラの可能性を追求したかったと話しておられました。
また自分の狙いは、種々のぶつかりあいであると。
・人間同士の、愛・嫉妬などのぶつかりあい。
・現実の響きと夢幻世界のぶつかりあい。
・セリフの日本語と歌の英語という、言語のぶつかりあい
・能舞台という日本と、西洋の楽器によってかなでられる音楽のぶつかりあい

アフタートークで、オペラ初演出の平田さんは、演劇のワークショップを行なって、キャストばかりか指揮の川瀬さんもずっと参加してセリフも練習されたといった挿話を披露。
そして、現代音楽については、単純な感情移入を妨げ、気持ちよくなる寸前に不協和音が入って、いわゆる「異化」効果があると話していました。
また、ディベートの部分が長いのが三島作品の特色であるとも。

私自身は、「近代能楽集」の自由度の高さが印象に残りました。
「サド侯爵夫人」や「鹿鳴館」はある程度、上演の形が決まってしまいます。それに対して、「近代能楽集」は、美輪さんのようなゴージャスの舞台も、蜷川流の解釈も、三条会のような実験的な演出も、そして今回のオペラ版でも、どのような味付けを行なっても見ることができる、変幻自在な作品だと思います。
英語の歌も、背景の現代音楽も、全く邪魔せず、作品自体を深めていく。

また、セリフが日本語、歌は英語、という2言語の切り換えも、思ったより違和感なく聞けました。
アフタートークで細川さんは、最初から歌とセリフを分けて作ったわけではなく、キーンさんの英語の台本をみながら作曲していき、うまく音楽にしずらい箇所をセリフに回し、あるいは音楽的な流れと会話とのメリハリを考えながら作っていったと話しておられました。
もともと三島の芝居そのものが詩劇なのですから、セリフと歌の区別はないとも言えます。

今回は広島のみの公演だけど、決して地方向けとは思っていない、国際的なものを目指しているのだ、とのお話でしたが、三島演劇の可能性を広げる貴重な試みだと思います。
再演を期待します。
その点でも、客席が埋まっていて嬉しく思いました。

2011/10/12

あしたは、無線通信基地局の説明会があります

お久しぶりです。
あんまり久々すぎて、ココログの入り方を忘れてしまってました(^^;;)

夏も過ぎ、授業も始まり、教育関係のもろもろやら、怒濤の会議やら、学会事務やら、論文〆切やら・・・、に追われているにもかかわらず、ここ数日、慣れないことにエネルギーを費やしております。
電磁波対策です。

ことのおこりは、先月の部局の会議で、某無線通信(W●●●X)の基地局が、研究科の建物屋上に設置されるという報告があったことから。
黙っていようかとしばし迷ったものの、健康上の理由から反対の発言をしました。
(おっちょこちょいを後悔するのはいつものこと)。

・・・で、色々あったすえに、明日、業者と大学本部による説明会が開かれることに。
木曜午後という、最も授業が多く組まれている時間帯に開催するのは、なるべく出席してほしくないからで、開けというから開きました、と、形式的なガス抜きの会にするつもりなのはミエミエ。
なので、授業が終わったあと、学生さんたちには説明会があることを告知しています。

また、先週末の3連休かけてチラシをつくり、昨日の朝、生協でコピーして(大学の備品を使うわけにはいかないので)、教員のメールボックスに配布し、事務職員の方には手渡ししました。
チラシはA3で、表面は作文、裏面は図表や新聞記事などを入れた電磁波と基地局に関する資料を作りました。
以下、少々長くなりますが、表面を引用しておきます。(企業名は、伏字で)。

» 続きを読む

2011/06/30

人間ドックほか

Rose

年に1度の検診。

今年は奮発(?)して、脳ドックも受診。
「萎縮もしておらず、全く異常ナシ」とのこと。
ちっ。仕事ができない言い訳がなくなっちまったぜ。。

その他、大きな問題は無し。

最後の医師との面談のときに、「つい最近、母が膵臓癌で亡くなって、心配だ」と話すと、見つかりにくい部分だから・・とやはり言われ、もう一度、エコーを見直してくれ、「今日は安心して帰ってもらっていいですよ~」と言ってくれた。
いまのところ、エコーで判断できる体型らしい。。(腹部の皮下脂肪が厚くなると、エコーでは見えなくなり、CTしかないのだと。。)
とにかく年に1度、きちんと検診を受けよう。 

 .。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。

検診後にもらった食事券でお昼を食べて、以前には見かけたことがなかった抹茶カフェの店頭でぼうっとメニューを眺めてたら、後ろで年配の女性二人の会話が聴こえた。

──抹茶白玉あずき だって・・・
──あらー、ぜんざいもある・・・
──何にしようかしらね~
──幸せね~

・・・不覚にも涙がこぼれそうになって、トイレに駆け込んだ。
母も、もっともっと長いあいだ、美味しいものを食べたり、「幸せ」な思いができたはずなのになあ・・・と切ない。
(「キッチン」のみかげが、バスのなかの祖母と孫娘の会話を聞いて、ぼろぼろ涙をこぼす気持ちが、少しわかったような気がする。・・・私がばなな小説に同調する??)

最近、道で、母より年上の女性が自転車に乗っているのを見たりすると、やはり「ああ・・」と思う。

こんな時期を経ないとだめなのだろうな。

2011/06/20

母のこと

Ajisai

6月16日(木)、18時55分、母が亡くなりました。
77歳でした。

一人で検査結果を聞きに行った本人が、「早期ではない膵臓癌」だと告知されたのが3月11日。
ちょうど震災の日。

夜、母からの電話で聞かされ、驚愕しました。
病名はもちろんのこと、本人に普通に告知することにも。

入院後の精密検査のあとの本人と家族への説明では、肺と腹膜に転移しており、ステージ4b。
手術はできず、化学療法(抗ガン剤)と緩和ケアを組み合わせる。
平均余命は、無治療で半年、抗ガン剤治療をして7~8カ月とのこと。

告知を受けてすぐは「せめて、あと5年は生きたい」と話していた母が、この説明のあとは「年を越したい」と言い出し、でも、実際には、3カ月で逝ってしまいました。
抗ガン剤治療が効かなかったと引導をわたされ(このことは、父の希望により、本人には伏せていました)、緩和ケア(いわゆる「ホスピス」)のために転院して10日目でした。

6月17日に通夜、翌18日に葬儀を、いずれもごく身内だけでとりおこないました。

いまは木曜まで忌引をいただいて、諸手続きや実家の片付けなどをしています。
まだまだしなくてはならないことが多くて、全く実感がわきません。
亡くなったなんて、嘘みたいです。
でも、もう病院には通わなくてよくて、実家に行っても母の姿はありません。遺影と骨箱と位牌に変わってしまいました。

母の病気がわかり、治療法などを調べるとともに、いったいどのようなことになるのか、本やネット上で、同病の方々の闘病記や看病記を読みあさりました。
読むにつれ、1年後生存率がほぼゼロだという実態がわかって辛さがつのりましたが、ある種の覚悟のようなものができ、たいへんありがたく思いました。
もし闘病記を読まないまま母と接していたら、おそらくたいへんなパニックになっていたことでしょう。自らや大切な人の命とひきかえに記録や感情を書き残してくださった方々に、深く感謝しています。

二つの病院のお世話になりましたが、医療のあり方にも考えることがありましたし、一時利用させてもらった介護保険についても知らなかったことばかりでした。
死去後、喪主の父の間近で慌ただしく葬儀の準備をしていくなかでも、感じたことがあります。

まだ全く余裕がありませんが、今後少しずつでも、そうしたことを思い出しながら書いていければと思っています。
もしかしたら、情報を求めて闘病記・看病記を読む方への参考になるかもしれませんし。

母が亡くなったことは今でも信じられません。

でも、この3カ月、何もわからない中で、懸命に調べたり動いたりして、できるだけのことはしてきたと思っています。
退院して自宅療養していた期間には、介護保険を申請して介護ベッドを利用するようにしたり、入院中は、授業がない日は年休をとって病院につめ、学校のあとも夜、できるだけ病院に寄るようにしました。
一時退院時に、我が家に遊びに来てもらうことができたのも、本当によかったと思っています。

悔いが残るとすれば、2年ぐらい前からお腹が痛いと話していた母に、しっかりと検査を受けるように言わなかったことでしょうか。母自身がいくつもの病院に行っていたので、大丈夫だと思っていたのです。複数の内科・婦人科に行ったのにハッキリとした病名がわからず、神経科まで勧められていました。
でも、発見のきわめて難しい病気ですから、あきらめるしかありません。

Mam

写真は、9年前の母と娘です。
入院中の母をなぐさめるために、一緒に正月や花見を過ごしたり、旅行した写真を持って行きましたが、写真を整理していると、娘と一緒に、ブランコや縄跳び・すべり台をしたり、雪ダルマを作るなど、やたらお茶目な姿が出てきます。
そもそも、娘は小学校の入学式にも母(おばあちゃん)に付き添ってもらいました。(母親の私は新入生のオリエンテーション旅行で不在だったのです。)
保育園時代も小学校でも、熱が出たら預かってもらい、行事にも来てもらい、母に育ててもらったようなものでした。

・・・といった話を始めると長くなりますね。

明日も実家で、父と妹とともに、諸手続きの説明を聞いたり、片付けをします。

そして、実家に一人で過ごす父のこれからの暮らしをどうするのか。
母の亡くなったあと、父の数珠のありかがどうしてもわかりませんでした。棺の中の母にも愛用の数珠を持たせたかったのですが、それも見つかりません。実家で、この一角にあるだろうという箇所を父と妹と何度か探したのですが。
生活のすべてを母が仕切っていた父でした。
母の入院中、父はかなり家事が上手になってきました。でも、高齢ですし、母の死の精神的なダメージもありますし。
できるだけ父に会う時間をとり、食をはじめ、生活を見守りたいですが、仕事に復帰したあとどうするとよいのか。これから長い期間の大きな課題となりそうです。

2011/04/13

できることから

1カ月半ぶりの更新です。

人はあまりに大きな出来事に遭うと、言葉を失ってしまうのかもしれません。
3.11以来、まとまって何かを書くことが難しい状態でした。

また、3月に家族の入院が相次ぎ、病院通いをしながら(いまも縁が切れていませんが)、生と死、命といったことが、身に沁みて考えさせられました。

でも、新学期も始まりましたし、ぼちぼち見た芝居のことや行ったところのことなども思い出しながら、あるいはその日の出来事も書いたりしたいと思います。

しかし、通常復帰の前に・・。
信頼のできる友人からの転送歓迎メールが届き、趣旨に賛同しますので、こちらに上げておきます。
もとがメールでしたので、個人名はイニシャルに替えてあります。

支援物資調達に参加しようという方は、こちらに連絡をおとりください。

*****************************************************

東京の友人からの依頼で、宮城県大崎市に支援物資送る協力を依頼されました。
ものはパンティライナーです。ドラッグストアで購入できます。
現地で水もなく着替えもなく感染症も懸念されています。

広島の分をまとめたいと思います。Yにおくってもらい、わたしがまとめて送付しますが、ながく続けたいので、送料節約のため、TさんとFさんとOさんに、会う機会がある人、は預けてもらうことも、、、そしてわたしがとりにいって定期的にまとめて送る、、、という風にしたいので、拠点としてお願いしたいのですが。下記のメールを友人にながしていただくと嬉しいです。

余分に集まったら仙台在住の友人に教会を通して、物資が届きにくいところに送ることも考えています。

以下、友人の友人MKさんという(埼玉在住)かたからのメールの抜粋です。

---

宮城県大崎市に拠点をおく、NPO法人の代表と直接話し(電話)、来週から以下の物資を宅配便で送る約束をしました。
現地の方が、「もう必要ないです」とおっしゃるまで、長期的な支援になります。

以下、詳細です。

<必要な物資は1種限定>

●パンティーライナー
(未開封のもののみ。個包装の未開封ではなく、外袋が未開封=買ったままの状態のもの)

※ひと昔前は、「おりもの専用シート」といわれていました。生理用のナプキンではありませんので、間違えないでください。
男性の方でわからない方は、奥さまや彼女、友人の女性などにこのメールを見せていただければわかります。

<被災地への送付先>
宮城県大崎市田尻大貫にあるNPO法人

※こちらの団体は、4月6日現在も行政の支援がほとんど届いていない、50人以下の避難所または集落などに軽トラックで直接物資を運び、被災者に手渡ししています。とにかくたりない物だらけだそうです。

<この物資を送る理由>
1 わたし自身、食料と暖をとれる状況の、次にほしいものは下着(ショーツ)だから。

2 パンティーライナーは安価(100円~400円)であり、当地での需要が高いこと。
しかも重量がほとんどありません。わたしの経済力で長期的に支援するには、やはり配送料金がネックですので、現実的に最も適した物資だと考えます。

3 当地では、替えの下着がない、下着を洗う水がない、水があったとしても男性と同じ物干し場にパンツ(!)を干すなんてみっともなくてできない(女性ならわかるかと思います)という意見があるようです。
下着がそろって、洗える(干せる)状況になるまでは、ライナーを使用して衛生面の問題をカバーすることが大切です。

※通常の生活の中でも女性は、カンジタ菌や膀胱炎になる可能性が男性よりも多くあります。
当地では、免疫力が低下している方が多いでしょうから、さらにそのリスクは高まっています。
避難所や他人の家に身を寄せている状況下で膀胱炎等にかかるようなことがあれば、体以上に精神へのダメージは相当なものでしょう。

以上、ご協力いただければうれしいです。

自粛ばかりでブルーにならずに、パンティーライナーを買って、隣の店で一杯ひっかけて、買った袋をぶるんぶるん振り回しながら千鳥足で散歩して、桜並木で春の息吹を満喫して、ちょっと酔いがさめたら、「そういえば」と思い出して送ってください。
「ブルーデイ」(女性の月経日をブルーデイといいます)ならぬ、「ブルーハーツ」活動!です(わかる人にはわかるでしょう……)。

長々とすみません。
読んでいただいてありがとうございました。

MKより

2011/03/01

「金閣寺」三島由紀夫☓宮本亜門☓森田剛

Photo

KAAT神奈川芸術劇場のこけら落とし公演『金閣寺』を福岡で見てきました!

原作     三島由紀夫
演出     宮本亜門
原作翻案     セルジュ・ラモット
台本     伊藤ちひろ
出演     森田剛(溝口) 高岡蒼甫(柏木) 大東俊介(鶴川) 中越典子(有為子) 高橋長英(父+禅海) 岡本麗(母) 花王おさむ(副司) 大駱駝艦〈田村一行 湯山大一郎 若羽幸平 橋本まつり 小田直哉 加藤貴宏〉
岡田あがさ 三輪ひとみ 山川冬樹(鳳凰) / 瑳川哲朗(老師)

■2011年1月29日~2月14日 神奈川芸術劇場(KAAT)ホール
■2011年2月19日~20日 まつもと市民芸術館
■2011年2月25日~27日 キャナルシティ博多劇場
■2011年3月5日~6日 愛知県芸術劇場 大ホール
■2011年3月10日~13日 梅田芸術劇場 メインホール

最初のうちは、原作を丁寧に追っているけど突出した部分がなくて地味だなあ、なんて思いながら見てましたが、芝居の半ばぐらいから、これは地味に見えるけどスゴイかも・・と興奮し始め、見終わったときには大満足で劇場を後にしました!

まとまりはないですが、帰広以来ちまちま書いていたメモを、そろそろupしておきます。
キリがないしね。

《以下、大いにネタばれアリです。》



舞台はシンプルなつくりで、正面には黒板。
舞台上は全体に暗めで、華やかで明るい照明が使われることはほとんどない。
セットの展開は、大駱駝艦の方々による人力で。たとえばテーブルが組み合わさり、動かされることで道路になり、上を歩く役者の動きに合わせて道路がどんどん継ぎ足されていく、といった具合。
寺の日常生活を集団で早送りして見せるところなど、スピード感もあって面白かった。

開演前にすでに役者たちが普段着(というか現代の衣装)でたむろしている。
時間になると、『金閣寺』の冒頭部分を交代で朗読し始める。
次第に主人公である溝口(森田)に焦点化して芝居が始まるが、その後も、舞台の前半は柏木(高岡)が、後半は鶴川(大東)がナレーターを務める。
小説『金閣寺』は溝口の一人称で記述されていて、芝居でも柏木と鶴川のナレーションによって、溝口の見た外界や彼の内面が吐露される仕組み。
ナレーターとしての彼らは劇中の衣装ではなく普段着で、この作品世界で示される溝口の思いは現在のわれわれと地続きなのだと示しているかのよう。

明暗両面をもっていた鶴川と、内飜足によって自己誇示せざるをえない柏木の二人が溝口のナレーターとなることにより、異なった個性をもった溝口-柏木-鶴川の3人の若者が実は一体である印象を受ける。
溝口と鶴川が肩を組む場面や、柏木と溝口が話すところを凝視して立ち去る鶴川など、男同士の親密な関係も示唆される。

溝口が固執する金閣は、セットではなく、人間が演じる。
金閣を擬人化するというと前衛的な演出だと思われがちだけど、妙なケレンや違和感はなかった。
金閣(鳳凰)を演じる山川冬樹は、長髪でスリムな体躯で、男性でも女性でもなく性別不明な、時間を超えて中世から脈々と存在してきた建造物を体現していた。
そして折々にものすごい音声を立てて、溝口(と観客)を脅かす。ホーメイというのだそうだが、とても人が発する声とは思えなくて、このボイス・パフォーマンスのたびに大いに驚かされた。


さて、神奈川公演を見た方々のレビューで前もって教えられていたとおり、今回の舞台は原作である三島の『金閣寺』の主要なモチーフをほぼ網羅していた。
中盤まで地味な印象を受けたのは、ややもすると原作のダイジェスト版に見えかねないためだったのかもしれない。
でも細かく見ると異なったところもあって、おそらくそれが宮本亜門版「金閣寺」のキモなのだと思う。
全体に原作のモチーフの配置をまとめることで、メッセージを明瞭にしていた。

父(高橋)が溝口の目を覆って母(岡本)の不倫を見させなくするシーンの回想は、原作では父の一周忌で母が金閣寺に来るところにおかれていたが、舞台では柏木が老婆との初交渉を再現する場面まで遅延される。
もう一人の溝口ともいえる柏木と老婆のセックスに重ね合わされることで、母への屈折した愛、エディプス・コンプレックスが暗示されているかのようだ。

また、寺を出奔して舞鶴に行く車中でも、回想が挿入される。
一つは「死」の系列。溝口が短剣を傷つける海軍機関学校の生徒(彼は、敗戦の日に切腹する)-有為子-有為子の相手の軍人-父-鶴川。(順番はうろおぼえ(^^;;))
もう一つは「妊娠(と生れてこない子ども)」の系列。生け花の師匠-米兵と共に来た娼婦-そして有為子。
前者は基本的に男たちで、後者は女たち。
それらの回想の果てに、父の葬式の場面(本火を使用!)がカットバックされて、「金閣を焼かねばならぬ」という想念にたどりつく。
金閣を焼くことが、すべてのコンプレックスの根源である父と女によって産み出された生命を抹消することであるかのように。

また、小説では、溝口は金閣放火の前に遊廓に行く。それまで女性と性的な関係を持とうとするたびに現れていた金閣に邪魔されることなく、まり子という娼婦と性的な関係を結び、それを契機として金閣に火をつける。
この遊廓の場面が、舞台ではまるごとカットされていた。

溝口は、吃りであることで、有為子に象徴される現実の女性と交渉できないというコンプレックスをもっていて、その根っこには母への愛憎がある。
だが、演劇版では、そうした女性の系列よりは、柏木-鶴川、あるいは父-老師といった男同士の関係の方に重点を置いていたように思える。
それは必ずしも女性嫌悪ではないが、娼婦との肉体的接触などもたなくても、金閣に対峙することができると示しているかのようだ。

放火の当日に会った禅海和尚を、父を演じた高橋長英が二役で演じていたのもその現れで、金閣への溝口のこだわりは父によって育てられ、その父の半面である禅海に承認されることで溝口は自分の金閣放火が許されると判断する。
女性との関係がないわけではないが、どちらかといえば男同士の絆によって劇が展開していくのだ。
金閣を焼く場面で、書き割りの巨大な「目」が現れるのも、父によって目隠しされた呪縛が解かれるシンボルだろう。

ほかにも、小説にあった「南泉斬猫」の法話の代わりに、舞台では、臨済録示衆の章の「仏に逢うては仏を殺し、祖に逢うては祖を殺し・・」を早い時期から唱えさせていた。放火の前に急にこの言葉を想起する小説版はかなり唐突な印象を受けるので、むしろ舞台の方がよりわかりやすくなってよかったと思う。

最後に金閣に火をつけた溝口は、「生きよう」と思う。これは小説「金閣寺」と同じだ。
強固な観念となって自分を縛る金閣を焼き、憑き物がおちたようになって溝口は現実に戻ってくる。
「生きよう」と、ナレーターの鶴川が言い、柏木が言い、そして溝口が言った後、溝口は客席に降りて最前列の座席に坐る。
溝口は決して特異な人物(モンスター)ではない、歳月は隔てても現代のわれわれと同じなのだ、われわれの一員なのだ、という鮮やかなメッセージを放って、舞台は閉じられる。


全体に、とてもよくできた芝居だった。
脚本も演出も役者も、すべてプロの仕事という感じ。
企画も出演者も商業演劇の最たるもので、よく練られてキッチリと仕上がった舞台だったが、しかしながらルーティンの一つとして手際よく造りましたよ感がなくて、熱意と愛情がこめられていた。

『金閣寺』の二次創作としては、小説発表直後の1957年に新橋演舞場で演劇が上演され、その後もオペラ化されたが、これらはもちろん私は未見。
映画には、「炎上」(1958年・大映、市川崑監督、市川雷蔵・仲代達矢ほか)と「金閣寺」(1976年・ATG、高林陽一監督、篠田三郎・柴敏夫ほか)があって、これは映像で何度か見た。

二つの映画については、以前に書いたことがあるが、二つとも小説版とはかなり改変されている。
「炎上」の方は小説が書かなかった放火後の溝口や母が描かれ、「金閣寺」では女性たちが過度にクローズアップされ、いずれも、小説「金閣寺」との差異化を目的として作られていたように思う。

二つの映画に比べると、宮本版「金閣寺」は、とてもオーソドックスだ。
オーソドックスだが、単に、原作のモチーフをすべて入れました、というのとは違っている。若い男性3人の物語として「金閣寺」をしっかりと解釈した上で、その理解に沿って自然に作り上げられていた。

一方で、映画「炎上」へのリスペクトも感じられた。最初のうち、森田は雷蔵に、高岡は仲代達矢に見えた。先行する作品のイメージは尊重している。
副司役の花王おさむの、「老師~」という言い方は、映画「炎上」そのまんま。映画のように副司の息子が登場して、溝口と老師の跡目争いでもするのか・・と思ったぐらい。(あとでパンフレットを見たら、花王は映画のイメージを参考にしたと話していて、納得)。

役者陣は、主演の森田はじめ、みな熱演。
神奈川の初日から1カ月近くたって、芝居自体が熟してきたのだろうね。
とくに森田は、出ずっぱり。頭も坊主に丸めて溝口になりきり、屈託がよく表現されていた。
ジャニーズという先入観で曇らされてはいけない、うまい役者だと思う。
(私の後ろの席のお姉さんたちは、「なんか切なそうな顔やヘタレな顔ばっかり。笑った剛君が見たい。。」とのたまっておられましたが・・・。)

高岡、大東、有為子の中越もよし!
高岡くんは、自分で尺八を吹いていたのね。あれは難しいのだ・・。
(令嬢役の三輪ひとみさん、どこかで拝見したお顔だと思ったけど、「ハリケンジャー」の御前さまだった! なつかしい~。)
ともかく今回の芝居では、ベテランのうまさばかり目立って若手がダメ、ってことがなかったのが嬉しいデス。


さて、宮本亜門と三島由紀夫。

没後20年の1990年に『近代能楽集』全作品を2作品ずつ上演する企画があった。
宮本は「卒塔婆小町」の演出予定だったが、直前になって主演の一人・堤真一とともに公演から下りた。
たしか、主演の李麗仙と宮本が作品解釈で衝突したのだった。
(同時上演はさきごろ亡くなった茂山千之丞さん演出の「葵上」で、出演は、沢村藤十郎・佐野史郎)。

私は当時住んでた名古屋での公演に行ったけど、いま売り出し中の宮本亜門による三島劇が見たかったなあと、とてもとても残念だったことを覚えている。
その後、堤真一の方はtptの『近代能楽集』で三島劇を演じるところを見ることができたが、宮本の三島劇には縁がなかった。

今回、新設なった劇場の芸術監督に就任し、こけら落とし公演に三島由紀夫の代表的な小説の翻案をもってきたのは、宮本なりの20年ぶりのケジメだったのかもしれない。

2011/01/03

新年・新潟・安吾

Niigata2_2

いまさらではございますが、明けましておめでとうございます!
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

年末年始に、新潟のダンナの実家へ行ってきました。
孫の顔見せです。
天気予報では「吹雪」「暴風雪」などと出ていたため恐れていたのですが、少し降ったぐらいで、元日も晴天。
新潟の元旦に青空が見えるのは珍しい、と地元の方も話しておられました。

さて、新潟といえば坂口安吾
いままさに授業で扱ってます。

寄居浜の安吾の碑(ふるさとは語ることなし)には何度か行ったことがありますが、西大畑の生家跡は、気になりながらもどこなのかわかりませんでした。
ちょうど夫の叔父が西大畑に住んでおられ、リタイアして時間があるとのお言葉に甘えて、案内していただきました。

Ango1

この道路になっている辺り一帯が安吾の生家だったとのこと。
いまは家はありません。

Ango2

Ango3

さきほどの道からすぐ、新潟大神宮の境内入り口近くに、「坂口安吾生誕の地」の碑が置かれています。
雪でぬかるんだ小道を歩きながら、このあたりを安吾が歩いていたのか・・、としばし見回しました。
安吾といえば、幼稚園時代から放浪し、佐渡の見える海岸に寝っころがっていたとの逸話が残っていますが、たしかにここからならば、少し距離はあるものの、歩いて海まで行けます。

碑から海岸方向へ少し進んだところ、旧市長公舎に、「安吾風の館」ができています。
建物前までは行きましたが、年末年始で休館。残念ながら入ることができませんでした。
また次の機会に。

★安吾探索マップ新潟編(安吾の会)

★坂口安吾デジタルミュージアム

2010/12/29

『近代文学試論』第47号リポジトリ登録完了

広島大学近代文学研究会『近代文学試論』第48号刊行に伴い、前号47号を広島大学学術情報リポジトリ(HiR)に登録していただき、研究会ホームページ上でも公開しました。
リンクから、論文全文をPDFファイルでダウンロードできます。

★『近代文学試論』第47号(2009.12.25)目次

歳末にもかかわらず、迅速に登録してくださった、図書館と森岡さんに感謝いたします。

なお、最新第48号の目次は↓です。

★『近代文学試論』第48号(2010.12.25)目次

講読ご希望の方は、目次ページの連絡先からどうぞ。
48号のリポジトリ登録は、来年、次号が発刊されてからとなります。


2010/12/27

『近代文学試論』第48号刊行

Img

広島大学近代文学研究会が発行する『近代文学試論』の最新第48号が刊行され、会員に向けて本日発送しました。

★最新48号目次

本号は、大正期から戦後高度経済成長期までを扱った5本の論考で構成しています。
購読料は、1冊1,200円(送料込み)です。
ご希望の方は、上記ページの問い合わせ先からご連絡ください。

最新号が発行されますと、 前号はリポジトリに登録されて、PDFファイルで本文閲覧可能となります。
図書館に登録希望を出していますので、年明けには第47号をお読みいただけるようになります。
バックナンバー目次からぜひご利用ください。

『近代文学試論』も、次々年度には第50号記念号を迎えます。
初期の3年間は年2回刊行だったので、正確には半世紀を経るわけではありませんが、それでも近代文学専門の研究誌でこんなに息長く継続刊行しているものは少ないはずです。
皆様には、今後とも『近代文学試論』へのご支援をよろしくお願いいたします。

愛媛!

Dohgo

とっても久々の更新です。
芝居や映画を見たあと、ツイッターでつぶやくとそれで満足しちゃってて。ブログとの棲み分けが必要ですね。

さて、年内の授業が終り、この土日に、家族で道後温泉に行ってきました。
一時期、由布院に凝っていたのですが、一昨年夏、昨年冬と3年連続の道後温泉です。すっかり恒例行事という感じ。
道後には、前任校時代、新入生オリエンテーションセミナー(通称オリセミ)で毎年春に行ってました。事前に「坊っちゃん」や俳句の講義をして、松山で俳句大会をしたりしてましたが、ゆったりしていい街です。

しかし、今回は、宿についたところで、ちょっとトラブル。
なんとダンナが間違って一日遅く予約していたのです。
宿の方が対応してくださって何とか泊まることができましたが、あやうくUターンしなきゃならないところでした。OKが出るまで、休前日だし、ハラハラしましたよ。まったく・・・sad
子規博近くにあり、気に入って3年続けてお世話になった宿で、よかった~。

Towel

初日は、宿に行く前に、今治の漆器会館や、タオル美術館へ。
タオル美術館は、意外に広い。
俣野温子さんの作品が、圧巻。お馴染みの、タオルハンカチが数多く展示されているほか、タオルでこんなに表現できるんだ!という大作や連作もあって、楽しめました。
写真は、チーズと呼ばれる巻糸。壁一面にカラフルな糸が並んでます。

Enameling

2日目は、砥部で、絵付け
これまで6寸と5寸の皿だったので、今回は、7.5寸の深皿。煮つけや、カレー、パスタにも使えるように。
右から、娘、ダンナ、私の力作。
できあがると、黒の部分が砥部焼独特の青色に、赤が茶色に変化します。(緑は緑色のまま。それから、鉛筆の下書き線が見えてますが、これは、焼いたら消えます。)
1月中旬に到着予定。楽しみです。

Jutaro

ランチは、センター敷地内にあるカフェJutaro(ジュタロウ)へ。
3年前に偶然入って以来、3回目ですが、人気店のようで、いつもいっぱい。
天井が高くて落ち着くし、砥部焼を使っていて、盛りつけもこなれてます。
料理は、野菜をたくさん使っていて、副菜にいたるまで美味しい。
メインは3種類から、デザートも数種類から、選べます。

Jutaro3

Jutaro2

Tobe

外は、雪。
やはり松山から山の方へ入っていくので、冷え込みました。

しまなみ海道を通って、大島の村上水軍博物館へ。
前回、大三島で国宝もたくさん見たし、今回はどの島で降りる?と相談しつつ、今治でもらった地図に載ってたので何気なく寄ってみましたが、意外にも面白く、とっても勉強になりました。
能島村上水軍。
海から見ると、陸とは違う歴史が見えてくるものですね。
(小学生時代、走島の同学年の女子生徒と文通してたのを思い出した。やはり村上水軍の末裔で、島のほとんどが村上姓だと話していたなあ)。

無料で、着付けも。(小袖もあったけど、女性も鎧兜が人気というので、娘もダンナと一緒に武将に変身)。
連休中などは、一日100人ぐらいに着付けるので、待ち時間も多く、写真もサッサと撮って、、という感じらしいですが、今日はのんびりと。着付けてくださる方々も、たっぷり色々な話をしてくださりながら。

図書コーナーで水軍の本やマンガを読み始めたところで、帰らなければならない時間に。
船に乗って潮流体験もできるらしいので、もっと暖かい時期にぜひまた来たいものです。
次回は、私も小袖を(^^;;)。

のんびりゆったり、骨休めの2日間でした~。

2010/10/05

蜷川演出で三島の「サド」&「ヒットラー」!

三島×MISHIMAvs蜷川 「サド侯爵夫人」/「わが友ヒットラー」
シアターコクーン

作:三島由紀夫
演出:蜷川幸雄
出演:東山紀之 生田斗真 木場勝己 大石継太 岡田正 平幹二朗

★東京・シアターコクーン
2011年2月2日(水)~3月2日(水)

★大阪・シアターBRAVA!
2011年3月8日(火)~20日(日)
お問合せ:キョード-インフォメーション 06-7732-8888(10:00~19:00)

朝日コム(2010年10月5日)
東山、生田が三島作品を蜷川演出で挑戦

東山紀之(44)と生田斗真(25)が世界的演出家、蜷川幸雄氏の舞台に出演することが4日、発表された。
作家三島由紀夫の「サド侯爵夫人」と「わが友ヒットラー」の2作品。
来年2月に東京・渋谷のBunkamuraシアターコクーンで同時上演される。

2人は「サド侯爵-」で女性役に挑戦。東山はスキャンダルまみれのサド侯爵を愛でかばい続ける貞淑な夫人、生田は無邪気と無節操さを併せ持ち、サド侯爵と行動を共にする夫人の妹を演じる。

一転して「わが友-」で東山は誇り高い軍人、エルンスト・レームを、生田はアドルフ・ヒトラーを演じる。両作品の登場人物は数人。
「サド侯爵-」は女性役だけの作品で、「わが友-」は男性役だけ構成される。
各時代を代表する怪物的な人物を中心に描かれ、男女の不可思議を浮き彫りにする。  

東山は「三島由紀夫という、とてつもなくでかい山を登ることになりました。その頂に蜷川さんがどう導いてくれるのか、そこからどんな景色が見えるのか、2011年のあらたな挑戦にご期待ください」。
生田は「初めての蜷川作品参加で緊張しております。2作品ということで、いつもの2倍飛んでくる灰皿をよける練習から始めたいと思います」と意気込んでいる。
ほか平幹二朗が出演。

スポニチ[ 2010年10月05日 ]

生田斗真&東山紀之 蜷川舞台で女装披露

少年隊の東山紀之(44)と生田斗真(25)が蜷川幸雄氏演出の舞台に出演する。

三島由紀夫の代表的な戯曲「サド侯爵夫人」と「わが友ヒットラー」。来年2月2日から東京・渋谷のBunkamuraシアターコクーンで同時上演される。

「サド…」は女性6人しか登場しない物語で、東山と生田は女装を披露する。「わが友…」では東山がドイツ軍人、生田が独裁者アドルフ・ヒトラーを演じ る。東山は「三島由紀夫という、とてつもなくでかい山に登ることになりました。2011年の新たな挑戦にご期待ください」、生田は「初めての蜷川作品参加 で緊張しております」と話している。

これはまたすごいニュース!

蜷川×三島の「サド」&「ヒットラー」!
「サド侯爵夫人」は、戦後戯曲ナンバー1と呼ばれつつ、これまで実際に上演されると、むしろ「近代能楽集」のほうが実験的で面白い試みがなされていた。

しかし、今回は、蜷川さん!
これは、決定版になるかも。。

「サド」が男優だけで上演されることもこれまでにはあったので、「女装」じたいは騒ぐほどのことではない。
ただ、サド&ヒットラーを同時上演って??
それぞれ3時間ぐらいかかる芝居。しかもセリフ劇。どうなるのだろう。

そして、ジャニーズ系だとチケットが取れない・・(T_T)
でも、とっても見たい!
せめてせめて、WOWOWに期待。。

2010/09/24

懐かしき原点「スイッチ・オン・クラシック」

Switch_on_classic

最近またラジオ復権だそうだけど、かつてエアチェック全盛のころ、私もラジオを録音することがあった。もちろん、当時のこととてカセットテープに。

とくに気に入っていたのは、1983年から85年にかけてのFM番組、野田秀樹さんの「セイコー・スイッチ・オン・クラシック
私の年代だったら、聴いてた人も多いんじゃないかな?

お相手はお耳の恋人、野田秀樹です」で始まる番組は、20代後半の野田さんの軽妙なDJで、言葉遊びあり、ときには同時期の舞台のセリフを読んでくれることもあって、遊眠社ファンには聞き逃せなかったし、もちろん野田さんを全く知らない人もクラシックの初心者も楽しめるクラシック番組だった。
服部セイコーがスポンサーのCMもまた、時間をテーマに音だけでこれだけ表現できるんだね~、というアートな出来。「1秒に喜び、1秒に泣く。一生懸命、1秒。セイコー」・・とかね。

たしか、毎週月曜(だったか火曜だったか)の夜9時からの1時間番組だったのだが、院生だった私は塾講師のアルバイトが入っていて、ナマでは聴けなかった。
で、有り金はたいて(?)この番組のためにタイマー付きのPコンポ(タカハシユキヒロがCMしてたビクター製)を買って、録音していた。繰り返し聴いていたそのテープの何本かが残っている。
もし月曜日にバイトが入ってなくてナマで聴けていたら、テープが残ることもなかったかも、、と思うと、ありがたや~。

自室にカセットデッキもなくなり、もう十年以上も全く聴いていなかったテープを、数日前から思い立ってデジタル化し始めた。

サウンドブラスターはずいぶん以前に買ってあったのだが、おっくうで始めるキッカケがなかったのだ。(いまは新製品も出て、きっともっと簡単にmp3にできるのだろう)。
新潮カセット文庫や、ほおってあった語学教材テープなども、そのうちデジタル化したい。
そしたら、通勤の途中でもiPodで聴けるし、教室でも使い勝手がよいだろう。

さて、「スイッチ・オン・クラシック」。たぶん放送は100回だったようだが、手元に残っているのは30回分ほど。
以下、ご参考までにタイトルを並べてみる。
(#は、ケースが無くて正確なタイトルが不明。
※は中身がなくてケースのみ。聴きすぎてテープが伸びたり切れたりしたものだ。
ケースの記載そのままを写したので、日付は不正確なものもある。
副題は中身がわかるように私に書き添えた)。

  • ロックにバがつきゃバロックだ 1983.8.22
  • 夜だらけの国から-シベリウス 1983.12.6
  • G線上の宮仕え-バッハ 1984.1.17
  • 出前迅速お好みクラッシック・フランス料理篇 1984.1.31
  • 今宵ほれっぽい人のために-アルルの女 1984.2.21
  • 天が二物を与えた美女たちⅠ 1984.2.28
  • みかんの花が咲いている 1984.6.12
  • 今宵つつましき人のために-チェンバロ集 1984.6.19
  • リヒャルトストラウスはこう語った 1984.7.10
  • 火の鳥・不死鳥伝説 1984.9.12
  • 疲れない憑かれた話-月光 1984.9.18
  • 出前迅速お好みクラッシック・ウィーン料理篇 1984.9.25
  • 1DKの音楽-室内楽 1984.10.2
  • 昔、バイキングの国-ノルウエー 1984.10.30
  • オペラがショウアップするとき 1984.11.20
  • 外套と青空-フルトベングラー 1984.11.27
  • 四季なしでビバルディ 1984.12.11
  • 今宵、風のおくりもの-オルガン 1984.12.25
  • ぼくのおしょうがつ-皇帝 1985.1.1
  • サティ ピアノ曲集 1985.2.5
  • チェロの似合う人 1985.2.19
  • #美しき十代
  • #そっと目立つ人-ベートーベン交響曲4番
  • #ピアノでも田園
  • #展覧会の絵
  • ※つわものどもがセレナード 1983.8.30
  • ※悲恋教えます-ロミオとジュリエット 1983.9.6
  • ※今昔冒険物語-ペール・ギュント 1983.11.29
  • ※悪魔と添い寝した男たち-タルティーニ・パガニーニ・リスト 1983
  • ※ヨハン子だくさんバッハ 1985.3.19
  • ※ここで会ったが百回目 1985.3.26

ひゃあ。四半世紀も前なのね。並べるだけで、懐かしい!
タイトルのセンスや言葉遊びも野田秀樹印。

ビンボーだったので、カセットは上書き録音しながら使い回していた。だから、初期の、つまり83年のはあまり残っていない。残っているのは、お気に入りで消さなかったものばかり。
「ロックにバがつきゃバロックだ」はそうした一つ。秘蔵品ですな。
「つわものどもがセレナード」や「古今冒険物語-ペール・ギュント」もお気に入りだったのだが、聴きすぎてテープが切れてしまった。伸びたテープを無理して聴いてて、切れた瞬間の愕然・無念・後悔の念はいまだ記憶に残っている(気がする)。

いま何本かは作業しながらモニターしているが、怖れていたほどには劣化していなくて、音質もまあまあ。もちろん、CDのようにクリアじゃないし、雑音もある。モノラルでしか再生できないものもあったり。でも、そういう時代だったし、聴けるだけ嬉しい。

番組のテーマ曲は、野田さんによると(いいですか~、一度しか言いませんから、メモする人はメモしてください。ちょっとメモを準備する時間、待ちます)、ティールマン・スザートの「むかし小娘が」。
(コレギウム・アウレウム合奏団「楽しいルネサンスの舞曲集」)。

野田さんの声が全然変わっていないなあ。
「小指の思い出」の幕切れのセリフの朗読が入ったり、高校時代に蜷川幸雄演出の「近松心中物語」を見た話から、ひらみき(平幹二朗)の声音をつかったり、聴いててワクワクしちゃう。

これからしばらく、通勤時や自宅での仕事の折に楽しめそうだ。(野田秀樹論のヒントが出てきたり!?・・は、ないか)。
もちろん野田さんも遊眠社時代から進化/変化し続けているし、私だって今を生きなきゃ。ノスタルジーにひたってばかりはいられない。
でも、「臥薪嘗胆」(^^;;)期間のいま、たまにはワルキューレ3部作や「野獣降臨」(のけものきたりて)や「走れメルス」の元気な時代-原点に戻るのも悪くはない。

2010/08/26

お知らせ:学習院 活字文化公開講座(三島由紀夫)

学習院広報課からお知らせいただきました!

~三島由紀夫の自決から40年、芥川賞作家の平野啓一郎氏が「ニヒリズムと否定性」をテーマに基調講演。さらに学習院大学文学部の中条省平教授と「三島由紀夫と学習院」をテーマに対談も行います。~

学習院 活字文化公開講座

日時 2010年10月9日(土)13時30分~15時30分
会場 学習院 目白キャンパス
       西2号館201教室

基調講演
  平野啓一郎さん「ニヒリズムと否定性」

対談
  没後40年記念「三島由紀夫と学習院」
  平野啓一郎さん/中条省平さん

申込方法

  1. 学習院公開講座係
  2. 郵便番号・住所
  3. 氏名・年齢
  4. 職業
  5. 電話番号

を明記し、「活字文化推進会議事務局」まで
katsuji@yomiuri.com

〆切 9月24日(金)必着

21世紀活字文化プロジェクトのページ

没後40年企画ですね。
興味深いです。
私は、教室の院生発表会があって上京はかないませんが、行ける方はぜひ!

B000VNTPY8 みやび 三島由紀夫 [DVD]
ワック  2007-11-30

by G-Tools
4408534722 三島由紀夫が死んだ日 あの日何が終わり 何が始まったのか
中条 省平
実業之日本社  2005-04-16

by G-Tools

«晩夏つれづれ

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CD

  • 曽根麻矢子 -

    曽根麻矢子: バッハ:ゴルトベルク変奏曲
    最近のお気に入りは、曽根麻矢子さん。「イギリス組曲」や「イタリア協奏曲」も素敵ですが、やはりこの1枚がおすすめ。丁寧な演奏と美しい音質にとても好感がもてます。

  • ヨーヨー・マ -

    ヨーヨー・マ: ヨーヨー・マ ベスト・コレクション
    「リベルタンゴ」やバッハの無伴奏も入っているので、ヨーヨー・マで一枚だけ、となると、やっぱりこれかな。。それぞれのアルバムで聴きたいところですけどね。

  • Yo-Yo Ma with The Amsterdam Baroque Orchestra & Ton Koopman -

    Yo-Yo Ma with The Amsterdam Baroque Orchestra & Ton Koopman: Vivaldi's Cello
    知性と穏やかさの感じられるヨーヨー・マの演奏。これは、よく聴くアルバム・ベスト3の一つです。

  • 春風亭小朝 -

    春風亭小朝: 小朝の夢高座Op.1「牡丹燈籠 ― 御札はがし」
    うまい! 何でこんなにうまいんだろう。落語家につける形容詞じゃないけど、スキのないうまさを堪能できる。もっとCDを出してくれることを切望。

  • のだめオーケストラLIVE!
    のだめオーケストラ・東京都交響楽:

    「のだめオーケストラ」LIVE!

    娘がピアノの練習を嫌がらずやるようになった、ありがたーいCD。2-2の2小節で間違えるバージョンがことのほかお気に入りの様子。クラッシックの入門編として。
  • Best of Bowie(US)
    David Bowie:

    Best of Bowie (Bonus CD)

    とりあえずデヴィッド・ボウイを聴きたい方へ。変遷を手際よくたどるのに好適!
  • Labyrinth
    Original Soundtrack:David Bowie:

    Labyrinth: From The Original Soundtrack Of The Jim Henson Film

    映画「ラビリンス」のサウンドトラック版。音楽的にもなかなかよい。バブバブ言っているのがボウイだと想像すると微笑ましい。
  • バッハ:ブランデンブルグ交響曲5番
    トレバー・ピノック/イングリッシュ・コンサート:

    Bach: Brandenburg Concertos Nos. 4-6; Triple Concerto BWV 1044

    硬質なカシャカシャとした音が、バロックにとても合っていて、気分が落ち着きまする。
  • Karajan Spectacular
    カラヤン:

    Karajan Spectacular

    そうは言っても、「ワルキューレの騎行」は、クナよりもカラヤンをとりたい。
  • ワーグナー:名演集
    クナッパーツブッシュ/ウィーン・フィル:

    ワーグナー:名演集

    「すばらしい」の一言。夾雑物が何もなく、ワーグナーの音自体が見事に立ち上がってくる。